工場タンクから劇物「発煙硫酸」漏えい/秋田
■■ ESHの解決策
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2017.11.1 No.434
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
いよいよ11月になりました。今年も残り2ヶ月ですね。毎年この時期になると
「1年なんてあっという間だなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか?
さて先日、娘の中学校の文化祭に行ってきました。文化祭といえば学校によっ
て様々な催し物がありますが、娘の中学校では、県の文化センターを貸切って、
合唱コンクールや英語のスピーチ大会、吹奏楽部の発表などがメインで行われ
ました。
合唱コンクールでは、各クラスとも本番に向けて1ヶ月以上、朝練などに励ん
だ成果を発揮して、素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
また、娘は今春、吹奏楽部に入部しホルンを担当しているのですが、初めての
大舞台で立派に演奏している姿に思わず涙が込み上げてしまいました。
若者が何かに一生懸命取り組んでいる姿は本当に清々しいですね。(門)
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◆復活! 今日の言霊
本メルマガの隠れた人気企画であった「今日の言霊」を中断して以降、お会い
した多くの読者様より「どうして止めたのですか?」、「楽しみにしていたの
に残念です」など予想を超える反響を頂戴しました。そこで今号より復活させ
ていただきます。
「ことだま」(言霊)は「こだま」する
言葉の意味は有料版メルマガ「ESHエキスパート」でご紹介しています。
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■環境不祥事の教訓
◆工場タンクから劇物「発煙硫酸」漏えい/秋田 (10/25)
24日午前8時10分頃、秋田市茨島の化学製品メーカー「三菱マテリアル電
子化成」の敷地内で、男性従業員(49)が屋外の貯蔵タンクの側面から劇物
「発煙硫酸」が漏れて白煙が出ているのを発見した。けが人などはなかった。
秋田中央署などによると、男性従業員は1人で発煙硫酸を別のタンクから貯蔵
タンクへ移す作業をしていた。敷地外への漏えいはみられないという。同署で
漏えいした量や原因などを調べている。
貯蔵タンクは高さ約10.6メートル、直径約14.5メートルの円柱形で、容
量約3000トン。周囲は「防液堤」と呼ばれるブロック塀で囲まれている。
同社によると、作業を中止したことで、白煙は止まり、漏れ出た液体は中和処
理をしたという。同社は、毎日始業前にタンクを点検しており、この日も異常
は見られなかった。
発煙硫酸は毒劇物取締法で劇物に指定されていて、空気に触れることで白煙が
発生する。白煙は人体に有害で、大量に吸い込むとのどの痛みを起こす危険性
がある。同社は発煙硫酸を材料に、半導体などに使う化学製品を製造していた。
警察や消防では一時、付近住民に対し、施設に近づかないよう呼びかけた。
同日行われた記者会見で、同社の中村章宏副社長は「周辺住民の皆さまに多大
なるご迷惑をおかけした。深くおわび申し上げます」と謝罪した。
同社では2012年にも発煙硫酸が漏れ出る事故を起こしている。
(読売新聞)
◆解説
事故当日、同社はホームページにお詫び文を掲載しています。その中で事故概
要については次のとおり記されています。
「10月24日(火)8時10分頃、受け入れタンクから移液中に、発煙硫酸タンク
(容量約3,000トン)から発煙硫酸が漏えい。漏えいした発煙硫酸が空気中の
水分と接触して白煙を発生。すぐに移液を停止し、別のタンクに移送した結果、
漏えい、発煙が停止。消防立会いのもと、10時41分に事故収束を宣言。」
また、被害状況については、次のように記されています;
発煙硫酸タンクは、屋外の防液堤内に設置しているため、敷地外への流出はあ
りません。
発生した白煙についても、工場敷地外への流出はございませんでした。
(漏れた場所から敷地の外までは300メートル)
通報については、次のように微妙に異なる報道がありますが、迅速な対応がで
きていたようです。
・40代男性社員が、午前8時10分ごろ、タンク側面から白煙が上がっているの
に気付き、同社が通報した(秋田魁新報)
・男性社員が白煙が上がっているのに気付き、警察と消防に通報した(秋田魁
新報)
・男性社員(49)が見つけ、119番した(河北新報オンラインニュース)
・工場の従業員から「貯蔵している発煙硫酸のタンクからガスが漏れている」
と消防に通報がありました。(日テレニュース)
同社では、2012年にも配管のパッキン不良による発煙硫酸の漏洩事故が起きて
いました。その教訓もあったと考えられますが、通報とホームページでのお詫
びに関しては概ね適切なコミュニケーションができていたようです。
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■労働災害の真相
◆工場で荷物の下敷き、男性死亡/神奈川 (10/18)
17日午前10時5分ごろ、横須賀市夏島町の日産自動車追浜工場で、荷物の
積み下ろし作業中だった運送会社社員(67)が落下した荷物の下敷きになっ
た。男性は上半身を強く圧迫され、病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が
確認された。
田浦署によると、500キロ以上ある工場の機材が、トラックの荷台から落下
し、近くにいた男性が下敷きになったとみられ、同署が業務上過失致死容疑も
視野に、詳しい事故原因を調べている。
(産経ニュース)
◆解説
「警察は、何らかの原因で落下しそうになった積み荷を被災者が支えようとし
て下敷きになったとみて調べています。 」(テレビ朝日)という報道もあり
ました。
関連する労働安全規則は次の条文となります。
(積卸し)
第百五十一条の七十 事業者は、一の荷でその重量が百キログラム以上のもの
を貨物自動車に積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)
又は貨物自動車から卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。
)を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせな
ければならない。
一 作業手順及び作業手順ごとの作業の方法を決定し、作業を直接指揮するこ
と。
二 器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
三 当該作業を行う箇所には、関係労働者以外の労働者を立ち入らせないこと。
四 ロープ解きの作業及びシート外しの作業を行うときは、荷台上の荷の落下
の危険がないことを確認した後に当該作業の着手を指示すること。
五 第百五十一条の六十七第一項の昇降するための設備及び保護帽の使用状況
を監視すること。
本件で、作業指揮者がいたか否かは不明です。”直接指揮すること”とありま
すので、必ず当該作業場所に居なければなりません。
「フォークリフトで荷卸しする予定だった」という報道もありますので、第三
号の立ち入らせない措置も必要だったと考えられます。
OHSAS18001の審査やコンプライアンス監査においては、たびたび作業指揮者が
不在である荷の積み卸し作業が確認されます。
運送会社はもちろんですが、荷主も十分な配慮が必要です。
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