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高校の実習中「のみ」で太ももの大動脈切った 生徒が死亡/愛知

■■ ESHの解決策
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2022.5.25 No.543

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

早いものでもうすぐ6月となります。予報では6月に入ると各地で続々と梅雨入
りを迎えるとのことです。

梅雨という言葉に含まれる「梅」は「花よし・香りよし・果実よし」と称され
る落葉性で、日本では慶事のシンボルである「松竹梅」のひとつにも数えられ、
非常におめでたい花木とされています。

5月~6月は梅の実の収穫時期ですが、梅の実は「クエン酸」が豊富で疲れた時
に良い効果があるといわれ、梅干しや梅酒をはじめ、様々な楽しみ方がありま
すね。

私の母も毎年、梅干しを作るのですが、試行錯誤を重ねてぎりぎりまで塩分を
抑えたまろやかな味が家族に好評です。これまでは、あって当たり前の梅干し
でしたが、今年は一緒に梅干し作りに参加し、母の味を受け継ぎたいと思って
います。(門)

☆発行日のお知らせ
GWの関係で6月の発行日が変更となっております。予めご了承ください。

・6月8日(水)・22日(水)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆<名古屋>地下鉄アスベスト飛散で元請け業者の敗訴確定 不適正施工の責
任認める (5/19)

名古屋市営地下鉄・六番町駅構内で2013年12月に高濃度のアスベスト(石綿)
が飛散した事故をめぐり市が工事の元請け業者に損害賠償を求めた訴訟で名古
屋高裁(始関正光裁判長)が業者の控訴を棄却していたことが明らかになった。

市によれば、上告はされておらず、高裁判決が確定した。不適正なアスベスト
除去をめぐり事業者の責任を認めた判決が確定したのは全国で初めてとみられ
る。

この事故は同市の市営地下鉄名港線・六番町駅(同市熱田区)構内で機械室の
アスベスト除去工事中だった2013年12月12日から13日にかけて、発がん性の
高いクロシドライト(青石綿)が最大で空気1リットルあたり700本飛散し、
利用者らが曝露したというもの。

高濃度のアスベストが検出後、市は元請けのライフテック・エム(同市)に
工事を中止させた。その際、アスベスト飛散の原因者が事故対応で要した費用
を支払うことで合意した。

その後市の検証で、
・作業時にアスベストの飛散を抑える湿潤化剤(飛散防止剤)がほとんど使用
されていなかった
・現場に設置されていた「負圧除じん装置」の能力不足による「負圧不足」で
場内が十分に負圧になっておらず、外部にアスベストを流出させやすい状況
だった
・負圧除じん装置にすき間があり、高性能(HEPA)フィルターを通さずアスベ
ストが外部に垂れ流しだったことがベビーパウダーを使った飛散実験で裏付け
などが現地調査や実験で明らかになった。

危険性の高いアスベストの除去では現場をプラスチックシートで隔離し、負圧
除じん装置により場内を減圧しつつ、HEPAフィルターでアスベストを除去し、
清浄な空気だけを排出する。いわば大きな掃除機で吸い続けているようなもの
だ。新型コロナウイルスに感染した重症患者が入院する部屋と同じような構造
である。焼き肉店のロースターで煙を吸う設備もフィルター以外はよく似てい
る。

その装置が能力不足だったり、すき間があってフィルターを通さず空気が外に
出るようになっていれば、当然アスベストが外部に漏れる。しかも場内のアス
ベスト飛散を抑える湿潤剤がほとんど使われてなかったとすれば、より飛散し
やすいのは間違いない。

(中略)

2013年12月の事故から8年あまり。駅構内に高濃度のアスベストをばらまいて
約1万3000人の駅利用者や駅職員に吸わせたあげく、延々と「飛散してない」
などの主張を繰り返した業者の責任がようやく確定した。

その間に規制も若干強化されたが、いまだにアスベストを飛散させる不適正工
事が相次ぐ。作業場内外の測定は義務づけられていないうえ、結果が出るまで
数日掛かる状況も変わらない。今回の件では名古屋市が独自測定していたから
こそ、アスベスト飛散が2日間で済んだにすぎない。

そうした取り組みをしていない地域では測定もなく、測定している場合も飛散
があれば測定データが改ざんされて闇に葬られてしまうのが実態だ。なにしろ
筆者に対してもそうした内部告発が時々届くほどなのである。

測定結果が出るまで作業を停止するなり、すぐ結果を出すために欧米で採用さ
れているようにその場ですぐ顕微鏡観察をすることだけでなく、データ改ざん
を防ぐための仕組みはもちろん、欧米で導入されている除去業者の許認可制導
入など、ほかの様々な問題も含めて改めて制度を抜本改正することが必要だ。
そのうえで今回のようにずさんな工事をした業者にはきちんと責任を負わせて
いかなければ現場は良くならない。
(アジアプレス)

