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NO.476

下関三井化学が10年間事故届けず、微量のガス漏れ52件 県は処分検討

■■ ESHの解決策
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2019.8.7 No.476

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

弊社は創業平成6年以来 本年7月をもちまして 創立25周年を迎えました。
これもひとえに皆様のご支援とご厚誼の賜物と深く感謝し、お礼申し上げます。

今後もスタッフ一同、日本のESHの向上に寄与する情報のご提供に努めて参りますので、
変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

環境ワークス株式会社
代表取締役 黒崎 由行

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■環境不祥事の教訓

◆下関三井化学が10年間事故届けず、微量のガス漏れ52件 県は処分検討 (7/29)

山口県は29日、下関三井化学(同県下関市)が2009年8月~今年1月に発生した微量のガス
漏れ事故52件について、高圧ガス保安法で義務づけられているにもかかわらず県に報告し
ていなかったと発表した。県は行政処分を検討している。

同社は09年11月に三フッ化窒素ガスを充てんする工場で大規模な爆発事故を起こし、工場
1棟が全焼。多数の負傷者や周辺の家屋に被害を出したにもかかわらず、その後も報告を
怠っていた。

県によると、三フッ化窒素を充てんする工場で計54回、四フッ化ケイ素を充てんする工場
で計3回などガス漏れ事故は10年間で計59件発生したが、同社はこのうち7件しか報告して
いなかった。いずれも高濃度で長時間にわたって人が吸い込むと死に至る可能性があるた
め、高圧ガス保安法は微量であっても県への報告や記録作成を義務づけているが、同社は
守っていなかった。

今年に入って同社でガス漏れ事故が起きたため、県が報告の徹底を指導したところ、報告
が急増。県が業務改善計画の報告を指示したことを機に過去の未届けが発覚した。

報告を怠った理由について、同社は「ガス漏れが少量だったために届け出の必要がないと
誤って判断していた」などと釈明した。

同社は三井化学が100%出資する子会社。三フッ化窒素ガス、四フッ化ケイ素は半導体製
造に使われる。
(毎日新聞)

◆解説

高圧ガス保安法において、事故の報告が求められるのは次の条文です。第一種/第二種製
造者、販売業者のみが対象ではなく、高圧ガスのボンベを取扱う場合でも対象となり注意
が必要です。

(危険時の措置及び届出)
第三十六条 高圧ガスの製造のための施設、貯蔵所、販売のための施設、特定高圧ガスの
消費のための施設又は高圧ガスを充てんした容器が危険な状態となつたときは、高圧ガス
の製造のための施設、貯蔵所、販売のための施設、特定高圧ガスの消費のための施設又は
高圧ガスを充てんした容器の所有者又は占有者は、直ちに、経済産業省令で定める災害の
発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
2 前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を都道府県知事又は警察官、消防吏員若
しくは消防団員若しくは海上保安官に届け出なければならない。

(事故届)
第六十三条 第一種製造者、第二種製造者、販売業者、液化石油ガス法第六条の液化石油
ガス販売事業者、高圧ガスを貯蔵し、又は消費する者、容器製造業者、容器の輸入をした
者その他高圧ガス又は容器を取り扱う者は、次に掲げる場合は、遅滞なく、その旨を都道
府県知事又は警察官に届け出なければならない。
一 その所有し、又は占有する高圧ガスについて災害が発生したとき。
二 その所有し、又は占有する高圧ガス又は容器を喪失し、又は盗まれたとき。

(罰則)
第八十三条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第二項、・・・中略・・・第六十三条第一項の規定による届出をせず、又は虚
偽の届出をした者

”事故”の対象については、「高圧ガス・石油コンビナート事故対応要領」にて定められ
ています。 この中で”事故”の定義は次のとおりとなります。

1.爆発(高圧ガス設備等が爆発したものをいう。)
2.火災(設備等において、燃焼現象が生じたものをいう。)
3.噴出・漏えい(設備等において高圧ガスの噴出又は漏えいが生じたものをいう。)
ただし、以下のいずれかの場合は除く。
1)噴出・漏えいしたガスが毒性ガス以外のガスであって、噴出・漏えいの部位が
締結部(フランジ式継手、ねじ込み式継手、フレア式継手又はホース継手)、
開閉部(バルブ又はコック)又は可動シール部であり、噴出・漏えいの程度が
微量(石けん水等を塗布した場合、気泡が発生する程度)であって、かつ、
人的被害のない場合
2)完成検査、保安検査若しくは定期自主検査における耐圧試験時又は気密試験時の
少量の噴出・漏えいであって、かつ、人的被害のない場合
4.破裂・破損等(高圧ガスにより、設備等の破裂、破損又は破壊等が生じたものをいう。
以下同じ。)
5.喪失・盗難(高圧ガス又は高圧ガス容器の喪失又は盗難をいう)
6.高圧ガスの製造のための施設、貯蔵所、販売のための施設、特定高圧ガスの消費の
ための施設又は高圧ガスを充填した容器が危険な状態となったとき。
7.その他

