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NO.444

20歳の労働者がフォークリフトで窒息死 計画なく作業させ送検

■■ ESHの解決策
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                          2018.4.4 No.444

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

おかげさまで本メールマガジンは今号で444号となりました。偶然にも4月4日
444号という4並びで本日の発行を迎えることができました。ご愛読いただいて
いる皆様のお役に立てる情報をお届けしてまいりますので、今後ともよろしく
お願い申し上げます。

さて、例年ご紹介している財団法人社会経済生産性本部から今年の「新入社員
タイプ」が発表されました。今年の新入社員は「SNSを駆使するチームパシ
ュートタイプ」です。

「今春の新入社員は、ここ数年続く売り手市場傾向を追い風にスピーディーに
就職活動を終えることができたが、学生にとって就活は学生時代の一大事業で
あることに変わりはない。そんな中、少数の仲間同士でSNSを活用、綿密な
情報交換で協力関係を構築し、内定というゴールをめざした」ということです。

一方でエン・ジャパンは適性テストによる今年の新入社員の特徴と育成ポイン
トを発表しましたが、その特徴は「リアクションが薄く、読み取りづらい」と
いうもので、育成ポイントは「具体的な目標設定の提示」だそうです。

新入社員の皆さんの輝かしい前途を祈って応援したいと思います。(門)

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★ご案内

3月12日にISO45001が発行され、4月2日には対訳版が発行されました。
(JISは6月の予定)

弊社のESHデータバンクでは、ISO45001に関連するマニュアルや帳票類など役
立つ資料をご提供して参ります。
どうぞご利用をご検討ください。

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■環境不祥事の教訓

◆消防署臨港出張所で油漏れ 配管に穴、施設外にも 千葉市 (3/28)

千葉市消防局は27日、同市中央消防署臨港出張所(同市中央区中央港1)の
自家用給油取扱所からガソリンが漏れ、施設内外の土壌計約500平方メート
ルに流出していたと発表した。地下タンクと地上の給油設備をつなぐ配管の穴
が原因とみられる。26日までに3605リットル(約47万円相当)を回収
したが、総流出量は不明。損失総額も分からないという。海への流出はなかっ
た。

同局によると、2015年3月、委託業者が同出張所内で老朽化に伴う給油設
備の交換を行ったところ、配管に直径約3ミリの穴が二つ開いていることが判
明。配管を交換したが、油漏れの有無については詳しく調査しなかった。

昨年9月、同出張所職員による定期検査で初めて油分を確認。同年12月に敷
地外の県有地を含めた周辺の土壌16カ所でボーリング調査を実施したところ、
12カ所からガソリンが検出され、流出が判明した。

配管は1980年の同取扱所設立当初から設置されており、穴は2014年6
月~15年3月ごろまでの間、腐食により開いたとみられる。同局は今後もガ
ソリンの回収を続ける方針で、「このような事態が起きてしまい、深くおわび
申し上げる。引き続き原状回復、再発防止に努めたい」としている。
(千葉日報)

◆解説

地下タンクの管理を取り締まる立場の消防署が漏洩・土壌汚染を起こすとは、
洒落になりませんね。

ガソリンというと、土壌汚染対策法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法の有害
物質であるベンゼンの含有が気になるところです。

当然ながら国もガソリン中のベンゼンには配慮して、平成12年1月1日より、
ガソリン中に含まれるベンゼンの許容限度を従前の「5体積%(vol%)以下」
から「1体積%以下」に改正しています。なお、この改正は「揮発油等の品質
の確保等に関する法律」にも反映されています。

とはいえ、現在でもSDSを見ると0.6vol%程度のベンゼンが含有していますので、
リスクがゼロではありません。

本件で悪質なのは、2015年3月の工事で配管に直径約3ミリの穴が二つ開
いていることが判明し、配管を交換したのに油漏れの有無を調査しなかったこ
とです。

3ミリの穴ならピンホールのレベルではなく、漏洩があったことは疑う余地が
ないところです。規制当局でありながら、あまりにもずさんな対応と言わざる
を得ません。

ISO14001の認証取得事業所であれば、次の是正処置のプロセスが働いていたこ
とでしょう。

(1) 不適合を管理し、修正するための処置をとる

配管を改修する(これは実施された)

