ミンチ機で手重傷 可児の会社、書類送検/岐阜
■■ ESHの解決策
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2017.8.23 No.429
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
全国各地で記録的豪雨などによる被害が相次いでいます。今後も天気の急変に
は十分にご注意ください。
さて、夏休みも終わりましたが、どんなお休みを過ごされたでしょうか?毎年
帰省してお墓参りをされているという方も多いと思います。私も中学生までは
祖父母の家に親戚が集まってお墓参りをする習慣があったのですが、今ではほ
とんど行くこともなくなってしまいました。
お盆はこの期間に生前過ごした家に帰ってくるとされる先祖の霊を迎え、供養
する仏教の行事で、現在では、1カ月遅れの8月13日から16日に行われるのが主
流となっています。多くの企業ではこの時期を夏休みとすることが多いようで
す。そしてお盆には供養のための様々な習わしがあるようですが、私も含めて
詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか?
そんな中、山梨県笛吹市で行われた「甲斐いちのみや大文字焼き」で、火では
なくLED照明で「大」の文字を点灯させたことがネットで話題になっています。
安全面やコストを配慮してとのことですが、賛否含め様々な意見が上がってい
るようです。
個人的には、大文字焼きのそもそもの意味や日本古来の風情などが薄れていく
気がして寂しいのですが、時代の流れなんでしょうか。(門)
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◆お知らせ
東京開催でもご好評をいただきました弊社の黒崎も講師を務める次のセミナー
が、名古屋及び大阪で開催されます。
大阪会場はまだ少し空きがあるようです。ISO45001の情報につきましてもお伝
えしますので、是非ともご参加ください。
☆「機械安全及びロックアウト/タグアウトセミナー」(無料)
大阪会場:
2017年10月20日(金)13:30~16:30 新大阪丸ビル新館909号室
☆お申し込み、詳細については以下URLをご確認下さい
https://mlloto.com/information/index.php
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■環境不祥事の教訓
◆排水流入か、川のコイ大量死 pH急上昇/神奈川 (8/11)
10日午前11時半頃、神奈川県鎌倉市大船と横浜市栄区の市境にある砂押川
で、「コイが大量に死んでいる」と通行人から大船署などに通報があった。
同署員らが川の水質を調べたところ、水素イオン指数(pH)が急上昇してお
り、コイ約90匹が死んでいた。
横浜市の発表などによると、JR大船駅エリアで5月から実施している再開発
事業の工事現場から、排水が川に流入したことが原因とみられる。工事現場で
はコンクリートの粉塵を抑えるため散水を続けていたが、川に向かって傾斜に
なっている場所から粉塵を含んだ水が、何らかの原因で川に流れていったとい
う。
発覚直後、排水漏れを防ぐ土のうを積むなどしたところ、川の水質が元に戻っ
た。コンクリートが水に溶けて水素イオン指数が上昇したとみられる。工事を
請け負っていた大船駅北第2地区市街地再開発組合事務局は、「被害の拡大防
止に努め、原因を究明したい」と述べた。
コイの突然の大量死に地元住民たちは動揺した。川の近くに住む主婦(72)
は買い物帰り、川の水が白く濁り、苦しそうにはねるコイの姿を見かけて、異
変に気付いたという。すぐに鎌倉市役所に連絡し、また川に戻ったが、すでに
大量のコイが死んでいたといい、「この川には、コイやカモといった生き物が
いて、見ていて和んでいた。本当にかわいそう」と落胆していた。
(読売新聞)
◆解説
コンクリート由来のアルカリ性の排水による水質事故です。
コンクリートからは、水酸化カルシウム「Ca(OH)2」を主体とした強いアルカ
リ性成分が溶出するためです。
同類の事故は過去にも発生しています。
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【2006年】
工場の新設工事で出た汚水を処理せずに海に流したとして、横浜海上保安部は
14日、自動車会社と、工事を請け負っていた関連会社の工事責任者(56)を
水質汚濁防止法違反容疑で横浜地検に書類送検した。
調べによると、自動車会社と工事長は、横浜市金沢区の横浜事業所で整備工場
の新設工事をしていた6月23日から7月5日までの間、ガソリン貯蔵タンク
を埋めるために掘った穴からわき出た強アルカリ性の汚水少なくとも195リ
ットルを、横浜港に排出した疑い。関連会社が施工していた。
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あらゆる場所で使用されるコンクリートですが、打設時のみならず解体時には
新しい断面からアルカリが溶出することに注意が必要です。
環境側面として認識し、適切に管理する必要があります。
★解体工事の際の施主の管理項目について「ESHエキスパート」でご紹介して
います!
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☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
採用されています。
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■労働災害の真相
◆ミンチ機で手重傷 可児の会社、書類送検/岐阜 (8/11)
岐阜県可児市の食品会社で今年4月、ひき肉を作るミンチ機の清掃をしていた
派遣社員の女性(47)=同市=が左手を巻き込まれ、重傷を負う事故があっ
た。多治見労働基準監督署によると、電源の切り忘れが原因だったが、修理で
交換されたスイッチに問題があり、接触しただけで起動しかねない法令違反の
「突出型」だったことが判明した。
同市広見の「ネオプライムヒグチ」で、女性は精肉後の清掃時にスクリュー状
の刃を本体から外そうと手を差し込んだ際、体の一部が起動スイッチを押した。
左手首から先を切断せざるを得ない大けがだった。
労基署によると、起動スイッチは本体に埋め込むなど安全確保が必要だが、同
社にある5台のうち事故の起きた1台だけ本体から飛び出した形の突出型が付
き、逆に停止スイッチが押しにくい状態になっていた。
数年前に愛知県一宮市の業者に修理を依頼した際に交換され、ヒグチ社は危険
性を認識していなかった。業者はたまたま手元にあった部品を使ったという。
法令は機械を使用する事業者のみが対象で、労基署は10日、ヒグチ社と同社
長(52)を労働安全衛生法違反容疑で書類送検した。同様の事故は全国各地
で数件起きており、労基署側は注意を呼び掛けている。
(中日新聞)
◆解説
派遣社員の女性には、あまりにもお気の毒な労働災害です。
・起動ボタン = 埋頭型
・停止ボタン = 突出型
であれば、この事故は防げた可能性が高いと考えられます。
本事案について、どの条文に抵触しての送検であったか不明であったため、多
治見労働基準監督署に確認しました。
その結果は次の第103条3項だとのことでした。
【労働安全衛生規則】
(動力しや断装置)
第百三条 事業者は、機械ごとにスイツチ、クラツチ、ベルトシフター等の
動力しや断装置を設けなければならない。
3 事業者は、第一項の動力しや断装置については、容易に操作ができるも
ので、かつ、接触、振動等のため不意に機械が起動するおそれのないものとし
なければならない。
「第3項は、動力しゃ断装置が対象であり起動装置は該当しないのでは?」と
質問したところ、「確かに悩ましいところであるが、該当すると判断した」と
のことでした。
いずれにしても、私たちは操作スイッチの誤作動に配慮することが必要です。
本件は、もちろん、機械の修理業者に問題がありますが、誤りに気づかず受け
入れてしまった精肉会社にも落ち度があります。
ほんの些細なことに気付けるか否かが労働災害を防げるか否かの分岐点になり
ます。
その感性を高めるために必要なのが数多くの労働災害を経験することですが、
今日のように労働災害の発生が減っていると経験を積むことは難しくなります。
そのためにも、本メルマガを活かしていただけることを期待します。
★「突出型」起動スイッチによる事故事例を「ESHエキスパート」でご紹介し
ています!
【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html
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