無料メールマガジン詳細

NO.378

労災:精神疾患が過去最多 長時間労働の影響深刻に

■■ ESHの解決策
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                          2015.7.1 No.378

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆ご挨拶

サッカー女子W杯カナダ大会が開催されていますが、なでしこジャパンはオラ
ンダとの接戦を制し、見事準決勝に進むことができました。週末ははらはらし
ながら観戦された方も多いのではないでしょうか?

いよいよ明日はイングランドとの準決勝です。なでしこジャパンらしいサッカ
ーで2連覇目指して頑張ってほしいですね。

一方、テニスのウィンブルドン大会では、錦織選手が苦戦を強いられながらも
何とか初戦を突破しました。ウィンブルドン大会は、昨年のベスト16が現時点
での最高成績。四大大会で唯一、準々決勝以上に勝ち進んでいないそうです。
それだけに今大会への期待が高まりますが、左ふくらはぎの故障の影響も心配
されるところです。

錦織選手は、ウィンブルドンで多くのトッププレーヤーがそうするように会場
近くに一軒家を借りて、両親とともに過ごしていて「食事を作ってもらえるの
がうれしい」と話しているそうです。

お母さんの手作りごはんパワーで快進撃を見せてほしいですね。(門)

——————————————————————–

■環境不祥事の教訓

◆石綿:解体工事で見落とし 兵庫や川崎など (6/29)

兵庫県尼崎市が2014年度、市内の全ての建物の解体工事現場で立ち入り調
査した結果、工事発注者側が「石綿(アスベスト)を含む建材はない」と申請
した329件の工事のうち、4分の1以上で実際は石綿製品が使われていたこ
とが分かった。

飛散した石綿を吸い込むと、がんの一種の「中皮腫」を発症する可能性がある。
大半は飛散しにくいタイプの石綿だったが、解体方法によっては粉じんが発生
する危険性がある。こうした見落としは川崎市や鳥取県でもあった。

石綿製品を含んだ建物の解体について国は、粉じんになって飛散しやすいレベ
ルに応じて三つに分類して対策を決めている。今回、見落としが明らかになっ
たのは、大半が床用ビニールタイルやスレート板などの最も飛散しにくいとさ
れる「レベル3」の石綿製品。解体時には散水して湿らせながら作業をしたり、
砕かないで原形のまま撤去したりするよう定められている。工事発注者が自治
体に届ける義務はない。

しかし、05年6月29日に石綿関連工場周辺で一般住民に中皮腫患者が多発
していることが判明した尼崎市では、レベル3の工事でも届け出るよう定めた
県条例などに基づき、把握できた全ての解体工事現場に独自に立ち入り調査し
ている。14年度は延べ632件を調査した。その結果、「石綿はない」と申
請があった329件のうち88件で石綿を含む建材が使われていた。

同市のほかに鳥取県、川崎市など一部の自治体も条例などでレベル3まで届け
出を義務化。川崎市では昨年度、届け出のあったレベル3の解体工事649件
を立ち入り調査した結果、約6割で申請になかった石綿を含む建材が見つかっ
た。また、鳥取県では昨年度、立ち入り調査した142件のうち1件の見落と
しが分かった。

東京労働安全衛生センターによると、「レベル3」の石綿製品でも定められた
対策を取らずに工事すると、日本産業衛生学会が定めた大気中の許容濃度の約
100倍も石綿が飛散したとの調査結果もあるといい、対策強化の必要性を指
摘する。

石綿は高度経済成長期から幅広く全国各地で建材などに使われてきた。建物の
寿命から、20~40年ごろに石綿を使った建物の解体の数がピークを迎える
とされる。
(毎日新聞)

◆解説

多くの企業が適用法令の把握に苦慮していますが、特に条例については把握が
難しいものです。

兵庫県では、「環境の保全と創造に関する条例」にて、平成17年11月1日から、
解体しようとする部分の床面積の合計が80平方メール以上の建築物について、
届出義務や手ばらしを行うなど飛散防止の基準を設けるなど規制の強化を行っ
ています。

非飛散性の石綿含有材料を含む建築物の解体工事について、例として次のよう
な対応を求めています。

・非飛散性石綿含有材料は、切断又は破砕を行わず、原形のまま手作業により
撤去されるものであること

・撤去された石綿含有材料の車両への積み込みにおいても石綿粉じんの飛散防
止措置が講じられていること

尼崎市が解体工事現場で立ち入り調査した結果、「アスベストを含む建材はな
い」と申請した工事の4分の1以上で実際は石綿製品が使われていたとのこと
で、その理由までは明らかにされていませんが、慎重な調査が必要です。

コンプライアンス監査やISO14001の審査においても、アスベストはないとの回
答を得ても、サイトツアーにて疑わしい建材を見かける頻度は高いものです。

内部監査においても確認されることが期待されます。

★本事例に関連する法令とアスベスト調査のベストプラクティスを「ESHエキ
スパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

