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NO.499

フォークリフトの用途外使用で送検 「牽引」させた疑い 上田労基署

■■ ESHの解決策
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2020.7.15 No.499

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

このたびの九州地方を中心とした豪雨では各地で甚大な被害に見舞われていま
す。新型コロナ感染への心配もあり、被災地では多くの皆様が不安な日々を送
られていることと思います。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げま
す。

被災地域では、泥かきなどの片付け作業が始まっていますが、子どもが片付け
作業を手伝うことについて、医師から「感染症の危険性などもある」との指摘
がされているとの記事を見つけました。

「子どもに関しては、大人とは別の特徴があり、まず体が成長過程にあるため、
有害物質にさらされると大人より大きな影響を受けます。免疫システムがまだ
不十分で、様々な病気に対する感染リスクも高い」「また背が低いため、地表
の汚泥から舞い上がる有害物質を大人より吸い込みやすく、呼吸回数も大人よ
りも多いため、災害時には成人より多くの有害な化学物質を吸い込みやすい」

小学生以下はもちろん、中学生もできれば避けてほしいということですが、ボ
ランティアの受け入れもままならない中で子どもの手も借りたいという状況で
はあると思います。なるべく身体への影響が少ない作業を担ってもらうような
配慮が必要かもしれません。(門)

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◆有料オンラインセミナーのお知らせ

外部専門家から見て、組織の労働安全衛生マネジメントの実力が最も良くわか
るのが「事故(労働災害)報告書」です。

多くの組織の「事故調査」+「根本原因分析」は、驚くほどお粗末です。

その原因は、それらに関するトレーニングを受けていないことです。米国では、
“Accident investigation”、”Incident investigation”が、必要な力量として
トレーニングされています。

しかし、残念ながら日本では、そのようなトレーニングはほぼ実施されていま
せん。

そこで弊社では、下記によりオンラインセミナーを開催することにいたしまし
た。

1.日時: 8月27日(木)10:00-16:00

2.場所: Teams

3.内容:
・労働災害調査方法(現地調査、関係者ヒヤリング)
・根本原因分析(演習を含む)
・マネジメントシステムの改善

4.参加費(税別)
一般: 40,000円
会員: 30,000円(ESHエキスパート、ESHデータバンク会員様)
個人一般:20,000円※
個人会員:15,000円※(ESHエキスパート、ESHデータバンク会員様)

※個人会員は、所属企業から費用負担が得られず、自腹でも学びたいという
前向きな方を支援するもので、クレジットカード支払い限定(領収書なし)
となります。

5.お申込み
次のサイトからお申込みください。

https://creativesurvey.com/ng/answers/0cd41a999eeebe40f7ef92b6f2d30f/

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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■環境不祥事の教訓

◆農薬674キロが玖珠川に流入? 大分・日田市、巨大な岩が倉庫破損 (7/10)

大分県は9日、同県日田市天瀬町のJAおおいた天瀬支店の倉庫が7日午後に損壊
し、保管していた農薬674キロが流出していたと発表した。すぐ脇にある玖珠
川などに流れた可能性があり、県は下流域の福岡、佐賀両県の関係漁協などに
注意を呼び掛けた。

大分県によると、農薬は殺菌や消毒用。うち魚への毒性があるものは約415キ
ロだが、県は雨で希釈されている可能性が高いとみている。現在、被害の報告
はないという。

同JAによると、玖珠川の対岸の崖から岩が川に落ち、その衝撃で川底にあった
岩がはねて倉庫に突っ込んだとみている。岩は大きいもので直径約1メートル。
倉庫の壁は大きく破損し、内部には数個散乱していた。関係者は「想像もして
いなくて驚くしかない。真摯(しんし)に対応したい」と話した。
(西日本新聞)

◆解説

九州や島根、広島など豪雨の被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げ
ます。

1時間に100ミリを超す豪雨が続けば、河川の氾濫や土砂崩れなどが起きること
は自明です。

「数十年に一度」の筈の大雨特別警報が、運用開始から7年間で計16回も出て
いるとのことです。海水温が高い限り、豪雨は必然と言っても過言ではありま
せん。

海洋は二酸化炭素や熱エネルギーを吸収し、地球温暖化を和らげる役割があり
ます。

1971年から2010年までの40年間に蓄積された熱エネルギーの9割以上は、海洋
に吸収されているのだそうです。海洋が豪雨のもとになる水蒸気を供給し続け
る源になっています。海洋の持つ熱エネルギーは、地上以上に簡単に減ること
はなく、今後も「数十年に一度」の筈の大雨特別警報が毎年のように発令され
ることが予想されます。

