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NO.276

東日本大震災:福島第1原発事故 作業員被ばく 安全管理、問題か

■■ ESHの解決策
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                          2011.4.6 No.276

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

大震災から3週間余り経ちました。多数の行方不明者の安否確認、先の見えな
い原発問題など依然として心配は尽きませんが、被災された皆様の生きる力、
復興に向けて支援活動を続ける人々の力によって、日本全体が力強く前進して
いることを感じます。私も自分にできることを考え、お手伝いしていきたいと
思っています。

さて一方で、さまざまな風評被害により野菜を中心とした農産物が打撃を受け
ています。その原因は主に政府などの発表による曖昧な表現であると指摘され
ています。「直ちには影響ない」、「今のところは安心」、「念のために出荷
止める」など「原因は責任逃れのために、巧妙に使い分ける副詞と形容詞にあ
る。曖昧な表現が噂と風評を呼ぶ」というのです。

更なる被害拡大を防ぐためにも正確でより詳細な情報公開を求めるとともに、
私たち消費者も節度ある行動を心がけたいものです。(門)

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■環境不祥事の教訓

◆高濃度汚染水、海に流出確認=ひび割れ発見、地下トンネル通じ-福島第1
原発 (4/3)

東京電力は2日、福島第1原発2号機の取水口付近にある「ピット」と呼ばれ
るコンクリート製立て坑でひび割れが見つかり、内部にたまった高濃度の放射
性物質を含む水が海に流出しているのを確認したと発表した。先に高濃度の汚
染水がたまっていることが判明していた地下配管トンネルから流入したと考え
られ、東電は同原発付近の海水で検出されている高濃度の放射性物質の流出源
とみている。他に海への流出箇所は見つかっていないという。

ピット直近の海水からは通常運転時の原子炉水の約1000倍に当たる濃度の
放射能を検出。東電は汚染水の拡散を防ぐため、ピットにコンクリートを注入
したが流出は止まらなかった。3日以降、水を吸収して膨らむ高分子ポリマー
を使う方法を試みる。

ピットは電源ケーブルを収める立て坑で、縦1.2メートル、横1.9メート
ル、深さ約2メートル。中に深さ10~20センチの水がたまっており、海に
面した側に約20センチのひび割れがあった。地震か津波でできたとみられる。

作業員が2日午前、ひび割れから水が出ているのを発見。ピット内の放射線量
は水の表面付近で毎時1000ミリシーベルト以上、ピットの開口部付近でも
毎時400ミリシーベルトあった。

2号機では、原子炉から漏れたとみられる高濃度の汚染水がタービン建屋地下
と海岸方向に延びる地下配管トンネル内にたまっている。ピット内の電源ケー
ブルを収めたコンクリート製の管は、同建屋とはたまり水より上の位置で接続
しており、たまり水の直接流入はないという。この管はピットの手前付近で地
下配管トンネルとつながっており、どちらの汚染水も放射性ヨウ素131の濃
度は原子炉水の約1万倍だった。

経済産業省原子力安全・保安院は東電に対し、海水中の放射性物質の特定や、
他に漏えい箇所がないか確認することなどを指示した。
(時事ドットコム)

◆解説

この事故自体は、原発の放射線に関する特殊なケースですが、一般の工場でも
不明のうちに構外に流出するケースは散見されます。

多くの水質事故は排水処理装置を経ずに雨水溝から構外に流出していることは
本メルマガでも何度もお伝えしていますが、雨水溝の図面がない組織はもちろ
ん、認識されていない雨水溝、暗渠、マンホールが存在するケースも多くあり
ます。

また、古い工場では図面に載っておりある筈の排水溝が潰されていたり、土砂
で閉塞したりして機能を果たしていないことも多いものです。

さらには管路や継ぎ目が痛んで地下浸透していることにも注意が必要で、定期
的な清掃や点検をお薦めします。

暗渠も含めた配管や側溝内を高圧水で洗浄するピグ洗浄や、内視鏡のように配
管内をカメラで調査するカメラ調査もあり、専門業者に相談することができま
す。

図面と排水溝を整備して不慮の構外漏出事故を防止しましょう。

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■労働災害の真相

◆東日本大震災:福島第1原発事故 作業員被ばく 安全管理、問題か (3/2
5)