この事故対応要領は、平成30年12月21日に改定されたものです。それ以前はカニ泡程度の
微量漏洩でも”事故”の対象となっていました。さすがにそれは厳しすぎますよね。

現実問題として、どこまでを”事故”として行政に届け出るかは、かなり難しい問題です。
少なくても社内で誰が判断するかは明確にしておく必要があります。

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■労働災害の真相

◆汚水槽で発見の73歳男性従業員死亡 伊賀南部クリーンセンター/三重 (8/1)

8月1日午後2時55分ごろ、伊賀市奥鹿野のごみ処理施設「伊賀南部クリーンセンター」内
リサイクル施設の不燃ごみ汚水槽で、運転業務を委託されている三機化工建設のパート従
業員の男性(73)が心肺停止の状態で見つかった。伊賀市の病院に搬送されたが、約1時
間30分後に死亡が確認された。

男性は同日午後1時ごろ、上司と会話したのを最後に行方が分からなくなり、従業員らが
捜していた。捜索に加わった市消防本部の隊員が、マンホールのふたが開いていた汚水槽
内で発見した。

施設を管理する伊賀南部環境衛生組合などによると、マンホールは直径60センチで槽全体
の深さは地上から約12メートル。槽内部は奥行き4メートル、幅1.2メートルの空間があり、
発見時は地上から約6.4メートル下まで汚水がたまっていた。消防によると、男性は頭部
が水中に沈み、肩から腰までが水面に出ているうつぶせ状態で浮いていたという。

この日、同リサイクル施設では、7月18日にあった火災の影響で運転を止めていた一部の
ラインを再稼働しており、男性ら従業員が床を水で洗い流すなど清掃作業にあたっていた。
流した水を汚水槽に排水するため、マンホールのふたを開けて実施する作業も含まれてい
た。同組合によると、発見時、マンホール周囲には転落防止ためのバリケードなどは設置
されていなかった。

名張署などが、死亡に至った原因や過失の有無など、調べを進めている。
(伊賀タウン情報ユー)

◆解説

マンホールなどの「落し穴」に落ちてしまうことは、事業所内のみならず工事中の公道な
どでも起こり得るリスクです。

余談ですが、最近のテレビニュースでカリフォルニア州のバークリー市議会が、「マン
ホール(manhole)」は性差別的だとして「メンテナンスホール」に差し替えていくとい
う報道がありました。

労働安全衛生規則上は、次のとおり定めていますが、2m未満でも危険なことには相違あ
りません。

第五百十九条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労
働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆 い等(以下この条におい
て「囲い等」という。)を設けなければならない。

また、当該場所が酸欠危険場所の場合は、次の酸素欠乏症等防止規則も適用されます。

(立入禁止)
第九条 事業者は、酸素欠乏危険場所又はこれに隣接する場所で作業を行うときは、酸素
欠乏危険作業に従事する労働者以外の労働者が当該酸素欠乏危険場所に立ち入ることを禁
止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

KYやリスクアセスメントを実施すれば誰もが本災害のリスクに気づく筈ですが、「マン
ホール周囲には転落防止ためのバリケードなどは設置されていなかった」とのことで、作
業前の点検や確認の仕組みがなかったことが問題です。
ちなみにISO 45001の「8.1.3 変更の管理」では次の要求があります。

組織は、次の事項を含む、OH&Sパフォーマンスに影響を及ぼす、計画的な、一時的及び永
続的変更の実施及び管理のためのプロセスを確立しなければならない

通常は閉じているマンホールの開放は、一時的変更(temporary changes)であり、変更
管理に対しての不適合であるとも言えます。

一時的変更に対する管理を見直すことを期待します。

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

どんなにうまくいかなくても、笑っていないといけないと思う

■新着情報

・令和元年度「全国労働衛生週間」について

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 5件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 19件

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