アイダ設計を書類送検 産廃処理を無許可業者に委託容疑
■■ ESHの解決策
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2014.11.5 No.362
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
週末は3連休という方も多かったと思いますが、皆様はどのようにお過ごしだ
ったでしょうか?我が家では、栃木県鹿沼市にある古峯神社境内にある庭園
「古峯園(こほうえん)」へ紅葉を見に出掛けました。園内は綺麗に整備され、
池の周りをぐるっと散歩しながら真っ赤に色づいた紅葉を楽しんできました。
日光や那須といった有名な紅葉スポットもいいけれど、探してみると近くてこ
んなに素敵な場所があるんだなぁと驚きました。次回は新緑の季節に訪れてみ
たいと思います。
寒さが厳しくなってきました。インフルエンザも発生し始めているようですの
で、くれぐれもお気をつけください。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆アイダ設計を書類送検 産廃処理を無許可業者に委託容疑 (10/23)
住宅解体工事に伴う産業廃棄物の処分を無許可業者に委託したとして、警視庁
は23日、住宅メーカー「アイダ設計」(さいたま市)と、執行役員(39)
ら男性社員3人を廃棄物処理法違反(委託基準違反)の疑いで書類送検し、発
表した。
生活環境課によると、3人とアイダ設計は1月、東京都から産廃処理の許可を
受けていない八王子市の建築会社に、住宅解体工事で出た産廃約17トンの運
搬や処分を53万円で委託した疑いがある。建築会社の社長(41)ら3人も
同法違反(受託禁止)容疑で逮捕した。
アイダ設計は「555万円の家」など低価格住宅の販売で知られ、サッカーJ
1大宮のオフィシャルパートナーも務める。ウェブサイトに「事実を真摯(し
んし)に受け止め、再発防止に努める」とのコメントを発表した。
(朝日新聞)
◆解説
この問題は、下請会社が多摩市の住宅街の私有地に、住民から抗議を受けたに
もかかわらず、不法投棄をしていたことから発覚したようです。
同社は、資本金約2億1千万円、従業員約780人、売上高430億円の住宅建設会社
です。テレビのCMなどでも知名度の高い会社です。
同社のホームページによれば次のとおり記されています。
弊社は、W社と平成22年12月より取引を開始いたしました。W社は建設業許可
を受けており、取引開始時、弊社は適法に解体工事の発注を行っておりました。
その後、平成23年4月1日施行の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下:
廃棄物処理法)」改正に伴い、既存建物解体に関する排出事業者の定義が変わ
りました。
これにより、従来の取引形態を継続させるためには、発注先業者に収集運搬業
許可が必要となりましたが、弊社にその認識が欠けており、確認を怠ったため、
無免許業者に発注している状態となりました。
また、W社は、弊社が発注した解体工事による廃材の処理を、V社に再委託い
たしました。しかしながら、V社は適切な処分をせず、東京都多摩市の私有地
に不法投棄をした事実が発覚いたしました。弊社が不法投棄の指示をした事実
はございませんが、元請としての責任が問われるものと認識しております。
同社はISO14001の認証を取得していたようですが、次の点で問題があったと考
えられます。
・法令改正情報を認識していなかったのか(4.3.2)
・順守評価で違法状況が確認できなかったのか(4.5.2)
・内部監査で4.3.2、4.5.2の有効性が確認できなかったのか(4.5.5)
この問題は、認証機関が上記の問題を摘出できなかったのかという疑念があり
ますが、しかし、同社のISO14001の適用範囲は、本社のみに限定されているよ
うです。同社は、支店・営業所が全国79ヶ所あるとのことですから、本社のみ
の認証審査では、発見できなかったのかもしれません。
ISO14001:2015では、4.3項:適用範囲の決定において、「適用範囲を決定した
ら、著しい環境側面を持つ可能性のある活動、製品及びサービスを、環境マネ
ジメントシステムの適用範囲の中に含まなければならない」と明記されていま
す。
本ケースのような適用範囲をどう扱うか、認証機関の判断が難しそうです。
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■労働災害の真相
◆フォークリフト:用途外使用容疑 外ケ浜漁協、書類送検/青森 (10/22)
青森労働基準監督署は21日、トラックの高さ2メートル強の荷台から人を降
ろすためにフォークリフトを用途以外で使ったとして、外ケ浜漁業協同組合
(外ケ浜町)と同組合の男性指導課長補佐(48)を、労働安全衛生法違反の
疑いで青森地検に書類送検した。課長補佐は容疑を認めているという。
容疑は7月2日午後2時10分ごろ、課長補佐が荷物を動かす以外の目的でフ
ォークリフトを使ったとしている。課長補佐は、トラックの荷台にホタテ養殖
用の籠を積み込んでいた作業員4人を地面に降ろす際、荷物を載せるバケット
に乗るよう促したという。このバケットが傾いて3人が転落し、足や腰を骨折
するなどした。
(毎日新聞)
◆フォークリフトに頭挟まれ男性作業員死亡/名古屋 (10/26)
26日午後0時55分ごろ、名古屋市港区、建材メーカー「大日本木材防腐」
名古屋工場から男性作業員がフォークリフトに頭を挟まれていると119番が
あった。男性は頭蓋骨骨折で死亡が確認された。
港署によると、同社社員(32)が廃材を運搬していたフォークリフトの不具
合を確認しようとして、地面とフォークの間に頭を挟まれたとみられる。
昼の休憩時間になっても男性が食事をしに現れないことを心配した警備員が見
回りに出て発見した。
同署がさらに詳しい原因を調べている。
(msn産経ニュース)
◆解説
フォークリフトは、様々な業界で広く使用されていますが、労働災害も多数発
生しています。
平成25年度の起因物別災害統計では、フォークリフトによる死傷者は1,904名、
そのうち死者は24名となっています。
今回は、フォークリフトの用途外使用による転落災害とフォークと地面の間で
のはさまれ災害という通行時のフォークリフトとの接触ではない2件の災害事
例がありましたので採りあげます。
関連する法令は次のとおりとなります。
【労働安全衛生規則】
(主たる用途以外の使用の制限)
第百五十一条の十四 事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労
働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用しては
ならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでな
い。
(立入禁止)
第百五十一条の九 事業者は、車両系荷役運搬機械等(構造上、フオーク、
シヨベル、アーム等が不意に降下することを防止する装置が組み込まれている
ものを除く。)については、そのフオーク、シヨベル、アーム等又はこれらに
より支持されている荷の下に労働者を立ち入らせてはならない。ただし、修理、
点検等の作業を行う場合において、フオーク、シヨベル、アーム等が不意に降
下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に
安全支柱、安全ブロツク等を使用させるときは、この限りでない。
あまり知られていないこれらの条文ですが、過去に災害が起きているからこそ
規制されているのです。
「知らなかった」ではなく、災害防止の近道として、知る努力をして欲しいも
のです。
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■今日の言霊
汗で溺れた者はいない
■新着情報
・水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令:カドミウムの規制値
・地下水汚染未然防止のための構造と点検・管理に関する 講習会の開催に
ついて
・特定化学物質障害予防規則等改正の施行
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 2件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 23件
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