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NO.506

工場火災 丸1日たつも鎮火せず/宮崎

■■ ESHの解決策
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2020.11.4 No.506

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

11月に入り、朝晩は肌寒さを感じるようになりましたが、日中は暖かい日差
しに恵まれて本当に気持ちの良い季節となりました。

先日、有名若手俳優によるひき逃げ事件が大きく報じられました。「パニック
になってしまった」という気持ちも分からないではないですが、当然ながら事
故を起こしたこと以上に、逃げて事件にしてしまったことのほうが罪は重く、
更に大きな騒動を引き起こしてしまったことは残念でなりません。

これから年末にかけて、公私共に慌ただしくなる季節です。車を運転される方
はいつも以上にゆとりをもって安全運転を心掛けてください。私も気を付けま
す!(門)

 

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■環境不祥事の教訓

◆工場火災 丸1日たつも鎮火せず/宮崎 (10/21)

20日午後5時前、延岡市の半導体集積回路の工場「旭化成マイクロシステ
ム」で「4階から煙が上がっている」と会社から消防に通報があった。

消防はおよそ70人が24時間態勢で消火活動にあたっているが、丸1日以上
たった現在も消火のめどはたっておらず活動は難航している。

消防によると21日朝、4階で消火活動にあたっていた消防隊員数人が、「顔
がひりひりする」などの違和感を訴えたという。

消防では、何らかの有害な物質が発生している可能性があるとして、一時、工
場の内部での消火活動を休止した。

昼すぎからは安全を確保して活動を再開したが、出火したとみられる4階には
いまだに煙が充満していて、火元が特定できていないという。

旭化成延岡支社によると、この火事では、工場の従業員およそ400人は避難
して無事で、けが人は出ていない。また、小規模の爆発が生じる可能性はある
ものの工場の外に影響を及ぼす危険はないとしている。

工場周辺では、異臭が発生しているが、会社によると、電気ケーブルを覆う際
などに使われる塩化ビニールが燃えて発生した塩化水素とみられ、数か所の地
点で調査して人体に影響がない濃度であることを確認したという。

一方、延岡市では、避難を希望する人のために21日午後、市役所2階の講堂
に避難所を開設した。
(NHK NEWS WEB)

以下、続報(抜粋):

■24日午後0時25分、「鎮火」が確認された。(10/24宮崎日日新聞)

■延岡支社からの情報提供がわずかで、事業所が保管する可燃性ガス「モノシ
ラン」など危険物の有無についても発表が二転三転している。

3日にわたり黒煙が立ち上り、体調不良を訴える住民もいる中、現場近くの住
宅地には同支社や事業所から直接連絡がなかったこともあり、住民たちは「企
業秘密よりも人命を優先してほしい」と不信感を募らせている。(10/24宮崎
日日新聞)

■24日、初めて会見した旭化成延岡支社の支社長は「近隣住民の方々に多大
なご迷惑とご心配をおかけしました」と謝罪した。

工場の3階には爆発のおそれのある物質が保管されていたが、会社側は火災発
生の翌日の夜まで、この事実を公表していなかった。

これについて支社長は「火災が起きた場所と、爆発物の保管場所は防火壁で区
切られているため、大丈夫だと思っていた」と釈明したうえで、今後、情報提
供のあり方を見直す考えを示した。(10/24NHK NEWS WEB)

■延岡支社は24日、建物内の放水消火後の水たまりから、濃度によっては人
体に有害となるフッ化系物質が検出されたと明らかにした。

「濃度は0.01%で非常に低く人体に影響はない」と説明。今後、建物の他の場
所でも同物質の有無や濃度の調査を進める。同支社は当初から事業所での同物
質の使用を認識していたが、公表していなかった。(10/25宮崎日日新聞)

■20日午後4時39分、5階建て工場4階の西側付近で従業員が煙を見つけ、出火
を確認。初期消火に駆け付けたが、すでに火柱が上がっており、「消火は無
理」との判断から避難指示を出したという。出火場所は「4階クリーンルーム
(防塵〈ぼうじん〉室)のどこか」と推定。外観では4→3→5階と燃え移った
ように見えたとしている。

工場内にスプリンクラーはないが、法定の消火器と消火栓は備えている。消火
訓練も年2回続けるが、従業員は「初期消火に向かうより火の回りが早かっ
た」と話しているという。出火当時は424人が勤務。濱井支社長らは「従業員
の身の安全を優先した。

製造工程で一般に使われる化学物質モノシランは爆発性だが、保有量は少なく、
容器に密閉して、出火棟とは防火壁で隔てられた棟で保管しているため、危険
性はないと判断したという。

