無料メールマガジン詳細

NO.536

転倒災害で賠償命令2件

■■ ESHの解決策
■■—————————————————————–
2022.2.2 No.536

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

——————————————————————-

◆ご挨拶

新型コロナウイルス「オミクロン株」の影響で感染者数は急拡大し、自宅療養
者が激増しています。いざ自宅療養になった時の備えを改めて確認しておきま
しょう。(門)

【新型コロナ感染中の自宅療養の過ごし方】
・自宅から外出しない
・部屋を分ける
・感染者の世話をする人はなるべく少なくする
・日中できるだけ換気をする
・体調が悪い時は無理せず相談する

【自宅療養の準備】
・水と食料
・マスク・ビニール袋・手袋などの衛生用品
・体温計・酸素飽和度測定(パルスオキシメーター)
・常備薬
・ネット環境の整備
・同居していない方(家族)の協力

参考:東京都自宅療養者ハンドブック
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/shien/zitakuryouyouhandbook.html

 

———————————————————————-

◆事故調査・根本原因分析セミナー(2月25日)

弊社では、安全衛生スタッフや監査員・審査員向けにオンラインセミナー
【事故調査・根本原因分析】を2月25日(金)に開催します。
当日のご都合が合わない場合は動画での視聴も可能です。

本年8月開催の同セミナーでは、94.2%(大いに満足、満足)の高評価を頂戴し
ました。

受講された安全衛生スタッフ、コンサルタントの方々の声を一部ご紹介いたし
ます。

・インシデント調査は重要で体制や実施することをしっかり決めておくといい
と思えました。インタビューのやり方などは具体的に決められていないので勉
強になりました。しばらく対面式のセミナーに行っていなかったので、久しぶ
りに、他社の同じような立場の人の意見を聞けたのは楽しかった。
・インシデント調査(海外教育事例に学ぶ)の内容は、とても理解しやすいも
のでした。また、RCAの演習とRCAの発表で、参加者の方の分析内容を聞けたこ
とも大変参考になりました。ありがとうございました。
・インシデント調査とRCAを一体で考えることが再発防止に役立つことが分
かった。調査ではいかに事実を挙げておくかが重要あり、自グループの調査の
不十分さが今更ではあるが再認識できた。
・RCAの必要事項を知ることができた。初めて学ぶ内容でしたので、非常に有
意義でした。Teamsのブレイクアウトセッションでのなぜなぜ分析でのワーク
ショップが有益でした。
・改めて根本原因へたどり着くことの重要性を再確認できた。今後、出来る限
り根本原因を突き止め、対策を実施出来るように進めていきたい。
・インシデント調査の説明は調査項目からインタビューの注意点までカバーさ
れていて、わかりやすかった。RCA演習の時間が長めなのでよかった。

詳細は次のサイトをご覧ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/gfrsv

 

———————————————————————-

■環境不祥事の教訓

◆次亜塩素酸ナトリウムを排水 横浜市の浄水場から河川に/神奈川 (1/27)

横浜市は27日、小雀浄水場(同市戸塚区)で高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを
含む水約5千トンを河川に排水する事故があった、と発表した。健康被害など
は確認されていないという。

市水道局によると、26日午後3時半ごろ、浄水場の配管修理に伴い、通路の
雨水を近くの滝川に排水したところ、職員が異臭に気付き、配管から漏れ出た
次亜塩素酸ナトリウムが含まれていたことが判明した。

河川では一時、最大で1リットル当たり8.2ミリグラムの次亜塩素酸ナトリウム
濃度を測定した。水道水に含まれる濃度の目標値は同1ミリグラム以下。市水
道局は「法令に基づき適切に対応する」としている。
(神奈川新聞)

◆解説

横浜市のプレスリリース(記者発表資料)では、次のとおり報告されています。

【事故の概要】
小雀浄水場において、次亜塩素酸ナトリウムを薬品タンクから注入地点まで
移送する配管の修理のため、作業用通路内に溜まっていた雨水を汲み上げ、
場内の排水処理施設を経由して河川に放流しました。

汲み上げ作業開始時点では雨水の水質に異常がないことを確認していましたが、
作業の途中において、配管から漏洩していた次亜塩素酸ナトリウムが含まれる
ことが判明し放流を停止しました。この間、約4時間にわたり高濃度の次亜塩
素酸ナトリウムを含む水を河川に放流しました。(2022年1月27日)

工事に伴う化学物質の漏洩はリスクが高い環境側面です。ISO 14001では、
次の要求事項が関連します。

箇条6.1.2 環境側面
箇条8.1 運用の計画及び管理
・請負者を含む外部提供者に対して、関連する環境上の要求事項を伝達する
・計画した変更を管理し、必要に応じて、有害な影響を緩和する処置をとる

配管工事を実施する際には、環境側面を特定し、工事業者(請負者)の管理を
含め、工事を適切に管理することが必要です。

また、次亜塩素酸ナトリウムは、水質汚濁防止法の指定物質に該当し、事故時
の措置が求められます。

(事故時の措置)
第十四条の二
2 指定施設を設置する工場又は事業場の設置者は、当該指定事業場において、
指定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は指定物質を含む水が当該
指定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健
康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く有
害物質又は指定物質を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ず
るとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に
届け出なければならない。

