貴社のCSR、事業に貢献してる? 投資家は「ESG」に注目、生き残る企業の処方箋は
■■ ESHの解決策
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2018.1.10 No.438
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も旧に倍してのご愛読をよろしくお願いいたします。
本年3月頃には、OHSMSの国際規格 ISO45001が発行されます。本年、労働安全
衛生に携わり35年目を迎える私にとっては感慨深いものです。
社員への押し付けではなく、トップがリーダーシップを発揮して安全文化を高
めることにより労働災害を低減する、OHSMSのあるべき姿をお伝えする一年と
して参りたいと決意しております。
本年も読者の皆様のお役に立てる情報の提供に努めて参りますので、引き続き
ご愛読のほどよろしくお願いいたします。
2018年1月10日
編集長
環境ワークス株式会社
代表取締役 黒崎 由行
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■環境不祥事の教訓
◆貴社のCSR、事業に貢献してる? 投資家は「ESG」に注目、生き残る企業の
処方箋は(1/8)
企業の社会的責任(CSR)という言葉から何を連想するでしょうか。被災地の
支援、植樹といった本業以外の「社会貢献活動」や環境対策を「CSR事業」と
して推進する動きが定着する一方、CSRをもっと広い意味にとらえ、経営全般
を見直そうとする企業が現れています。
ESG投資の拡大が変化の背景にあります。ESGとは英語の環境(エンバイロンメ
ント)、社会(ソーシャル)、統治(ガバナンス)の頭文字を組み合わせた略
語です。財務諸表には表れないが、企業が成長を続けるために重視すべきだと
される要素を指し、世界の投資家が注目し始めています。投資家は企業に利益
との両立を求める傾向が強く、企業が費用を負担するだけの社会貢献活動には
あまり関心がありません。そこで、投資家の視点に立ってCSR事業を見直す動
きが出てきたのです。
伊藤忠商事は4月、NECは10月、CSRを組織名からはずし、「サステナビリティ
推進室」を発足させました。従来の社会貢献活動や環境対策も継続しますが、
「ESGをより強く意識した活動を全社で推進する」(栗原章・伊藤忠商事サス
テナビリティ推進室長)のが狙いです。
CSRの領域を広げようとする企業のよりどころは、国連が2015年9月に採択した
「持続可能な開発目標」(SDGs)です。貧困、健康、環境、教育をはじめとし
て30年までに達成する17の目標と169の「ターゲット」からなり、自社の活動
を国連の目標と連動させる企業が増えています。システム開発の伊藤忠テクノ
ソリューションズは16年3月、品質向上、人材開発・育成、地域経済への貢献
といった9項目を課題として示し、16年度の達成度を項目別に計測しました。
CSRに詳しい徳田賢二・専修大学教授は「CSR部門と事業部門との連携が進んで
いない企業はなお多い。持続可能な社会の実現という視点をどのように事業に
組み込み、イノベーションにつなげるか。経営トップがビジョンを示し、実行
する姿勢が欠かせない」と指摘しています。CSRとは何か。再考する必要があ
りそうです。
世界の投資家が、環境、社会、統治の英語の頭文字を組み合わせたESGに注目
し始めています。ESGの観点を重視しない企業は持続的な成長を期待できない
と判断し、投資の対象からはずす動きもあります。企業はESGを重視しつつ、
利益を確保できるのでしょうか。 <以下略>(編集委員 前田裕之)
(NIKKEI STYLE)
◆解説
元旦の新聞にもSDGsが掲載されるほど、社会的関心が高まっています。
関連して次のような用語があります。
CSR:企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)
CSV:共通価値の創造(Creating Shared Value)
SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
ESG:環境・社会・統治(Environment、Social、Governance)
GRC:ガバナンス・リスク・コンプライアンス(Governance・Risk・Complianc
e)
横文字ばかりが増えて、企業も担当者も大変な時代ですね。
ご存知のとおり、ISO14001:2015の序文にも次のとおりの記述があります。
持続可能な開発は、持続可能性の”三本柱”(「環境」,「社会」,「経済」)
のバランスをとることによって達成される。
環境やCSRのご担当の方々も、自社の環境経営をどのように位置付けるか、新
年に熟考されたのではないかと思います。
まずは、社員の皆様にSDGsなどの意味を理解していただくことがスタートです。
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スパート」でご紹介しています!
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■労働災害の真相
◆三菱マテ爆発、元工場長ら不起訴 津地検「証拠足りず」 (12/26)
三菱マテリアル四日市工場(三重県四日市市三田町)で2014年1月9日、
熱交換器が爆発して5人が死亡、13人が重軽傷を負った事故で、津地検は2
6日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検された当時の工場長(60)と副工
場長(58)を嫌疑不十分で不起訴とした。
事故は、工場内の炉から出る高温ガスを冷却する筒状の熱交換器(直径約90
センチ、長さ約6メートル)の洗浄作業をする際、ふたを外した直後に発生。
元工場長らは、熱交換器内の化合物に爆発性があることを認識し、水を入れて
化合物を安定化させてからふたを外すよう部下に指示するなどの注意義務があ
ったのに怠ったとして、今月5日に県警が書類送検していた。
一方、会社が設置した事故調査委員会は爆発の原因となった化合物について
「公知の化学的情報がなく十分、検討することができなかった」として、事故
の予見は困難だったと結論付けた。県警が鑑定を依頼した専門家も同様の見方
を示しており、県警は送検時、起訴を求める意見は付けなかった。こうしたこ
とから地検は、元工場長らの事故の予見可能性を立証するのは困難と判断した
とみられる。
津地検の小島達朗次席検事は不起訴理由について「過失を認めるに足りる証拠
がなかった」と説明した。
(中日新聞)
◆解説
労働災害の刑事責任には二つあります。
・労働安全衛生法違反:労働基準監督署が捜査
・業務上過失致死傷罪:警察が捜査
この記事は、後者に関するものです。
業務上過失致死傷罪の認定には二つの要件があります。
・予見可能性
・結果回避可能性
予見ができ、結果も回避できたのにしなかった過失があった場合に業務上過失
致死傷罪が適用されますが、本件では予見は困難だったと判断されました。
本件の事故調査委員会による事故報告書は、次のサイトで見ることができます。
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2014/14-0612.html
また、その後の同社の取組みは、同社のホームページの特集「安全で働きやす
い職場環境」で確認することができます。
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/csr/social/office.html
災害調査や災害防止の教材としても確認する価値があると思います。
★災害防止の基本として重要な慣習である”Line of Fire”について「ESHエ
キスパート」で解説しています!
【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html
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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める
◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■復活!今日の言霊
・新年の抱負を持つとき、何かを切り捨てようと決心をするなら、
それは真っ先に「不可能」という言葉にしよう
・あなたは一年後、今日始めなかったことを後悔しているかもしれない
■新着情報
・フロン排出抑制法に関する説明会の開催
・電気事業者ごとの排出係数等の公表
・第1回「ジャパンSDGsアワード」
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 2件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 20件
【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html
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【発行元】
環境ワークス株式会社
発行責任者 黒崎
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