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NO.212

周南の工場有毒ガス漏れ:ホスゲン漏れで社員を書類送検

■■ ESHの解決策
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                          2008.8.6 No.212

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

8月に入り、いよいよ夏本番です。連日30℃を超える厳しい暑さが続いてい
ますが、皆さま体調など崩されていないでしょうか?

最近の天気予報では「熱中症の危険指数」を伝えることが多いようです。予防
には「無理な運動はせずに水分補給はこまめに」が鉄則のようですが、我々が
中学・高校時代に部活動で指導されてきたこととは正反対ですね。ちなみに私
はバスケ部だったのですが、暑さ対策のため体育館の窓は閉め切って、水分補
給は休憩時間のみ。今考えると、ちょっと恐ろしいです。

さて、熱中症にかかりやすい条件があるそうなので、ご紹介します。

 ・体力の弱い者(新入生や新人)
 ・肥満の者
 ・体調不良者
 ・暑さになれていない者
 ・風邪など発熱している者
 ・怪我や故障している者
 ・暑熱障害になったことがある者
 ・性格的に我慢強い・まじめ・引っ込み思案な者、など
 
皆さま、心当たりはありませんか?
くれぐれも予防を心掛けて、楽しい夏をお過ごしください。(門)

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■環境不祥事の教訓

◆周南の工場有毒ガス漏れ:ホスゲン漏れで社員を書類送検-周南署/山口
(7/19)

周南市の日本ポリウレタン工業南陽工場で昨年8月、作業員が有毒ガスのホス
ゲンで負傷した事故で、周南署は18日、同社の男性班長(57)を業務上過
失傷害の疑いで山口地検周南支部に書類送検した。

調べでは、班長は昨年8月5日、親会社の東ソー南陽事業所の停電後に起きた
同工場のタンク破裂事故の復旧作業中、防毒マスクなどを装着せずにプラント
を点検し、男性作業員(21)にホスゲンを吸入させて肺水腫を発症させた疑
い。班長もホスゲンを吸い肺水腫となった。

◆教訓

前号でも同社のホスゲン漏洩をお伝えしましたが、今回は昨年に起きた事故の
顛末です。

本件は環境問題でもあり安全問題でもあります。

火災爆発や漏洩等の緊急事態の発生はどんなに予防してもリスクがゼロになる
ことはなく、「起こりうる」を考えることが必要です。

「起こりうる」ことを前提に準備しておくことが必要ですが、このケースのよ
うに二次災害につながることは絶対に防がなくてはなりません。

本ケースはホスゲンの吸入という特殊なケースですが、昨年の製紙会社のアル
カリ排水の漏洩時には対応にあたった作業者が薬傷を負っています。

緊急対応にはライフゼム(空気呼吸器)や耐酸服などの個人用保護具は不可欠
であり、これらがないと対応者が被災するだけではなく、汚染の拡大に対応で
きません。

取り扱う物質に応じた個人用保護具や装備を備えられているか確認することを
お薦めします。

★緊急事態に備えるべき装備などの対応のベストプラクティスは、ESHエキス
パートで詳述

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■労働災害の真相

◆左腕切断事故で容疑の会社など書類送検/千葉 (7/18)

柏労働基準監督署は17日、段ボール製造用の機械に事故防止用のカバーをつ
けなかったとして、東京都葛飾区の段ボール製造会社と同社野田工場の男性工
場長(47)を労働安全衛生法違反(危険防止措置義務)の容疑で千葉地検松
戸支部に書類送検した。

調べでは、同社は07年11月20日、野田市の同工場で、段ボールを製造す
る機械の回転軸に労災事故防止のために設置が義務付けられたカバーを設設し
なかった疑い。

同日午前9時ごろ、機械の調整をしていた男性従業員(30)が左腕を巻き込
まれ、切断する事故が起きた。

◆解説

機械の回転軸に安全カバーが設けられていなかったことが原因で左腕を切断す
るという大災害に至ったものです。

回転体などに安全カバーをするのは当然ですが、では、すべての回転体に隙間
なくカバーを設置することは可能でしょうか。それは困難ですし実際の現場で
もすべてをカバーしている会社は皆無と言って良いと思います。

しかし、法律にはどこまで安全カバーを設置すべきかは具体的に示されておら
ず、結果として事故に至れば法的責任を問われることになります。

企業としては、危険な個所には安全カバーを設置する、そのために有効なのが
「リスクアセスメント」ということになります。

先取安全としてのリスクアセスメントを期待します。

このケースのもう一つの問題は事故が「機械の調整時」に起きていることです。
定常状態では危険性がなくても、清掃、修理、メンテナンス時などの非定常作
業にはリスクが高くなります。

リスクアセスメントの際には、その機械設備でどのような非定常作業があるの
かを必ず洗いだしてください。その際の「危険源」が安全カバーの対象となり
ます。

★法的根拠と機械安全のリスクアセスメントのベストプラクティスは、ESHエ
キスパートで詳述

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■新着情報

・酸素欠乏症・硫化水素中毒災害の防止について

■読者からのQ&A

・特殊健康診断の対象として、有機溶剤業務に”常時従事する”とは?

・省エネ法改正の内容と施行時期は?

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介
 
 
■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介
 

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報16件

 
■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報40件

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