いすゞの整備工場で整備士死亡 ジャッキ外れバスの下敷きに
■■ ESHの解決策
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2023.8.2 No.572
企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
連日、うだるような暑さが続いています。災害級の猛暑と注意が促されていま
すが、本当に身の危険を感じる暑さですね。屋外での作業を余儀なくされる方
もいらっしゃると思いますが、くれぐれも熱中症にはお気を付けください。
先日、4年ぶりの隅田川花火大会が開催され、過去最多となる100万人超の観客
で賑わったそうです。いかに多くの方がこの日を待ち望んでいたのかが分かり
ます。まだまだ新型コロナも完全に収まったわけではありませんが、少しずつ
元に戻りつつあることを実感できて嬉しいですね。
今年は私も地元の宇都宮花火大会に出かける予定です。今からとても楽しみで
す。
夏季休業と重なるため、次号は8月23日(水)の発行となります。予めご了承
ください。(門)
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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ
「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。
詳細は次のサイトをご覧ください。
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■環境不祥事の教訓
◆千葉の日本製鉄基準超えシアン問題 有識者会議が最終協議(7/27)
千葉県にある日本製鉄の製鉄所で、基準を超える毒物が検出されていたにも
かかわらず県に報告がなかった問題に関する有識者会議の最後の協議が、26日
行われた。
県は出された意見を元に評価書をまとめ、行政指導を行うことにしている。
「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」では、去年までの4年間に東京湾に面した
排水口から基準を超える毒物のシアンがたびたび検出されていたのに、県に
報告していなかったなど、相次いで問題が発覚した。
県は、日本製鉄が提出した事故原因や対策に関する報告書を評価するため、
化学物質やコンプライアンスなどに詳しい専門家による有識者会議を設置し
26日、6回目となる最後の会議が開かれた。
会議では、報告書に対する県の評価書の案が示され、専門家からはこれまでの
現地調査などを踏まえ、質問や意見が出されたということ。
座長を務めた岡山大学の川本克也名誉教授は「お粗末でずさんな管理が行われ
ていて、あっけにとられた。日本製鉄にはしっかり再発防止の措置をとってい
ただきたい」と話していた。
千葉県は出された意見を元に来月上旬に評価書をまとめ、日本製鉄に示して
行政指導を行うことにしている。
(NHK NEWS WEB)
◆解説
千葉県は、ホームページで有識者会議の設置を次のとおり掲載しています。(抜粋)
県では、日本製鉄(株)によるシアン流出事案等を受けて、同社から事案原因
や対策に関する報告書を受領し、ヒアリングや立入検査等により報告内容を
確認してきたところです。
その妥当性などを検討するに当たり、専門家等から意見を聴取する必要がある
と考え、有識者会議を設置しました。
【趣旨】
・県では、日本製鉄(株)によるシアン流出事案等を受けて、同社から事案原
因や対策に関する報告書を受領し、立入検査等により報告内容を確認していま
す。
・その妥当性などを検討するに当たり、排水処理や化学物質に詳しい有識者、
生態影響に詳しい有識者、企業コンプライアンスや組織マネジメントに詳しい
有識者から、それぞれ意見を伺います。
企業から提出された報告書に対して、自治体が有識者会議を設置してその妥当
性を検証することは極めて異例ではないでしょうか。
委員は、排水処理・化学物質の専門家3名(大学教授など)、生態影響の専門
家1名、企業コンプライアンス・組織マネジメントの専門家2名(弁護士)で
構成されています。
第1回の会議が令和5年1月26日に開催され、7月26日まで6回の会議が開催され
たということです。
別の記事では、次のような座長のコメントが掲載されていました。
座長の川本克也岡山大名誉教授(環境工学)は終了後「日本を代表する大企業
の日鉄が当たり前のことをせずに起きた失敗で、あまりにずさんだった」と
指摘。脱炭素に向けて世の中が進む中、「ちょっとしたことがきっかけで公害
が多発していた時代のようなことが起きると思い出させる事案だった」と語っ
た。
現在、ビッグモーターに国交省が立入検査をしていますが、企業が信用を失墜
すると市場のみならず行政からも厳しい対応が行われる事例とも言えます。
★第三者委員会を設置する際のポイントについて「ESHエキスパート」で解説
しています!
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採用されています。
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■労働災害の真相
◆いすゞの整備工場で整備士死亡 ジャッキ外れバスの下敷きに (7/24)
24日午前、和歌山市にある「いすゞ自動車」の整備工場で、点検作業を行って
いた20代の男性整備士が大型バスの下敷きになり、死亡した。
警察は安全管理に問題がなかったか当時の詳しい状況を調べている。
24日午前10時半ごろ和歌山市小豆島の「いすゞ自動車」の整備工場で従業員か
ら「整備士がバスの下敷きになって挟まれている」と消防に通報があった。
この事故で、整備士(26)が同僚によってまもなく救助され、市内の病院に
搬送されたが、胸を圧迫するなどしておよそ1時間後に死亡が確認された。
警察によると被災者は、重さおよそ16トンの大型バスの下に潜って部品の交換
作業を行っていたということであるが、作業中にバスを持ち上げていたジャッ
キが外れて下敷きになったという。
警察は、労災事故とみて安全管理に問題がなかったか当時の詳しい状況を調べ
ている。
(NHK NEWS WEB)
◆解説
公私を問わず自動車を未舗装(砂利など)や平坦ではない場所などでジャッキ
アップし、ジャッキが外れて車体の下敷きになる死亡事故は少なくありません。
しかし、大手自動車会社の整備工場で起きるのは稀なケースといえます。
記事では「ジャッキが外れて下敷き」ということです。別の記事では「当時、
バスのタイヤ周りの点検作業が行われていて、男性作業員は、台車の上に仰向
けになって車体の下にもぐり込んで作業をしていたとみられています」とのこ
とです。
バスの整備工場であれば、大型のジャッキで落下対策も万全の筈なのですが、
詳細は不明です。
同社の関連では、令和5年2月10日、秋田いすゞ自動車で「タイヤと車体の間に
挟まれて」車両整備中の社員1名が亡くなるという重篤な災害が発生していま
した。
この事故の教訓は、何度もお伝えしている次の2点です。
・労働災害の重大性は、危険源の持つエネルギーに依存すること
・エネルギーが向かう方向に人が居てはいけない Line of Fire の大原則
この点からすれば、重量16トンの位置エネルギーを緩和するセーフティピンや
ブロックが必須となります。
整備工場ではないから関係ない、安全に熱心ではない会社で起きたことで弊社
では関係ない(平均以上効果)で済ますことなく、自社に同類の重力を持つ
危険源がないか、見直すことを期待します。
この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。
★”Line of Fire”のリスクを低減するための対策のポイントを「ESHエキス
パート」で解説しています!
【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■復活!今日の言霊
今日という日にやり残した事がないかと振り返る
■新着情報
・PFOS、PFOA に関するQ&A集の発行
・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画
整備士がバスの下敷きになり死亡、LINE of FIREを忘れるな
https://youtu.be/nBgifZqlbPs
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 1件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 22件
【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html
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