事故時の措置は、ISO 14001では箇条8.2緊急事態への準備及び対応および箇条
7.4.3 外部コミュニケーションに関連します。

工事に伴う漏洩事故を防止するためISO 14001に基づき環境マネジメントシス
テムを適切に運用することが期待されます。

★工事における「管理」と「監理」の違いと配管関連の「工事監理チェックリ
スト」のベストプラクティスを「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

——————————————————————–

■労働災害の真相

◆職員専用通路で足滑らせ骨折、病院側に300万円賠償命令…水たまりで「安
全に通行できず」/東京 (1/28)

健康診断のために訪れた東京都内の病院で、通路の水たまりに足を滑らせて転
倒し、左腕を骨折したとして、都内の女性(61)が病院を運営する医療法人に
約1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。渡辺充
昭裁判官は「通路の床材はぬれると滑りやすくなる材質で、健康診断を受ける
人が安全に通行できない状態だった」として、同法人に約300万円の賠償を命
じた。

判決によると、女性は2017年12月、東京都足立区の病院で、健康診断の会場に
向かうため、4階の通路を歩いていたところ、降雨の影響でできたとみられる
水たまりに足を取られて転倒した。

通路は職員専用だったが、判決は立ち入りを禁止する表示がなかったことなど
を踏まえ、病院に落ち度があったと指摘。同法人に治療費や慰謝料などを支払
う責任があると判断した。
(読売新聞)

◆雪が積もったマンション駐車場で転倒しけが、地裁が管理組合の安全配慮義
務違反認める /宮城 (1/25)

雪が積もったマンション駐車場で転んで骨折したのは管理に問題があるとして、
住民女性(52)がマンション管理組合に257万円の損害賠償を求めた訴訟
の判決が25日、仙台地裁であった。佐藤久貴裁判官は組合の安全配慮義務違
反を認め、52万円の支払いを命じた。

判決によると、女性は2018年1月30日朝、雪かきをしようと仙台市泉区
のマンション駐車場に止めた自分の車に向かう際、足を滑らせて転倒。左大腿
骨頸部 骨折の重傷を負った。地面には約10センチの積雪の下に高さ約5セ
ンチの氷が張っていた。

佐藤裁判官は、車の出入に支障がある積雪ではなかったとして、「組合が除
雪・除氷義務を負っていたとは言えない」と指摘。一方、日常の除雪作業を利
用者に委ねていることから、融雪剤の置き場所を示して使用を促すなど、転倒
防止の安全配慮義務があると認定した。

また、女性が地面が凍っているのを確認しつつも滑りにくい靴を履かず、適切
な歩き方をしなかったとして女性側の過失も認め、認定額の75%を過失相殺
した。

◆解説

労働災害ではありませんが、転倒災害による賠償命令が2件ありましたので
取り上げます。

いずれも施設の所有者の安全配慮義務違反が認められました。水たまりや
積雪・凍結に対して除去や表示が必要となるのです。

事業所においても構内で転倒災害が発生すれば安全配慮責任が問われます。
また、ISO 45001においても適用範囲内であれば来訪者や請負者の災害防止も
対象に含まれます。

なお、労働安全衛生規則では、第五百四十二条第二項が適用されます。

【労働安全衛生規則】
(屋内に設ける通路)
第五百四十二条 事業者は、屋内に設ける通路については、次に定めるところ
によらなければならない。
一 用途に応じた幅を有すること。
二 通路面は、つまずき、すべり、踏抜等の危険のない状態に保持すること。
三 通路面から高さ一・八メートル以内に障害物を置かないこと。

2020年には全国で30,929件(休業4日以上)の転倒による労働災害が発生して
います。

通路を適切に維持して転倒災害を防止しましょう。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/_rDDq0Dpgno

★「安全文化」(企業文化)におけるベストプラクティス企業について「ESH
エキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

——————————————————————-

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

ごみ拾いは他人が捨てた運を拾うこと

■新着情報

・令和3年度土壌汚染対策セミナー(録画配信)

・プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令等の公布

・労働安全衛生法に基づく安全データシート(SDS)の義務化について

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

・再考! ハインリッヒの法則
https://youtu.be/nlePiEw3loY

・【おすすめチャンネル】ゆっくり労災事例
https://youtu.be/rLC7iZ2WF8s

・【リスクアセスメント】危険源の見つけ方
https://youtu.be/SpkRSXtZ90g

・【続報:女子学生着衣着火死亡事故】スイスチーズモデルに学ぶ事故の
真相
https://youtu.be/h0y6lnp-XlQ

・【転倒災害で賠償命令2件】通路に水溜りがあったら?
https://youtu.be/_rDDq0Dpgno

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 21件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

——————————————————————–

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
https://www.esh.co.jp/expert.html

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

——————————————————————–

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、ISO45001に関する有料の資料集サイト「ESHデー
タバンク」のサービス、好評提供中です。

https://www.esh.co.jp/eshdatabank.html

——————————————————————–

【発行元】
環境ワークス株式会社
https://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
掲載された記事の内容を許可なく転載する
ことを禁じます。問い合わせ下さい。
Copyright 2009 環境ワークス株式会社
——————————————————————–

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、有料メールマガジンの抜粋版としてお届けします。

ページトップへ