以下、各記事の抜粋

東京電力によると、作業員は丈の短い靴で水に入り、足がぬれたという。住田
健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「放射線を含む可能性がある水の近く
で作業をするなら、防水の長靴をはくなど、防護対策をとるのが常識だ。作業
の管理に問題がなかったのか疑問が残る」と指摘する。

東電の作業員に対する放射線管理の徹底に問題があったとして経済産業省原子
力安全・保安院は25日、口頭で再発防止と改善を指示した。西山英彦審議官

(1)作業前の調査が適切に行われていなかった
(2)靴の中に水が入るなど、作業員の装備が不適切だった
(3)個人の線量計のアラームが鳴っていたが、長時間にわたって作業を継続
していた--
などの問題点を指摘した。

■自身も線量計を持たなかった東電社員の男性が毎日新聞の取材に応じ、作業
実態の一端を明かした。

男性は3月中旬、上司から福島出張を打診され、「行きます」と応じた。その
夜、本社に集合。幹部から「とりあえず行け。何とかしてこい」と言われ、着
の身着のまま他の20~40代の作業員数人とワンボックスカーに乗った。
「家族には心配をかけるだけだから福島行きは報告できなかった」。

作業は外部電源の引き込みだった。でも「現場がどうなっているのか、原発に
入るまで全く分からなかった。既に同僚ががれきを片付け鉄板を敷き、足場を
整えていたが、それも現場に入るまで知らなかった」。

顔全体を覆うマスク、ゴム手袋、長靴のほか、普通の作業服の上にガーゼのよ
うな白い布製の上下を着た。「きちんとした防護服は恐らく早い段階で切らし
て足りない状態になっていた」。さらに「長靴の上にもビニール製の防護をつ
けるべきだが、自分たちはコンビニでも買えるような簡単なゴミ袋のようなも
のを長靴の上にはいて、ガムテープで巻き付けただけだった」という。

車で原発敷地内に入ると、最も線量が多いとされる3、4号機付近は猛スピー
ドで駆け抜けた。現場に到着すると駆け出し作業に当たった。

「ガスマスクとかで非常に動きづらいし、作業の際にマスクがずれる場面は何
度もあった。多分、かなり(放射性物質を含む空気を)吸ってるだろうなと思
う」。線量計はリーダー格の1台だけで、他の作業員は持っていなかった。

作業員2人が汚染された水たまりで被ばくしたことについては「自分たちも可
能性はあった」という。敷地内は地震の影響であちこち陥没して穴があり、水
がしみ出していた。ガスマスクが邪魔で足元を確認できず、同僚が何人も穴に
落ちた。

なぜ、原発復旧に携わる全作業員に線量計が行き渡らないのか。東京電力は3
1日夜、福島第1原発内に約5000台あった線量計が地震と津波で壊れて3
20台に激減し、チームで作業に当たる際に代表者1人だけに持たせているこ
とを明らかにしたが、実際には震災当日の混乱で線量計が持ち出されたり、捨
てられるケースも少なくなかった。

◆解説

現場で極限状態の中で懸命に対応を続けている皆様には衷心より感謝と尊敬を
申し上げます。

そのうえで、経営幹部と日本政府には安全管理の面で改善を求めたいものです。

満足な教育や作業指示も、適切な保護具や線量計もない状況が実態のようです
が、日本の運命を託されている方々がこのような劣悪な管理下で作業されてい
ることはショックです。

防護服や線量計すら調達できないのかと残念に思います。

しかし、一般企業でも類似の状況は多く存在します。

例えば、強酸を扱っているのに耐酸服すら置いていない、有毒ガスの発生リス
クがあるのに空気呼吸器すら用意されていない事業所は数多くあります。

そうかと言って、一般の消防署にも専門の部隊は存在しません。近隣の消防署
に頼ることもできないことに驚いた米国人の安全監査員も居ました。

一般の民間企業では自衛隊が出動してくれることもなく、社員を守る最低限の
装備は準備したいものです。

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

  1回会ったら友達
  2回会ったら親友
  3回会ったら家族同然

■新着情報

・COD、窒素、りんの総量規制基準に関する改正

・ダイオキシン類基準不適合土壌の処理に関するガイドライン」の公表

・都道府県労働局の安全衛生主務課名の変更

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報5件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報5件

★不祥事・災害事例の出典:明記のないものは毎日新聞

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