停電による排熱設備停止が原因、秋田市の日本大昭和板紙工場火災
■■ ESHの解決策
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2011.4.20 No.277
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
先日、満開の桜の下、小学校の入学式に参列してきました。娘もとうとうピカ
ピカの1年生。担任の先生に名前を呼ばれ、元気に「はい!」と返事をする姿
に成長を感じる一方で、一抹の寂しさが心をかすめました。
震災から1ヶ月余り経ちますが、未だ避難生活を送り、児童が離ればなれにな
ってしまったりする方々がいらっしゃる中で、例年通り入学式が出来ることに
感謝しなければいけないと誰もが感じていたと思います。
子どもは国の宝です。子どもたちが安心して過ごせる日々を一刻も早く取り戻
すために、家庭、地域はもちろん社会全体で教育に参加することが重要だと思
います。(門)
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☆お知らせ
本メルマガは毎月第1,3水曜日に発行しておりますが、次号は5/4(祝日)とな
るため、5/9(月)の発行となりますのでご承知おきください。
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■環境不祥事の教訓
◆停電による排熱設備停止が原因、秋田市の日本大昭和板紙工場火災 (4/8)
8日午前1時ごろ、秋田市向浜の日本大昭和板紙秋田工場内にある発電施設の
燃料供給口の部分が高温になっていると、同社の従業員が119番した。停電
により、排熱設備が稼働しなくなったことが原因で、供給口部分に残っていた
燃料として使う廃タイヤなどのかすを焼いた。
秋田消防署などによると、焼却炉の排熱ファンが停電で動かなくなり、紙くず
や廃タイヤを炉に供給する箱形の金属製容器が高温になった。消防車など13
台が出動し、化学消火剤を散布、約3時間20分後に鎮火した。容器などに付
着している燃料のかすが発火したとみられる。
焼損の程度は調査中だが、同社は「操業に大きな支障が出ることはない」とし
ている。
(秋田魁新報)
◆解説
福島原発の事故は、電力の供給停止による冷却系のダウンによるものであるこ
とはご存知のとおりです。
震災・原発事故の影響で電力供給が不安視されていますが、企業においても
「停電」に起因して発生が懸念される環境及び安全衛生上の事項を把握してお
くことは重要です。
その点で本ケースは教訓とすべきものです。
本ケースでは、排気ファンの停止が原因となっていますが、その他にも次のよ
うな状況が考えられます。
・反応釜内の冷却水の供給停止、撹拌機の停止による温度上昇
(暴走反応など)
・塗装などの乾燥炉内の排気装置停止によるガス濃度の上昇
・焼却炉の電気集塵機の停止
・排水処理施設の中和等の制御不能
・排水の緊急遮断弁の閉止不能
・局所排気装置の停止による作業環境の悪化
・荷揚装置の停止による落下
また、停電時のみならず復電時にも注意が必要です。リセットしなければ復電
しない機能であれば問題ありませんが、急な復電で不意に機械が作動するよう
であれば注意が必要です。
急な停電/復電により事業所内でどのような環境及び安全衛生上の問題が懸念
されるか、予め検討されることを推奨します。
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ト」でご紹介しています!
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■労働災害の真相
◆震災対応で労災が多発しています。
●東日本大震災:震災後、労災10件 工事集中で多発-茨城労働局/茨城
(4/14)
茨城労働局は12日、先月11日から8日までの間に、東日本大震災で被災し
た屋根瓦などの修復中に転落してけがをするなどの労災事故の発生件数が10
件に及んでいると発表した。つくば市内では4日、屋根瓦の修繕作業中に高さ
6メートルの屋根から男性(73)が落下して死亡する事故も発生しており、
安全対策強化を呼び掛けている。
労災事故が相次いでいることについて労働局は、工事件数が短期間に集中した
ため、経験不足の作業員が工事に従事していることや、ヘルメットや安全帯を
使用しないなど墜落防止措置がとられないまま作業が行われていると指摘。労
働局は「ヘルメットや安全帯は最低でも使用してほしい」と業界団体を通じて
要請書を送付した。
●液状化泥の除去中に鋼材の下敷き死亡 浦安 (4/5)
5日午後1時ごろ、千葉県浦安市の東洋鋼業工場内で、40歳くらいの同社社
員の男性が、崩れてきたH型鋼材(長さ約12メートル、幅約40センチ、高
さ約15センチ、重さ約1トン)の下敷きになり、全身を打って死亡した。
浦安署によると、男性は別の社員4人とともに、東日本大震災による液状化で
工場内に噴出した泥の除去作業中で、13段積んであった鋼材が横倒しに崩れ
たという。液状化による地面隆起で鋼材置き場が不安定になっていた可能性が
あるとみて、詳しく調べている。
●会社員、作業中に転落し死亡 宇都宮 (4/12)
12日午後3時45分ごろ、宇都宮市清原工業団地の塗料会社倉庫内で作業をして
いた会社員(38)が約8メートル下のコンクリートの床に転落、病院に運ばれ
たが約3時間後に死亡した。
宇都宮東署の調べによると、男性は地震で損壊した部分の修繕作業のため、倉
庫内の棚に上っていたという。
◆解説
震災の被害への対応で普段はしない作業をすることにより労災が多発していま
す。
宮城労働基準局長は、特に次の点に万全を期すよう注意を呼びかけています。
1 余震に対する対策
2 電気・通信工事における対策
3 ガス・水道復旧工事における対策
4 建築物等の解体・補修工事における対策
5 道路、橋梁、港湾等の復旧工事における対策
6 土砂崩壊災害防止対策
7 酸欠、一酸化炭素中毒防止対策
作業前の安全確認を徹底したいものです。特にヘルメットと高所作業の安全帯
着用を徹底しましょう。
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■今日の言霊
天を恨まず
■新着情報
・大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律の施行について
・労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 2件
■不法投棄関連情報
全国の事故・事件情報 1件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 13件
★不祥事・災害事例の出典:明記のないものは毎日新聞
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