記事全文:https://news.yahoo.co.jp/articles/d5b5b23074a5fc04f62dcd01a5d444a3088c2800

◆解説

この事故は同市の市営地下鉄名港線・六番町駅構内で2013年12月12日から13日
にかけて、もっとも発がん性の高いクロシドライト(青石綿)が最大で空気
1リットルあたり700本飛散し、利用者らが曝露したもの(アスベスト以外も
含む総繊維数濃度だと同最大1000本)です。

名古屋市が原因究明のために実施した調査で、次の事実が明らかになっていま
した。
(1) 現場にあった3台の負圧除じん装置の排気ダクトが1本にまとめられ、換気
量が施工計画の約4割で、国が通達で定める最低ライン(1時間当たり4回以
上)の半分以下の能力しかなく、明らかな「負圧不足」だった
(2) 負圧除じん装置にすき間があり、3台すべてでアスベストが除去されず
排気に垂れ流しになる状態だった
(3) 作業時にアスベストの飛散防止に使う「湿潤化剤による湿潤化は実施され
ていないことが示唆された」
(2020.08.21アジアプレスより引用)

記事にあるとおり、名古屋市が独自測定していたからこそ、アスベスト飛散が
2日間で済んだもので、通常は工事の施工業者の管理や良心に依存しているも
のとなります。

本メルマガの読者の方々は、次の点を確実にすることが必要です。

・自社構内のアスベストを含む建材などの存在を調査し、認識すること
・存在している場合、飛散防止を確実にすること
・アスベスト除去工事に際しては、工事業者を適切に監督すること

アスベストを含有するスレートが劣化や破損している事例は少なくありません。
少量とはいえ、そこからアスベストが飛散していることが認識されていません。

重要な環境側面としてアスベストを適切に認識することが重要です。

★海外の教育資料よりアスベストの状況や除去作業の写真を「ESHエキスパー
ト」でご紹介しています!

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆心停止し一命取り留めるも…高校の実習中「のみ」で太ももの大動脈切った
生徒が死亡 緊急手術後も出血等続き/愛知 (5/16)

愛知県三河地方の県立の工科高校で5月、実習中に工具の「のみ」で太ももの
大動脈を傷つける大けがをした男子生徒が、その後死亡した。

県の教育委員会によると、男子生徒は5月6日、木材加工の実習授業中に誤って
工具の「のみ」で左足の太もも付近を切り、大動脈からの大量出血で一時、
心停止状態となった。

男子生徒は緊急手術で一命を取り留めたが、出血などが続き、5月12日に死亡
したという。

事故当時、教員の配置や作業手順の説明は通常通り行われていたが、教育委員
会は事故を受けて改めて全ての県立高校に対し、実習時の安全管理を徹底する
よう通知した。
(東海テレビ)

◆解説

電動工具ならともかく、「のみ」で死亡するとは考えられない事故です。

「実習は生徒9人と教員2人で行っていて、事前に教員が作業を実演しながら”
のみ”をしっかり固定して刃を打ち込み、刃先の方向に注意するよう指導して
いたという」との記事もあり、指導には大きな問題はなかったと考えられます。

のみのグリップエンドの金具調整中に発生したとのことですが、被災した瞬間
は誰も見ていなかったとのことで詳細の状況は不明です。

この災害のネットの書き込みに、救急科専門医による次のようなコメントが
ありました。

多量に出血すると、血液を凝固させるための成分も失われるため、どんどん
止血しにくくなります。現場では、とにかく血圧よりも強い力で圧迫し、出血
を最小限に抑えるしかありませんが、咄嗟に傷口を押さえる事が出来る人は
なかなかいないと思います。とはいえ、指一本で人を救える事もあるので、
救急車が到着するまで、吹き上がるような出血は圧迫して貰えると救急医とし
ては嬉しいです。

止血ができれば、事故直後に心肺停止状態とはならずに済み、その後の死亡も
回避できたかもしれません。

大量出血時の止血は勇気が必要ですが、「指一本で救える命がある」ことを
肝に銘じて、日頃からの訓練に基づく勇気ある応急処置が必要ですね。

本件に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお伝え
しています。どうぞご覧ください。

★大量出血時の応急処置方法を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる
うばい合えばあらそい わけ合えばやすらぎ
うばい合えばにくしみ わけ合えばよろこび
うばい合えば不満 わけ合えば感謝
うばい合えば戦争 わけ合えば平和
うばい合えば地獄 わけ合えば極楽

■新着情報

・歯科検診結果報告に関する安衛則の改正

・請負人に関する安衛則、有機則、特化則、酸欠則等の改正

・ほう素及びその化合物、ふっ素及びその化合物並びにアンモニア、アンモニ
ウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物に係る暫定排水基準

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

高校生が授業中のみで切傷し死亡、学ぶべき止血方法
https://youtu.be/QzCudqUrY-E

化学物質ばく露防止、その保護手袋は大丈夫?衝撃の実験映像
https://youtu.be/MHpFqVcWdDU

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 20件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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(2回/月:第一、第三水曜日発行)

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【発行元】
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発行責任者 黒崎

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