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NO.542

つらら除去作業で作業員死亡 社長を書類送検/長野

■■ ESHの解決策
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2022.5.11 No.542

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?3年ぶりに行動制限のない
大型連休ということもあり、レジャーや旅行などを楽しまれた方も多いのでは
ないでしょうか。

私は、県外から兄家族が帰省してきたため、地元にある「若竹の杜 若山農
場」という竹林に行ってきました。東京ドーム約5個分という広大な竹林は、
その希少な空間から多くの映画やCMで使用されているそうです。

筍狩りや竹工作、ハンモックや野宿など様々な体験も用意されていてお子様も
楽しそうでした。次回はライトアップされた幻想的な風景を見に行きたいと
思っています。(門)

☆発行日のお知らせ
GWの関係で5月と6月の発行日が変更となります。予めご了承ください。

・5月25日(水)
・6月8日(水)・22日(水)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆残土に基準2倍のヒ素 富山・西本郷企業団地で検出 地下水汚染見られず
/富山(5/7)

富山市は6日、西本郷企業団地の市有地で、搬出を予定していた建設残土から
国の環境基準の2倍となるヒ素が検出されたと発表した。市によると、周辺の
地下水からは検出されず、住民の健康被害は確認されていない。汚染土処理や
水質検査にかかる所要額約2億円を6月補正予算案に計上し、夏に処理作業を
行う。処理量は最大約5千立方メートルの見込み。

団地は2005年に分譲を開始し、医薬品製造や食品卸など14社が入居する。
建設残土が置かれた土地を活用するため、企業側が成分分析したところ、
水1リットル当たり0.007~0.02ミリグラムが検出された。国の環境基準値は
0.01ミリグラムで、検査した5カ所のうち3カ所で上回った。

4月18日に企業側から報告があり、市は同24日に地元住民説明会を開催。26日
には検出地点から半径250メートル以内の4カ所を含む計12カ所で地下水を検査
し、ヒ素は検出されなかった。27日には入居企業にも状況を説明した。

市は、団地内にヒ素を扱う企業がないことから、自然由来の可能性が高いと
みている。市は住民の意向を受け、児童生徒の登下校への影響を避け、夏休み
期間の7月中旬~8月に汚染土を専門施設で処理する。

◆解説

この残土は、「カドミウム汚染田の復元事業で、表層の土を除去した後その下
の土を県が建設用として採取したもので、富山市は2005年の企業団地造成時に
使い、余ったおよそ5000立方メートルの土が野積みされていた」(北日本放
送)とのことです。

カドミウムを処理したらその下にヒ素が存在したということですが、県は土壌
汚染を調査しなかったのか不思議ですね。

「入居企業がこの土地を購入するにあたって先月、汚染物質の有無を調べたと
ころ、5か所中、3か所でヒ素の濃度が環境基準を上回ったことが分かった」と
のことですが、国や自治体県から購入するにしても土壌汚染調査をする必要が
あるということが教訓です。

十分な調査をしなかった県と調査した企業の対比が興味深いところです。

「残土」というと、昨年、熱海で発生した盛土の土砂崩れが想起されます。

「残土」とは、正式名称は「建設発生土」であり、建設現場から発生する土
全般を総称した呼び方です。

「残土」と「産業廃棄物」の境界は極めてグレーです。建設現場で発生する際、
ほとんどの場合に産業廃棄物を含んだ状態となります。そのため、純粋な土や
石、砂などへ分別する必要がありますが、これが十分ではない場合が多いので
す。

建設事業において、残土は避けることはできません。一方で道路建設などに
おいて盛土は不可欠ですが、近年の土砂不足は大きな社会問題であり、残土は
有効な資源でもあります。

企業としては、建設工事(土地の形質変更、残土の搬出)や土地の売買におい
て残土の問題を認識し、土壌汚染を回避することが重要です。

★事業所内での建設工事に伴う建設土の受け入れ及び排出時の管理について
「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆つらら除去作業で作業員死亡 社長を書類送検/長野 (4/7)

ことし1月、立科町のスキー場のホテル施設で、66歳の男性作業員が建物の
軒下に伸びたつららを撤去する作業をしていたところ、割れた氷の下敷きに
なって死亡した。

事故を受けて労働基準監督署が調べたところ、スキー場の運営会社の38歳の
社長が安全管理の担当者に必要な安全対策を指示していなかったことがわかった。

このため、労働基準監督署は社長と会社を労働安全衛生法違反の疑いで書類送
検した。

運営会社の社長は、「危険な業務に対して適切な安全管理が行き届いていませ
んでした。従業員を守りきれなかった責任を痛感しています」とコメントして
いる。
(NHK長野放送)

◆解説

この記事では明記されていませんが、本事案の送検理由は、安全管理者が適切
な巡視をしていなかった、ということです。

適用法令は次のとおりです。

【労働安全衛生規則】
(安全管理者の巡視及び権限の付与)
第六条 安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険のおそれ
があるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければな
らない。
(以下略)

多くの方々は、本事案を他人事だと考えるかもしれません。

しかし、筆者が実施する労働安全衛生法のコンプライアンス監査においては、
多くの企業で安全管理者の選任と巡視が適切に実施されておりません。

コンプライアンス監査における安全巡視に対する多くの企業の回答は、「安全
衛生委員会の際に巡視しています」というようなものです。

誤解が多いのは、衛生管理者は「少なくとも毎週一回作業場等を巡視し」と
あるのに対して、安全管理者の巡視の頻度が示されていないので、月一度程度
で良いと考えてしまうことです。

頻度が示されていないことは、「随時」巡視が必要だと解釈する必要がありま
す。

安全管理者は、総括安全衛生管理者に代わり、「安全に係る技術的事項を管理
させなければならない」とされており、随時巡視する必要があるのです。

多くの事業所では、安全管理者として適切な方を選任していません。たとえば
A製造部とB製造部の2つの製造部がある際に、A製造部長ひとりを安全管理者と
して選任していたとします。

この場合、A製造部長がB製造部に対して巡視や指導をする時間や権限があるの
かが問題です。場合によっては、A製造部長とB製造部長の両者を安全管理者と
して選任した方が良いと考えられます。

重篤な労働災害が発生した場合に安全管理者の立場にある方が書類送検される
ケースも少なくありません。安全管理者が適切に選任されているか見直される
ことをお薦めします。

なお、ISO 45001における順守評価・内部監査やISO審査・コンプライアンス
監査においては、安全管理者の選任や巡視の適切性を確認することが重要です。

本件に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお伝え
しています。どうぞご覧ください。

★安衛法に定められている安全管理者の業務とその有効性検証のポイントを
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

根性・身体能力・魂

■新着情報

YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

・氷柱の下敷きになる労働災害に対し、労働安全衛生法違反で書類送検
https://youtu.be/CuBObi_a3WE

・GW特別企画:安全衛生スタッフに贈る休日・休息の名言(言霊)
https://youtu.be/OIwG4Zndo58

・【コンベヤ死亡災害】正常性バイアスにより悲劇はなぜ繰り返される
https://youtu.be/yxHgWURGrD4

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 22件

 

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