しかし、このような状況下でも、企業としては自社に保有する化学物質や油類
の流出は避けることが責務です。

豪雨、洪水に伴う浸水による流出を回避するために、ハザードマップを基に浸
水被害を予想し、ソフト面の対策はもとより保管・使用場所の嵩上げや移転の
要否を検討することが重要です。

★豪雨など風水害対応に役立つ資料(消防庁、国土交通省発行)を「ESHエキ
スパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

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■労働災害の真相

◆フォークリフトの用途外使用で送検 「牽引」させた疑い 上田労基署 (7/
3)

長野・上田労働基準監督署は、フォークリフトを用途外使用させたとして、建
築設備工事業のコイデ重機(長野県上田市)と同社取締役を労働安全衛生法第
20条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で長野地検上田支部に書類送検し
た。令和元年11月、上田市内の工事現場において死亡労働災害が発生している。

同社は、労働者にフォークリフトを使用して給湯タンクの移設作業を行わせる
際に、倒れた給湯タンクを牽引する目的で使用させた疑い。その結果、給湯タ
ンクが労働者に激突している。【令和2年5月22日送検】
(労働新聞社)

◆解説

「ブラック企業リスト」(正式名称:「労働基準関係法令違反に係る公表事
案」、令和2年5月29日版)では、353件の労働安全衛生法違反の送検事例が掲
載されています。

その中で最も多い「危険源」がフォークリフトで、17件の送検事例が掲載され
ています。

そして、毎回の「ブラック企業リスト」で必ず掲載されるのがフォークリフト
の「用途外使用」です。

本件も、同リスト(令和2年6月30日版)に掲載されています。

この災害に関連する労働安全衛生規則は次のとおりです。

(主たる用途以外の使用の制限)
第151条の14 事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇
降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。

本条文の解釈例規(昭和53年、基発第78号)が次のとおり示されています。

ただし書の「危険を及ぼすおそれのないとき」とは、フォークリフト等の転倒
のおそれのない場合で、パレット等の周囲に十分な高さの手すり若しくはわく
等を設け、かつ、パレット等をフォークに固定すること又は労働者に命綱を使
用させること等の措置を講じたときをいうこと。

「人の昇降」に関しては、専用の作業台(プラットホーム)が販売されていま
すので、やむを得ず人の昇降に使用したい場合は、専用作業台を使用すること
を検討ください。

もう一つ、注意すべきは、「荷のつり上げ」です。特にフォークにフレコン等
を吊る作業は多くの事業所で実施されています。

これは、何の対策もなしに吊ったら”用途外使用”になります。

ちなみに、「フォークリフト運転士テキスト」(中央労働災害防止協会)では、
次のとおり記されています。

・クレーンアーム等専用のアタッチメントを使用する。
・専用のアタッチメントを使用を使用しない場合は、2本のフォークを中央に
寄せ、専用のさやを差し込んで、さやにロープ等を掛けるか、当て物を当て
その上に掛ける。
・積載荷重が小さい場合でも、一方のフォークにだけ荷を吊って荷役運搬作業
を行わない。
・荷が横揺れして危険なので凸凹のある通路は走行してはならない。
・走行の際はできるだけ速度を落とす。また、旋回の際は特に慎重に行う。
・フレコンをはい付けするときは、2段目までとし、目落とし積みとする。

フレコン等を吊る治具が販売されているので、それらを使用することが必要で
す。

労働基準監督官によっては、「条文のただし書は読まないで欲しい」と言いま
す。

やむを得ず、用途外使用をする場合は、「作業計画」(第151条の3)や「作業
指揮者」(第151条の4)を満たしたうえで慎重に管理することが必要です。

※本記事は、次のYouTube動画でもお伝えしていますので、ぜひご視聴くださ
い。
https://youtu.be/FL87oRMSTak

★英国安全衛生庁発行のフォークリフトによる高所作業台(プラットホーム)
の利用に関するガイドラインを「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

生活と人生は違う。 質素な生活、豊かな人生

■新着情報

・ISO/DIS 45003の発行

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 18件

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
https://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

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