工場で爆発、通報怠る 京都・福知山の炭素製品製造会社
■■ ESHの解決策
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2015.12.2 No.388
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
12月に入り、今年もいよいよ残り1ヶ月となりました。毎年感じることですが、
1年は瞬く間に過ぎてしまいますね。何かと慌しい時期ですが、災害防止にご
配慮ください。
さて、先日のフィギュアスケートNHK杯で、羽生選手が前人未到の300点超え
(322.40点)を達成しました。これまでの記録がカナダのパトリック・チャン
選手が持っていた295.27点ですから、それを大きく上回る点数で、歴史に残る
偉業を成し遂げたことになります。
フリーの演技後に得点が発表されたときに喜びを爆発させた羽生選手の姿も印
象的でした。
圧倒的なパフォーマンスと存在感でもはや敵なしといった感じですが、「自分
の記録だけでなく演技を超えられるようにしたい」と更なる進化を目指す羽生
選手。ますます目が離せませんね。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆旭川工場で洗剤流出=石狩川に約6000リットル-明治 (11/27)
明治(東京)は26日、牛乳類を製造する旭川工場(北海道旭川市)で、貯蔵
タンクの洗浄に使用するアルカリ性洗剤約6000リットルが配管の継ぎ目か
ら漏れ、石狩川に流出したと発表した。現時点では石狩川の水質に影響は見ら
れないという。
洗剤はカセイソーダを1.2%含む水溶液。同日午前5時半ごろに始めたタン
クの自動洗浄の工程が午前9時ごろになっても進まなかったため、従業員が点
検し、洗剤漏れを発見した。
(時事ドットコム)
◆解説
本件については、同社が11/26と11/27の両日にホームページで速報を出してい
ます。
事故当日の26日には、経緯と直接的原因が、翌日27日には事故に対する措置の
内容と再発防止策を報じています。
事故の概要は、配管(屋外)の継ぎ目が緩み、アルカリ性洗剤(苛性ソーダ)
が流出し、多くの水質事故と同様に雨水経路を通じて河川に流出したものです。
翌日に公表した再発防止策は、次の2点です。
1. 配管の継ぎ目の定期点検を実施すること
2. 工場敷地内の雨水経路の末端に濁度・pHの連続監視測定機器(警報付)を
設置すること
どちらも先進企業では実施されていることで、事前にリスクが検知できていれ
ば本件は防げた可能性もあります。
本メルマガでも何度も繰り返し伝えていますが、大多数の水質事故は雨水経路
から構外に流出していることを念頭に、End of Pipe を意識して環境側面を特
定していただきたいものです。
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■労働災害の真相
◆工場で爆発、通報怠る 京都・福知山の炭素製品製造会社 (11/18)
京都府福知山市長田野町の炭素製品製造「SECカーボン」(本社・兵庫県尼
崎市)京都工場で10月19日、爆発が起きたのに同社が消防への通報を約1
カ月怠っていたことが17日、分かった。福知山市消防本部は同社を口頭で指
導した。
市消防本部や同社によると、爆発は10月19日午後8時25分ごろ、修理中
だった電気集じん機(高さ13メートル、幅8メートル)を再稼働させた際に
機械内部で起きた。当時、工場は稼働中で外部への被害はなく、従業員にけが
はなかった。集じん機は炉から出る有毒物質を除去する機械という。
爆発は消防法で通報義務が定められているが、通報したのは今月16日だった。
社内で安全対策を検討する中で義務違反が分かったという。現場で同日、集じ
ん機を調べた市消防本部は「即時の通報を指導した。事故原因は調査中」とい
う。
SECカーボンは「火災はなく、人的被害がなかったため発生当初は届け出の
認識がなかった。事故対応マニュアルを整理し再発防止に努める」としている。
同工場では9月29日にもボイラー室で火災があり消防車が出動した。
(京都新聞)
◆解説
多くの事故において、事故そのものよりも通報や報告が遅れることで法的また
は社会的な制裁を受けている実態があります。
この報道では、「爆発は消防法で通報義務が定められている」とありますが、
関連する消防法の条文は次のとおりです。
第二十四条 火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指
定した場所に通報しなければならない。
2 すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければ
ならない。
同社のコメントのとおり爆発のみで火災が生じていないなら通報義務はないと
も解釈できますが、これが危険物施設だと異なります。
第十六条の三 製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、
当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生し
たときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の
除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
2 前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定
した場所、警察署又は海上警備救難機関に通報しなければならない。
危険物の流出”その他の事故”には「爆発」も含まれると解釈されます。(自
治体のホームページより)
また、危険物細則(条例)では、「製造所等において火災,爆発その他の災害
が発生したときは,災害の発生の日から3日以内に,危険物製造所等災害発生
届出書により市長に届け出なければならない」などの規定もあります。
いずれにしても、事故発生の際の報告ラインを明確にしておくことが重要です。
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公布
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より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
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