無許可で一般廃棄物処理 ダイコーに壱番屋委託
■■ ESHの解決策
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2016.4.20 No.397
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
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◆ご挨拶
熊本県、大分県を中心に大きな地震が相次いでいます。この場をお借りして被
災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震では、前例がないといわれるほど余震にしては大きな地震が頻発し、
終息の気配がないため、避難生活も長期化するのではと危惧されています。被
災地の方々はさぞかし不安な日々を送っていることと思います。
せめて、不足しているという水や食料をはじめとした物資が一刻も早くお手元
に届くよう祈らずにはいられません。
東日本大震災以来の大規模地震ですが、活断層は日本各地にあり、改めて地震
災害は人ごとではなく「明日はわが身」であるということを再認識させられま
した。
貴重な教訓を無駄にせず、大地震への備えを見直したいと思います。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆無許可で一般廃棄物処理 ダイコーに壱番屋委託(4/9)
廃棄されるはずだった冷凍カツなどが不正に横流しされた事件で、カレーチェ
ーン大手「壱番屋」が、社員食堂の残飯などの処理も、産業廃棄物処理業「ダ
イコー」に委託していたことが分かった。残飯は、ダイコーが処理の許可を持
たない一般廃棄物に該当し、廃棄物処理法に違反する可能性がある。愛知県は、
一般廃棄物を所管する一宮市などとともに実態把握を急ぐ。
事件の発覚後、初めて本紙の取材に応じたダイコーの大西一幸代表(75)が
「残飯は一般廃棄物で『受け入れられない』と壱番屋に指摘したが、やらざる
を得ない圧力があった」と語った。本紙の取材に、壱番屋は委託を認めた。
廃棄物は「産業(産廃)」と「一般」に区分され、収集運搬や処理には、産廃
は都道府県、一般は市町村の許可が必要。大西代表や元従業員によると、10
年ほど前から、本社食堂の残飯などを1キロ24円で処理していた。
本紙の取材によると、壱番屋は2014年度、産業廃棄物63トンの処理をダ
イコーに委託したと県に報告したが、この中には残飯も含まれる。壱番屋は産
廃管理票(マニフェスト)に事実と異なる記載をしていたことになる。
壱番屋の担当者は「工場で出た廃油やパン粉などの産廃と一緒に出していた。
一般廃棄物として処理すべきだという認識がなく、愛知県の指摘を受けて誤り
に気付いた」と認めた。大西代表の発言については「『受け入れられない』と
は聞いたことがないし、無理にダイコーにお願いする理由もない」と否定した。
事件は1月、廃棄されたはずのカツがスーパーに並んでいるのを壱番屋のパー
ト従業員が見つけて発覚。ダイコーは食品卸売業、みのりフーズ(岐阜県羽島
市)に横流しし、仲介業者に転売されていた。愛知、岐阜両県警の合同捜査本
部は廃棄物処理法違反などの疑いで調べている。
■ 処理できず、大量の残飯 倒産のダイコー本社
小袋にぎっしり詰まったイカや魚、肉、野菜・・・。ダイコー本社一階の冷凍
庫には、壱番屋から運んだとする残飯が今も残る。
大西代表や元従業員によると、事件の発覚前は週5日、壱番屋の本社に通った。
敷地内のコンテナから残飯などを軽トラックに積み、ダイコー本社へ運んだ。
毎回70~80キロ(2千円弱分)を引き取った。
残飯などは別工場で発酵させて肥料化し、農家や小売店に販売したという。事
件後は事実上、倒産し、事件発覚直前に運んだ残飯は処理できないまま冷凍庫
で保管されている。
ただ会社の電気は止まり、廃棄物から徐々に溶けた水分が冷凍庫の周りの床に
広がっている。ネコが歩き、ハエが飛び交う。
ほかにも飲料水や菓子類、パンなどが山のように残っている。いずれも大手メ
ーカーなどから処理を委託されたまま。県は撤去を求める改善命令を出したが、
ダイコーには既にその能力がないため、県は委託元のメーカー側に撤去を求め
ている。
(中日新聞)
◆解説
ダイコーの社長が、「残飯は一般廃棄物で『受け入れられない』と壱番屋に指
摘したが、やらざるを得ない圧力があった」と語ったという記事に対して、壱
番屋は、同日4/9、自社のホームページで次のとおり反論しています。
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当社が、ダイコーに対して本社社員食堂の生ごみの処理を委託していたのは事
実ですが、委託に当たって無理強いしたという事実は一切ございません。
その件に関し、確認した事実、背景は以下のとおりです。
1. 平成13年7月よりダイコーに工場の汚泥、バッタ液、廃油脂の廃棄を委託開
始。
2. 平成22年3月、電子マニフェストへの対応のため、他の産廃業者に委託して
いたパン粉の廃棄をダイコーへ変更、併せて、他の産廃業者に委託してい
た本社社員食堂の生ごみもダイコーへ変更。
