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NO.537

新潟の米菓工場で火災、アルバイト従業員4人を含む6人が死亡

■■ ESHの解決策
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2022.2.16 No.537

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

2月4日に開幕した北京オリンピックでは連日、熱戦が繰り広げられています。
各競技でドラマが生まれ、毎度のことながら選手の皆さんが真摯に競技に挑む
姿に感動しきりです。

3度目の金メダルをかけて戦ったフィギュアスケートの羽生結弦選手はショー
トプログラムの不運もあり、惜しくも4位に終わりましたが、宣言通り4回転
アクセルに挑戦した姿に世界中から賞賛の声が寄せられています。

閉幕まであとわずかですが、引き続きテレビの前から声援を送りたいと思いま
す。(門)

 

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◆御礼とご報告

メールマガジンの読者様にお誘いしました「事故調査・根本原因分析」の理解
度診断ですが、307名もの方々にご参加いただきました。誠に有難うございま
した。

その結果ですが、正解率は残念なことに39.7%と低いものでした。意識の高い
当社のメルマガの読者ですらこの正解率です。一般の方々でしたら更に低いこ
とでしょう。

その結果は、次のYouTube動画でお伝えしております。

https://youtu.be/Xepvsep7NkI

理解度の低さが、そのまま不適切な事故調査・根本原因分析に繋がっているこ
とは深刻な問題です。ではなぜ、これほどまでに理解度が低いのでしょうか?

それは簡単なことで、教わる機会がないからです。事故調査について教育を
受けた方はおられるでしょうか?

米国では、事故調査は安全衛生の一つの力量とされ、教育を受けていない方が
事 故調査に参加することはあり得ません。

他でないなら弊社がお伝えします、ということで安全衛生スタッフや監査員・
審査員向けにオンラインセミナー【事故調査・根本原因分析】を2月25日
(金)に開催します。
当日のご都合が合わない場合は動画での視聴も可能です。

昨年8月開催の同セミナーでは、94.2%(大いに満足、満足)の高評価を頂戴し
ました。

受講された安全衛生スタッフ、コンサルタントの方々の声を一部ご紹介いたし
ます。

・インシデント調査は重要で体制や実施することをしっかり決めておくといい
と思えました。インタビューのやり方などは具体的に決められていないので勉
強になりました。しばらく対面式のセミナーに行っていなかったので、久しぶ
りに、他社の同じような立場の人の意見を聞けたのは楽しかった。
・インシデント調査(海外教育事例に学ぶ)の内容は、とても理解しやすいも
のでした。また、RCAの演習とRCAの発表で、参加者の方の分析内容を聞けたこ
とも大変参考になりました。ありがとうございました。
・インシデント調査とRCAを一体で考えることが再発防止に役立つことが分
かった。調査ではいかに事実を挙げておくかが重要あり、自グループの調査の
不十分さが今更ではあるが再認識できた。
・RCAの必要事項を知ることができた。初めて学ぶ内容でしたので、非常に有
意義でした。Teamsのブレイクアウトセッションでのなぜなぜ分析でのワーク
ショップが有益でした。
・改めて根本原因へたどり着くことの重要性を再確認できた。今後、出来る限
り根本原因を突き止め、対策を実施出来るように進めていきたい。
・インシデント調査の説明は調査項目からインタビューの注意点までカバーさ
れていて、わかりやすかった。RCA演習の時間が長めなのでよかった。

詳細は次のサイトをご覧ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/gfrsv

皆様のご参加をお待ちしております。

 

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■環境不祥事の教訓

◆京橋川で油流出/島根 (2/3)

島根県が2日、松江城下を流れる京橋川(松江市殿町、母衣町)に重油が流出
したと発表した。解体工事中の建物(同市殿町)のタンクから雨水の排水管な
どを通って流れ出た。流出量は不明。魚のへい死などはないという。

県によると2日午前8時ごろ、油が流出していると通報があった。京橋川に架
かる中橋から東京橋の約500メートルで水面に油膜があり、オイルフェンスを
設置して回収を進めている。
(山陰中央新報)

(続報)城下町の川に重油が流出、水鳥14羽が死ぬ (2/5)

2日に確認された松江城下を流れる京橋川(松江市殿町、母衣町)への重油流
出で、島根県は4日、水鳥(カモ類)14羽が死んだと発表した。油が付着し、
体温調節ができなくなったことなどが原因という。

県によると、新たな流出は抑えられており、引き続き回収を進める。流出量は
不明。
(山陰中央新報)

◆解説

本件の詳細は不明ですが、ビルの解体中との情報もありました。

建設や新規設置の環境配慮は適切に実施しても、解体や撤去に対しては配慮が
適切ではないケースが散見されます。

コスト低減が優先し、環境や安全衛生面が疎かにならないようマネジメントが
必要です。

ISO 14001において「解体」に関連するのが次の箇条です。

箇条6.1.2 環境側面
箇条8.1 運用の計画及び管理

ISO 45001では、変更の管理(箇条8.1.3)、請負者(箇条8.1.4.2)が独立の
箇条として明確です。しかし、ISO 14001では、これらが運用の計画及び管理
(箇条8.1)に包含されているため、変更の管理や請負者管理が不十分なケー
スが散見されます。