工場周辺に広がった異臭は、電気ケーブル被覆など塩化ビニールの燃焼で発生
する塩化水素が原因と推定。住民から苦情が相次いだため敷地境界など5地点
で空気中の塩化水素濃度を定点観測したところ、人体に影響がないとされる
2.0ppm以下で、最大でも0.8ppmだったという。(10/25朝日新聞デジタル)

◆解説

上記で記事を抜粋したとおり、災害はもちろんですが、リスクコミュニケー
ションにも問題があると考えます。

【消防署に対して】
・消火活動にあたっていた消防隊員数人が、「顔がひりひりする」などの違和
感を訴えた

・建物内の放水消火後の水たまりから、0.01%のフッ化系物質が検出された
同支社は当初から事業所での同物質の使用を認識していたが、公表していな
かった

・モノシランは爆発性だが、保有量は少なく、容器に密閉して、出火棟とは防
火壁で隔てられた棟で保管しているため、危険性はないと判断した

【住民に対して】
・24日に初めて支社長が会見

・工場の3階には爆発のおそれのある物質が保管されていたが、会社側は火災
発生の翌日の夜まで、この事実を公表していなかった

消防署に対して適切な情報を伝えなければ、消防署員の命に危険が及ぶ可能性
があります。

消火後の水たまりからフッ化系物質0.01%が検出され「非常に低く人体に影響
はない」としていますが、0.01%は100mg/Lです。フッ素化合物の環境基準は
8mg/Lです。意図的に%で示したのでしょうか?

ちなみにフッ化水素の人へのばく露の管理濃度は0.5ppmです。

この災害を他山の石として、特に化学物質を使用する事業所では自社のリスク
コミュニケーションを見直すことを期待します。

★火災に伴う環境側面の考慮点について「ESHエキスパート」で解説していま
す!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆旭化成爆発事故「危険物に着火」 滋賀の製造所1人死亡で調査報告 (10/
28)

旭化成守山製造所(守山市)で6月に製造ライン解体中の男性作業員1人が死亡
した爆発事故で、同社は28日、残留した危険物が解体機材の熱で着火したのが
原因とする調査報告を発表した。

事故は6月10日昼、リチウムイオン電池のセパレートフィルムを製造するハイ
ポア工場で発生。男性はフィルム洗浄工程の処理槽を解体するため槽の切断作
業をしていた。

調査報告によると、槽内の中間空洞部に、洗浄に使う危険物のメチルエチルケ
トンが残留し、切断用機材の熱で引火して爆発が起きたと認定。槽の温度調整
用の水によって空洞部の隔壁が腐食し、メチルエチルケトンが流入したとみて
いる。作業前に槽内や付属配管の危険物除去は済ませていたが、会社側は中間
空洞部の密閉構造を把握せず、危険物がたまるとは考えていなかったとした。

旭化成は調査報告と併せ、中間空洞部が密閉構造にならないように安全設計を
することや設計情報の共有などの再発防止策も示した。
(京都新聞)

◆解説

同社に特別な感情はありませんが、多くの企業の教訓となりますので、ここで
も「環境不祥事の教訓」と同じ企業の災害を取り上げます。

延岡の工場火災の直後にこの事故調査報告書を発表するのはタイミングが悪い
ですね。悪いことは重なるということでしょうか。

本報告書は同社のサイトで公表しています。

https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2020/ip4ep30000001s4r-att/ze201028.pdf

メチルエチルケトン(以下、MEK)に溶断の火が引火したものですが、
MEKの性状は次のとおりです。

引火点:-7.2℃
比重 :0.81(非水溶性)

非水溶性ですので、水と混じっても溶けず、比重が小さいので水の上に浮かぶ
状況となります。

その状態で揮発しますが、引火点が-7.2℃ですので、常温で爆発範囲に入りま
す。

この箇所を溶断すれば、爆発することは自明です。したがって、溶断前に適切
にパージして工事業者に引き渡すことが必須となります。

本メールマガジンでも何度もお伝えしているホットワーク(火気使用作業)の
許可システムに課題があると考えられます。

同社のレベルであれば、そのようなシステムは存在したのだと推察します。お
そらく、構造的に「中間構造部」にはMEKは入る筈がないと認識していたの
でしょう。

私たちが教訓とすべきは、溶剤が入っていた施設は溶断や溶接の前に慎重に残
留がないことを確認しなければならないということです。

 

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/QvP53Sy5R2g

★Hot Work Permit(火気使用作業許可)の許可証と、米国のHot Work Permit
の事前点検の事例を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

あなたに最初にチャンスを与える人間はあなた自身でなければならない

■新着情報

・ESHデータバンク追加資料

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

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■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 1件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 20件

 

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【発行元】
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