3. 理由は、
(1)ダイコーは食品リサイクル対応(堆肥化)をしており、環境対策上より
望ましいと思われ、
(2)当社の担当者からダイコーの担当者に、工場に隣接する本社社員食堂か
ら出る生ごみも合わせてリサイクル処理が可能か聞いたところ、可能で
ある旨の返答があり、
(3)当社の担当者も、別の産廃業者からの移管であり、ダイコーもその資格
(一般廃棄物処理)を有すると思い込んでしまったこと、によるもので
す。
4. なお、本社社員食堂の日々の利用者数は約140人、生ごみの発生は1日平均
約5キログラム、工場より廃棄するパン粉、汚泥等は1 日平均約130キログ
ラム程度です。
ダイコーに本社社員食堂の生ごみを廃棄委託した経緯、理由は上記の通りです。
ダイコーに委託する時点での確認をより慎重に行っていれば防げたことであり、
その点に関し当社といたしましては反省すべきと考えております。
今後はこのようなことが発生しないよう、平成28年1月19日に公表した産業廃
棄物業者による不正転売の再発防止策に則りより注意深く行ってまいります。
********************
ちなみに、同社は、平成28年1月19日付けで「ダイコー株式会社による当社廃
棄食品の不正転売問題を受けての再発防止策について」の中で次のとおり記し
ています。
「新たな産業廃棄物処理の取引先選定に当たりましては、十分慎重に行うとと
もに、取引後の処理状況等の点検につきましてもより実効性のある手法を研究
検討してまいります。」
4/9の反論文にも、1/19再発防止策にも使われている言葉が「慎重に」ですが、
慎重にでは具体的な対応が不明ですね。
法的には、次の二つの違反をしています。
・無許可業者に委託したこと
・産業廃棄物のマニフェスト伝票に虚偽の記載をしたこと
「慎重に」ではなく、具体的にシステムやガバナンスの強化策を示して欲しい
と願います。
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■労働災害の真相
◆金属加工工場で爆発2人やけど/岩手 (4/11)
11日午後2時半すぎ、陸前高田市高田町の金属加工会社T社の工場で爆発が
起きた。
この爆発で、火が燃え広がることはなかったが、従業員の男性(50)が気道
熱傷などの重傷、ほかに38歳の男性が左頬をやけどする軽傷を負った。
警察の調べによると、金属部品を研磨する部屋でノートパソコンの部品を電動
工具で磨いていたところ、集じん機の排気口を通って火が噴き出し、部品や男
性の衣類を焼いた。
警察は、パソコンの部品を磨く際に出たマグネシウムの粉じんに引火したとみ
て、爆発の詳しい原因を調べている。
工場の近くの飲食店の男性は、「『バン』という大きな音が聞こえ爆発を知り
ました。近所なのでとても怖いです」と話していた。
会社によると、T社は従業員が15人で、パソコンの本体部分の研磨など、
金属加工を手がけているという。
(NHKオンライン)
◆解説
マグネシウム粉は、アルミニウムと共に「爆発性粉じん」に該当し、粉じん爆
発リスクの高い物質で、毎年のように粉じん爆発事故が報じられています。
しかし、粉じん爆発は、「爆発性粉じん」に限ったものではなく、「可燃性粉
じん」もその対象となります。
粉じんは、空気と適切に混じり合い爆発性粉じん雲を形成することにより、着
火源を得て粉じん爆発を起こします。
爆発性粉じん雲の形成は、食品、飼料、薬品、プラスチック、化成品等々の可
燃物が、直径500μm以下の粒度となることが条件です。
また粉じん雲濃度については、15g/m3以下の濃度で爆発することはないと言わ
れています。15g/m3の濃度とは、1m先のものが確認できない程濃い濃度です
ので、そう簡単には達しないのですが、集塵機内は濃度が高くなるため、粉じ
ん爆発が数多く発生しているのです。
着火源として留意すべきは、電気機器類ですが、それを防爆構造とする必要性
を評価する必要があります。
それが、爆発危険エリア分類です。
粉じんに関する爆発危険エリアの判定には、次の規格があります。
IEC 60079-10-2:Explosive atmospheres -Part 10-2: Classification of ar
eas – Explosive dust
粉じんを取り扱う組織においては爆発危険性エリア分類を実施することを期待
します。
★IEC 60079-10-2で分類される危険エリアについて「ESHエキスパート」で解
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■今日の言霊
人生は何度だってリセットできんだよ。
俺を見ろ! 笑え! 笑って泣け!
■新着情報
・特定自主検査に関する行政処分
・京都議定書第一約束期間の削減目標達成の正式な決定
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 5件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 21件
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