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NO.540

排水溝の蓋の隙間埋めなかった製造業者送検 台車が横転し労働者死亡

■■ ESHの解決策
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2022.4.6 No.540

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

次々と桜の満開情報が届けられるなか、4月に入り関東地方では花冷えとなり
ました。新年度で忙しい時期ですが、体調を崩さないようお気をつけください。

さて、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が「2022年度(令和4年
度)新入社員のタイプ」を発表しました。

「新感覚の二刀流タイプ」

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制
限を受けた今年の新入社員。インターンシップや就職活動を、対面とオンライ
ンの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。しかし、
活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、
思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。先輩社員は、
これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケー
ションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォー
マンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひと
りを見つめた育成支援をしてほしい。そうすれば、才能が開花し、環境変化に
も適応できる「リアル二刀流」になっていくだろう。(引用)

我々も新入社員の「新感覚」から学び、共に成長していけたらいいですね。
(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始いたします。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆洗濯排水を水路に垂れ流し 熊本市中央・西区土木センター 下水道への
接続怠る/熊本 (3/23)

道路や河川の維持管理を担う熊本市の中央・西区土木センターで、施設から
出た洗濯排水が長年にわたって近くの水路に垂れ流されていたことが22日、
市への取材で分かった。公共下水道の整備区域にもかかわらず、施設の排水の
一部で法律に反して下水道への接続を怠っていた。

市によると、職員の作業着などを洗うため、資材倉庫前の屋外に設置した5台
の洗濯機から排水ホースを延ばし、施設脇の側溝に流していた。洗剤が混じっ
た排水は、側溝を経て近くの水路に流れ込んでいた。

洗濯機は5台のうち3台が日常的に使われ、1日2~3回稼働している。5台とも
市の備品ではなく、職員が持ち込んだらしい。いつ誰が持ち込んだかは不明で、
少なくとも10年以上前とみられるという。施設内のほかの排水は下水道に流し
ていた。

熊本日日新聞の取材に、中央区土木センター所長は「洗濯機があることを知ら
なかった」、西区の所長は「洗濯機があることは認識していたが、使われてい
ないと思った」と説明した。

下水道法は、公共下水道の供用が開始された場合、区域内の住民や事業所は
排水設備を設置して下水道に接続しなければならないと定めている。

洗濯や風呂などの生活排水は下水道を通って浄化施設で処理され、河川や海に
流されている。市上下水道局給排水設備課は「センターの行為は下水道法に
違反している。下水道法の上位法に位置付けられる水質汚濁防止法にも抵触す
る可能性がある」と指摘する。

センターがある西区の区長は「環境に負荷をかけないために下水道がある。
誰がどこまで知っていたのか調査し、対処したい」と話した。
(熊本日日新聞)

◆解説

他の範となるべき行政機関が洗濯排水を水路に放流していたことは褒められる
ことではありません。しかし、排水自体は然程大きな問題ではないとも考えま
す。

教訓とすべきは、誰かが勝手に洗濯機を持ち込み、排水していたことです。

工場や事業所においても、社員や業者が持ち込んだものが許可なしに排水経路
に接続されてしまうことは考えられます。

そこで重要なのが「変更の管理」(MOC:Management of change)です。

ISO 45001では、箇条8.1.3として独立していますが、ISO 14001では箇条8.1
運用の計画及び管理の中に次のとおり記述されています。

組織は、計画した変更を管理し、意図しない変更によって生じた結果をレ
ビューし、必要に応じて、有害な影響を緩和する処置をとらなければならない。

そのため、「変更の管理」が認識されず、適切なプロセスが作られていない
ケースが散見されます。

それでも認証を与えてしまう認証機関の審査にも問題がありますが、環境マネ
ジメントシステムにおいて「変更の管理」はプロアクティブなマネジメントの
ために不可欠なプロセスです。

変更の管理を強化することが期待されます。

★先進企業の変更管理(MOC)のベストプラクティスを「ESHエキスパート」で
ご紹介しています!

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆排水溝の蓋の隙間埋めなかった製造業者送検 台車が横転し労働者死亡
姫路労基署 (4/4)

兵庫・姫路労働基準監督署は、排水溝の隙間を埋めるなど床面を安全な状態に
保持していなかったとして、プラスチック製品製造会社(兵庫県たつの市)と
同社部長を労働安全衛生法第23条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで
神戸地検に書類送検した。

台車が排水溝の隙間につまづいて横転し、下敷きとなった労働者1人が死亡す
る労働災害が発生している。

労災は令和3年7月16日、同社工場内で発生した。被災者と別の労働者1人は、
台車に金型を複数枚乗せたものを2人がかりで移動させていた。被災者が台車
前方から引っ張り、別の労働者が後方から押していたが、台車が横転した際に
被災者が巻き込まれている。

排水溝には、蓋として金網を数枚かぶせていた。1枚目の金網と2枚目の金網の
間には、人間の手の平サイズのわずかな隙間が空いていた。台車のキャスター
が隙間に挟まり、横転したとみられている。

同労基署は、「珍しい災害ではあるが、排水溝の蓋は隙間なくくっつけておく
べきだった」と話している。【令和4年2月25日送検】
(労働新聞社)

◆解説

過去の記事によれば、「台車は一辺が1メートル超のかご状。金型は鉄板状で
重さは計数百キロとみられる。」(神戸新聞NEXT)とのことです。

この災害が起きたのが「通路」なのか「作業場」なのかは不明ですが、いずれ
にせよ労働安全衛生規則では安全な状態に保持することが必要です。

(通路)
第五百四十条 事業者は、作業場に通ずる場所及び作業場内には、労働者が
使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければ
ならない。
2 前項の通路で主要なものには、これを保持するため、通路であることを
示す表示をしなければならない。

(屋内に設ける通路)
第五百四十二条 事業者は、屋内に設ける通路については、次に定めるところ
によらなければならない。
一 用途に応じた幅を有すること。
二 通路面は、つまずき、すべり、踏抜等の危険のない状態に保持すること。
三 通路面から高さ一・八メートル以内に障害物を置かないこと。

(作業場の床面)
第五百四十四条 事業者は、作業場の床面については、つまづき、すべり等の
危険のないものとし、かつ、これを安全な状態に保持しなければならない。

側溝のふたが適切でない状況は、多くの作業場で見られる光景ですが、転倒災
害のみならず死亡災害にも至り得ることの教訓としていただきたい事例です。

★通路や作業床の危険源について「ESHエキスパート」で解説しています!

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

平和という奴は自堕落で、戦争になって初めてしゃんとなる

■新着情報

・化学物質把握管理促進法(化管法)施行規則の一部を改正する省令」の公布

・土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令等の公布

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

東北で大地震発生!その時安全衛生スタッフは何をするか(危機管理対
応)
https://youtu.be/rWXy7YahAFk

安全衛生(EHS)スタッフの求人増、求められる力量とは?
https://youtu.be/8W3T9OvAvrY

非定常作業管理の世界標準、ロックアウト・タグアウトは安全文化が不可

https://youtu.be/SVKHEUHrkvE

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 22件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
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