(2) 有害な環境影響を緩和を含め、不適合によって起こった結果に対処する

漏洩の状況を調査し、原状回復する

(3) その不適合が再発又は他のところで発生しないよう、その不適合の原因を
除去するための処置をとる必要性を評価する

・根本原因を調査し、再発しないよう、配管点検基準を策定し実施する
・他の配管についても調査する

是正処置プロセスを有効に活用することが期待されます。

★地下タンクの点検頻度と、二重化されていない地下タンク・地下配管のISO1
4001上の対応について「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

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■労働災害の真相

◆20歳の労働者がフォークリフトで窒息死 計画なく作業させ送検  (3/29)

さいたま労働基準監督署はフォークリフトの作業計画を事前に作成しなかった
として、運送会社(東京都北区)と同社の安全管理責任者を労働安全衛生法第
20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。
作業計画なしにフォークリフトで作業を行わせた結果、20歳の男性労働者が死
亡する労働災害が発生している。

平成28年7月5日、さいたま市内にある同社の物流倉庫で、フォークリフトを
使い単独の荷役作業を行っていた労働者が、運転席内で意識不明の状態で発見
された。労働者は病院に運ばれたが死亡した。死因は窒息死だった。

単独で作業を行っていたため、事故の瞬間を目撃した者はいなかった。現場の
状況から、フォークリフトを後退させた際、背後にあった棚に衝突、フォーク
リフトと棚に胸部を挟まれたものとみられる。労働者が乗っていたフォークリ
フトは、立ったまま運転するリーチフォークリフトで、運転席の背後を覆うカ
バーはなかった。フォークリフトのキャビンよりも棚が高かったため、労働者
の身体に棚が直接当たることになった。

労働安全衛生法は労働者にフォークリフトで作業をさせる場合、あらかじめ作
業計画を作成しなければならないと定めている。作業計画には運行経路や作業
方法などが示されていなければならないが、同社の作業計画は運行経路の記載
がないなど、法定の要件を満たしていなかった。【平成30年3月15日送検】
(労働新聞社)

◆解説

本メールマガジンでも何度もお伝えしていますが、またしても作業計画を作成
せずフォークリフトの災害により送検される事案が発生しました。

毎年のように発生する送検事案ですが、監査や審査では未だに作業計画の未作
成が散見されます。

【労働安全衛生規則】
(作業計画)
第百五十一条の三 事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業(不整地運
搬車又は貨物自動車を用いて行う道路上の走行の作業を除く。以下第百五十一
条の七までにおいて同じ。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所
の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類及び能力、荷の種類及び形
状等に適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなけれ
ばならない。
2 前項の作業計画は、当該車両系荷役運搬機械等の運行経路及び当該車両系
荷役運搬機械等による作業の方法が示されているものでなければならない。
3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される
事項について関係労働者に周知させなければならない。

また、第3項のとおり、作業計画は作成したのみでは不十分で、関係労働者に
周知することも求められています。

関係労働者とは、フォークリフトの運転者に限らず、運行経路を通行する歩行
者も含まれます。作業計画を作成/改訂したら必ず周知してください。

なお、基発第78号(昭和53年2月10日)では、次のとおり記されています;

「関係労働者に周知」は、口頭による周知で差し支えないが、内容が複雑な場
合等で口頭による周知が困難なときは、文書の配布、掲示等によること。

フォークリフトなどの車両系荷役運搬機械に対する作業計画と作業指揮者を見
直されることをお薦めします。

★本災害事例に対するISO45001の観点からの考察を「ESHエキスパート」でご
紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

 安全が全て、この一点です

■新着情報

 ★ISO45001対訳版の発行

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

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 全国の事故・事件情報 5件

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 全国の労働災害・書類送検情報 12件

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