それで認証を与えてしまうISO認証機関があることも残念です。

解体や撤去に対しても環境(EHS)マネジメントシステムを機能させることが
重要です。

★解体や撤去に対してISO 14001で求められる対応を「ESHエキスパート」で
解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆新潟の米菓工場で火災、アルバイト従業員4人を含む6人が死亡(2/11)

※多くの報道記事が錯綜していますので、以下整理してお伝えします。

火災は新潟県村上市の米菓メーカー三幸製菓荒川工場で11日深夜に起き、同日
午後11時45分ごろ、警備会社から消防に通報があった。

火災は、12日の昼頃、消防当局による消火活動により鎮火した。

12日午前1時20分ごろ、焼け跡から68~73歳のアルバイト従業員の女性清掃員
4人が遺体で発見された。

出火当時は生産ラインが休憩に入り清掃を行うタイミングだった。火災の発生
時に同建屋では30人程度が働いていた。

4人は建物北側の出入り口の内側で閉じた防火シャッターの手前で倒れていた。
2人ずつ重なるように倒れた状態だった。

防火シャッターの脇には避難用の扉もあった。

12日に男性1名、14日に男性1名の遺体が発見され、いずれも連絡がとれていな
い男性従業員2人とみて、確認を急いでいる。

出火当時、現場にいた従業員は「(出火直後に)火災警報が鳴り、まもなく
電気が消えた」、「大きい音が出て、煙で充満していてサイレンが鳴りっぱな
し。真っ暗で何も見えなかった」と話した。

出火時、工場内から逃げることができた従業員は、「中は真っ暗で何も見えな
かったが、誰かが扉を開けてくれたので外に出られた」と話している。

市の消防署防災安全室によると、荒川工場では88年から19年までに計8件の
火災が発生していた。8件中7件が、煎餅を乾燥させる機械の中で、煎餅のくず
がガスバーナーの熱により炭化して発火したもの。燃えたものは煎餅の乾燥器
や電気配線などで建物自体に被害はなかった。残る1件は94年6月。菓子のくず
が米菓を揚げる装置に付着しガスバーナーで熱せられ発火。油釜内の油に引火
して燃え広がり、「フライヤー室」29.4平方メートルが全焼した。過去8件の
火災では人的被害はなかった。

村上市の消防本部は3年に一度、荒川工場に防火のための立ち入り調査を行っ
ている。直近では20年9月に実施。調査では、自動火災報知機や避難誘導灯の
作動不良、消火器の設置場所不良、屋外消火栓設備のホースの耐圧性能切れな
ど、多数の不備があったが、改修されたとの報告を受けたという。また、消防
署防災安全室によると、荒川工場は消防法上、スプリンクラーの設置義務がな
く、実際に設置されていなかったという。

今回の火事を受け三幸製菓は14日、すべての従業員を対象に説明会を開き、
火事が発生したことを謝罪。当時の状況について情報を共有した。

(新潟日報、朝日新聞、新潟総合テレビ、日刊スポーツの記事を編集)

◆解説

またしても、とても残念な事故が起きてしまいました。

食品工場ですので窓はほとんどありません。火災で停電すれば、たとえ昼間だ
としても後は誘導灯だけが頼りです。しかし、それも「煙」により視認性が
低下します。

加えて、防火シャッターが閉じられたら、いつもの避難ルートは使えないこと
になります。

亡くなった4人のアルバイト社員の方々は、次の悪条件が重なった”可能性”
が考えられます。

・アルバイトゆえに工場内のレイアウトを十分に把握していない
・夜間アルバイトゆえに避難訓練に参加していない
・夜間アルバイトゆえに防火分団から認識されてない
・社員が居る製造ラインとは異なる場所に居た
・夜間ゆえに自衛消防隊の誘導係が少なく誘導されなかった
・高齢のため素早い避難が困難である
・一般社員は防火シャッターの機能や誘導灯を理解していない

現時点では、調査中で多くの点が不明ですが、夜間の停電時の避難がいかに
困難であるかを知ることができます。

とても多くの企業の、特に夜間の自衛消防組織や防災/避難訓練が非現実的で
有効ではありません。

夜間や防火シャッターを閉めての避難訓練は必須です。

また、現在はコロナ禍で困難ですが、消防署の協力を得て煙(スモーク)訓練
を是非とも実施していただきたいものです。

★米国人EHS監査員の避難手段に対する監査アプローチを「ESHエキスパート」
でご紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

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■新着情報

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

・【電動カッターで首を切り死亡】あまり知られていない「特別教育に準じた
教育」とは
https://youtu.be/JOfyAcjGFgM

・メルマガ読者対象:事故調査・根本原因分析の理解度診断の衝撃的結果
この基本を知らないと再発防止はできない
https://youtu.be/Xepvsep7NkI

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 16件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
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