———————————————————————

■労働災害の真相

◆労災:精神疾患が過去最多 長時間労働の影響深刻に (6/25)

厚生労働省は25日、2014年度の精神疾患と脳・心臓疾患の労災補償状況
を公表した。精神疾患による労災請求は1456件で、13年度を47件上回
った。うち労災と認定された件数は497件で13年度を61件上回り、請求、
認定いずれも過去最多となった。

精神疾患による労災認定の内訳は男性347件、女性150件。うち99件は
自殺(未遂含む)で、13年度より36人増えた。厚労省が過労死のリスクが
高まると位置づける「過労死ライン」の残業時間「月80時間以上の残業」は
13年度より57件多い201件。このうち、160時間以上の残業は13年
度の31件の2倍を超える67件に上り、長時間労働による過労の実態が浮か
び上がった。

要因別では「悲惨な体験」が72件で最多。次いで「パワハラや暴行」が69
件だった。

一方、脳・心臓疾患の労災請求は763件(13年度比21件減)、認定は2
77件(同29件減)だった。職種別では自動車運転従事者が最多の85人で、
管理職24人、営業職14人の順。厚労省職業病認定対策室は「仕事上でスト
レスを感じている人が増加しているのが労災増加の一因になっている」と話し
ている。

過労死等防止対策推進法制定に携わった関西大学名誉教授の森岡孝二さんは
「長時間労働の影響が深刻化している。精神疾患で認定されたケースのうち1
60時間以上の残業が多く、信じがたい。労働時間の上限規制に取り組まなけ
れば過労死防止は困難だ」と話している。

精神疾患による労災の増加に歯止めをかけ、減少させるには長時間労働の削減
に向けた規制が欠かせない。

厚生労働省所管の過労死等防止対策推進協議会は、過労死の危険性が指摘され
る週60時間以上働く人の割合は30代男性で17%に達し、全体で468万
人の「過労死予備軍」がいる現状を指摘している。

政府が過労死や過労自殺の防止策に乗り出しているのは確かだ。防止策を国の
責任と位置づけて昨年11月に施行された過労死等防止対策推進法(過労死防
止法)はその成果と言える。基本方針となる大綱の素案には、過労死ゼロを目
指すために2020年までに週60時間以上働く人の割合を5%以下にするな
ど数値目標を入れた。

だが、政府は流れに逆行するようにも映る労働基準法改正案を今国会に提出。
改正案には1日8時間の時間規制の適用が除外され残業の概念がなくなる「ホ
ワイトカラーエグゼンプション」(残業代ゼロ制度)や、実際の労働時間に関
係なく一定の時間働いたとみなす「裁量労働制」の営業職への拡大が盛り込ま
れた。長時間労働削減に政府が真面目に取り組もうとしているのか、疑わざる
を得ないのが現状だ。
(毎日新聞)

◆解説

”過労死の危険性が指摘される週60時間以上働く人の割合は30代男性で1
7%に達し、全体で468万人の「過労死予備軍」がいる”というのは驚きで
すね。

最近は少なくなったとはいえ、実際にはサービス残業も加わることも予想され
ます。

近年、多くのグローバル企業が「CSR調達」を進めていますが、CSRの内容は、
次のとおりです。

CSR = EHS(環境及び労働安全衛生)+労働+倫理 +マネジメントシステム

これらの項目について、取引先に対して厳しいサプライヤー監査を実施してい
ます。

多くのグローバル企業が、「労働時間:週60時間以内」を定めています。サ
プライヤー監査では、違反がないか、タイムカード、賃金台帳、労働者へのイ
ンタビューなどを通して監査しています。

ご存知のとおり、労働安全衛生法による長時間労働者への医師による面接指導
の実施は、1月あたり100時間(80時間超~100時間は努力義務)です
が、これは最低基準と考えるべきです。

この記事やグローバル企業のCSR基準のとおり、長時間労働のデファクトスタ
ンダードは、”週60時間”と考えていただくことが必要な時代だと言えます。

★ベストセラー「日本で一番大切にしたい会社」から”いい会社”の指標(労
働時間)について「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

  人は、不幸のときは一を十にも思い、幸福のときは当たり前のように
  それに馴れて、十を一のように思う

■新着情報

 ・平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 13件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————-

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

メルマガは、発行者からは読者を知ることができず、不特定多数の方に配信す
ることになります。読者様も増え、実名を含む記事の紹介などの支障も懸念さ
れるためです。

どうぞご理解ください。

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
   → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ★お申込みの際、≪質問・ご確認事項など≫欄に必ず「メルマガ読者」と
   ご記入ください。
  

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

———————————————————————

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、OHSAS18001に関する有料の資料集サイト「ESHデ
ータバンク」のサービス、好評提供中です。

トップページ

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◇

【発行元】
環境ワークス株式会社

トップページ


発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
 掲載された記事の内容を許可なく転載する
 ことを禁じます。問い合わせ下さい。 (C) Copyright -2009
———————————————————————-

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、有料メールマガジンの抜粋版としてお届けします。

ページトップへ