労働安全衛生法違反で岸和田市の運送会社書類送検
■■ ESHの解決策
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2021.1.13 No.510
企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
寒中のお見舞いを申し上げます。
2021年、最初のメールマガジンとなります。
本年もご愛読をよろしくお願いいたします。
新年に際し、松下幸之助の言葉をご紹介いたします。
人と比較をして劣っているといっても、決して恥ずることではない。
けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っていると
したら、それこそ恥ずべきことである。
私自身、昨年は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」をスタートし、
800人を超えるチャンネル登録をいただきました。
https://www.youtube.com/channel/UCM2xG0-9rd3JhcDyRIh5eOg/videos
本年も、昨年以上に「知識という財産の還元」に努め、微力ながら不幸な災害
の防止に寄与できるよう努めて参る所存です。
変わらぬご支援をお願いいたします。
2021年1月13日
環境ワークス株式会社
代表取締役 黒崎 由行
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◆お知らせ
弊社のメールマガジンの読者でもあるISO審査登録機関が、ISOマネジメントシ
ステム審査員を募集しています。
ISOに関する経験は不問ですが、社会人経験10年以上が条件です。
ご興味のある方は、 info@esh.co.jp までご連絡ください。
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■環境不祥事の教訓
◆福島県、ガス保安機関立ち入り 郡山の爆発事故、19年12月点検(12/26)
郡山市の飲食店で7月に起きた爆発事故で、県は25日、同店の法定点検を
行っていたガス保安機関(郡山市)を立ち入り検査した。
ガス保安機関は、同店にガスを販売していた会社(同市)から委託され、4年
に1度、同店の法定点検を行っていた。
県職員が事務所を訪れ、昨年12月に行った法定点検の内容や点検結果を調査
票などで確認した。
県によると、ガス保安機関は昨年12月の点検の際、調理場内のガス管を目視
し、腐食などの問題はないとしていた。
県は同店にガスを販売していた会社にも立ち入り検査しており、年明けにもガ
ス販売会社とガス保安機関に対して、行政指導などが必要か判断する予定。
(福島民友ニュース)
◆郡山爆発 ガス管床に接し腐食か/福島 (12/15)
(抜粋)
経済産業省は、調理場のシンク下のガス管の床と接する部分が腐食し、穴が複
数開いていたとする調査報告書を公表した。ガス管は床から離して置くことが
法令で求められる材質で、法令違反の状態が続いたため腐食が進み、ガス漏れ
につながった可能性がある。
報告書によると、事故が起きたガス管は「白管」と呼ばれ、比較的湿気に弱い。
液化石油ガス法に基づく法令では、室内設置の場合、コンクリート面などに直
接触れないよう定めている。コンクリートの床に触れた底面や側面が著しく腐
食し、両端の接続部付近に穴があった。シンクの近くにあり、漏水などの影響
も受けやすかったとみられる。
(読売新聞)
◆解説
プロパンガスの漏洩により爆発した休業中のしゃぶしゃぶ店の事故は、死者
1名、負傷者19名を出し、半径570mの周辺の建物などに被害を及ぼしました。
郡山地方消防本部によると、爆発で被害を受けた建物は304棟、車両は46
台。損害額は11億円以上に上るとみられています。
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液化石油ガス法)
では、LPガスの販売事業者は、自ら、または認定された保安機関に委託して、
供給設備及び消費設備を点検し、経済産業省令で定める技術上の基準に適合す
るよう保安業務を実施することを定めています。
(保安業務を行う義務)
第二十七条 液化石油ガス販売事業者は、その販売契約を締結している一般消
費者等について次に掲げる業務(以下「保安業務」という。)を行わなければ
ならない。(以下略)
(保安業務の委託)
第二十八条 液化石油ガス販売事業者及び保安機関は、保安業務につき委託契
約を締結するときは、次の事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互
に交付しなければならない。(以下略)
(認定)
第二十九条 保安業務を行おうとする者は、経済産業省令で定める保安業務の
区分に従い、・・・経済産業大臣/都道府県知事の認定を受けることができる。
(以下略)
今回取り上げた記事では、認定を受けたガス保安機関は、液化石油ガス販売事
業者から委託され、2019年12月に点検したのですが、その際、調理場内のガス
管を目視し、腐食などの問題はないとしていた、ということです。
つまり、福島県はガス保安機関の「ガス管に腐食などの問題はない」とした点
検が適切であったか疑いを持っているのです。
本メールマガジンの読者には、点検、検査、監査、審査を実施する方も多いこ
とと存じます。
特に重大性の高いリスクに対しては、自らの点検、検査、監査、審査が適切な
のか、改めて自省する必要があると考えます。
★適切な証拠に基づく災害防止に寄与する監査等について「ESHエキスパー
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採用されています。
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■労働災害の真相
◆労働安全衛生法違反で岸和田市の運送会社書類送検 (11/13)
岸和田労働基準監督署(大阪府岸和田市)は12日、深夜業を含む業務に常時従
事する労働者に規定回数の健康診断を受診させなかったとして、同市の運送会
社とその代表者を労働安全衛生法違反の疑いで大阪地検に書類送検した、と発
表した。
同法では「深夜業を含む業務に常時従事する労働者」に対しては、6か月以内
ごとに1回の健康診断を義務付けているが、実施していなかったという。
ことし7月6日には同社所属のトレーラーが神戸市内でトンネル内の側壁に激突
し、運転者が死亡する事故が発生している。
(Logistic Today)
◆解説
深夜業、つまり夜間に仕事をする人に対して健康診断を実施していないことに
より送検された事例となります。
私自身、「特定業務従事者の健康診断」の未実施で送検された事例は、過去に
記憶がありません。
ちなみに、「特定業務従事者の健康診断」と「特殊健康診断」は異なりますの
で、注意が必要です。
有機溶剤、特定化学物質、鉛、放射線の取り扱いなどの有害な業務に常時従事
する労働者等に対して実施するのが、「特殊健康診断」です。
一方、「特定業務従事者の健康診断」は、雇入時の健康診断、定期健康診断、
海外派遣労働者の健康診断と並んで『一般健康診断』の一つとなります。
【労働安全衛生規則】
(特定業務従事者の健康診断)
第四十五条 事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労
働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、
(中略)医師による健康診断を行わなければならない。(以下略)
労働安全衛生規則第13条第1項第3号に掲げる業務
イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
(略)
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
(略)
ヌ 深夜業を含む業務
(略)
カ その他厚生労働大臣が定める業務
深夜業とは、午後10時から午前5時までの間における労働のことをいいます。
この「深夜業を含む業務」とは、交替勤務で深夜に従事する者だけでなく、
「6か月を平均して1か月当たり4回以上深夜業に従事した者」も対象になりま
す。
例えば、トラブル対応などで午後10時以降の残業が半年の間で24回に達したの
であれば、深夜業を含む業務として六月以内ごとの健康診断を受ける必要があ
ります。
労働安全衛生法を理解して、適切な健康診断の実施に努めましょう。
この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。
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■新着情報
・今号はお伝えする新着情報はありません
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■労働災害の真相
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■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 5件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 27件
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