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はさまれ事故による書類送検2件

■■ ESHの解決策
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2021.4.7 No.516

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

暖かい陽気に誘われて、週末は母と一緒に近所の水仙畑に出掛けてきました。
観光地化もされておらず誰もいないひっそりとした山間なのですが、古墳の隣
に広大な水仙畑とそれを囲むように桜や桃の木が植えられていて見事な眺めで
した。来年は桜が満開の時期に訪れたいと思います。

さて、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が「2021年度(令和3年
度)新入社員のタイプ」を発表しました。

「仲間が恋しい ソロキャンプタイプ」

今年の新入社員は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて状況が一変す
るなか、オンラインでつながりつつも、不安で孤独な就職活動を行うことと
なった。初めてだらけのソロキャンプのように、まごつくことも多かったが、
気持ちを切り替え、工夫し、たくましくなった。自由さ・気楽さという魅力に
気づいた人もいる。しかし、一方で、仲間への恋しさも募っている。社会に出
てからは、自分の時間も楽しみつつ、いろいろな人々と知りあい仲間づくりを
してほしい。先輩社会人も、彼ら・彼女らを働く仲間として受け入れ、積極的
にフォローしてほしい。(引用)

初めてのオンラインでまごついたのは新入社員だけではないですよね。我々も
新入社員を見習ってピンチをチャンスに変える柔軟さとたくましさを忘れない
ようにしましょう!(門)

 

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◆オンラインセミナーのご案内

弊社では、今月より安全衛生アカデミー「オンラインOHSエキスパート養成
コース」を開講いたします。

昨年も多くの方々にご参加いただきご好評をいただきましたオンラインセミ
ナーを6回シリーズで体系的にお伝えし、労働安全衛生の”エキスパート”と
して力量を向上していただくアカデミーとなります。

もちろん、単発でも受講可能です。

初回は4/23(金)に開講します。

「オンラインセミナー:リスクアセスメント(RA)の改善」

多くの企業では、いざ労働災害が発生すると当該危険源がRAで取り上げられて
いないという残念な事態が明るみに出ます。それはKYをRAの延長線で実施して
いるからです。「危険だと思ったところだけ点数付け手法」では、労働災害防
止に寄与しないのです。

これまで多くの企業に対して提供し、高い満足度をいただいたRA研修をオンラ
インでお届けします。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://peraichi.com/landing_pages/view/gfrsv

ご参加をお待ちしております。

 

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■環境不祥事の教訓

◆<社説>泡消火剤説明一転 空自の危機管理に疑問 (3/28)

今年2月に航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出した問題で、同基地はこれ
までの説明を覆し、消火剤に有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種PF
OS(ピーフォス)が含まれている可能性があると沖縄県に説明した。

空自は当初、PFOSは含まれていないと説明していた。しかし、本紙と研究
者の調査で民間地に飛んだ泡からPFOSが検出された。その後、防衛省は改
めて分析調査をすると表明していた。

空自の危機管理に問題があったことは明らかだ。初期段階でなぜ「毒性はな
い」と断言できたのか。なぜ周辺住民に真っ先に説明しなかったのか。いまだ
に県に説明するだけで周辺住民への説明責任を果たしていない。少なくとも汚
染された可能性のある土壌は早急に除去すべきだ。

泡消火剤の流出について、空自は当初、事故直後に泡が飛んだ保育園などを訪
れて写真を撮影したが、泡は回収していない。にもかかわらず、PFOSの含
有を否定し「毒性や損傷性はほとんどない」と県に説明した。

しかし、本紙記者が直後に民間地に飛んだ泡を採取し、京都大の原田浩二准教
授(環境衛生学)が分析したところ、PFOSが検出された。原田氏によると、
昨年4月に米軍普天間飛行場から流出した際に泡から検出されたPFOSと同
程度の環境影響がある値だった。

空自が県に説明したところによると、タンク内の泡消火剤をPFOS含有のも
のから非含有のものに入れ替える作業後、圧力をかけた際にバルブが破裂した。
「PFOSが含まれる消火薬剤が配管に残っていた可能性も否定できない」と
している。しかし、調査が流出から2週間後だったため泡自体は採取できず、
流れ込んだ水路の水や海水などの採取にとどまっている。もはや正確な影響調
査には限界があるだろう。

有機フッ素化合物は自然環境中では、ほとんど分解されない。このため「永遠
の化学物質」とも呼ばれ、人や動物の体内に長く残留する。発がん性のほか、
出生時の体重に影響が生じる可能性が指摘される。中でも、毒性が強いなどの
リスクがあるのが泡消火剤に含まれるPFOSだ。

危機管理に関し「プロアクティブの原則」がある。疑わしいときは行動せよ、
最悪事態を想定して行動せよという内容だ。

空自は、少なくともバルブが破裂した時点で、PFOS拡散の可能性を疑い、
情報を公表すべきだった。泡が飛散した場所には保育園や住宅がある。最悪を
想定し、なぜ県民に接触や吸引の回避を呼び掛けなかったのか。米軍によるP
FOS流出が県内で深刻な環境問題になっていることも承知していたはずだ。

空自は有害性のある物質が流出・飛散した際の対応と再発防止策を県民に明ら
かにしなければならない。
(琉球新報)

◆解説

「有機フッ素化合物」は、水も、油もはじくため、多彩な用途に使われてきま
した。

フライパン、炊飯器、レインコート、キャンプ用品などの生活用品のみならず、
自動車部品や半導体の製造工程など多くの場所に使われた物質です。

いまや「どこにでもある化学物質(Everywhere Chemical)」とも呼ばれます。

PFOS(ピーフォス、ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ピーフォア、
ペルフルオロオクタン酸)は、子どもの発育への影響や発がん性の疑いなどが
指摘され、世界で規制が進んでいる化学物質です。国内では、PFOSが2010年に
製造・使用が禁止され、PFOAは15年以降、製造・使用されていません。

分解されにくく蓄積されやすいため、土壌にとどまり、地下水を汚染しつづけ
ます。飲み水などから体内に取り込めば、半減するまでに数年かかるため、
「永遠の化学物質(Forever Chemical)」とも呼ばれています。

私たちにとって身近なのはテフロンですが、テフロン(PTFE,
PolyTetraFluoroEthylene)テフロン加工(フッ素コーティング)のフライパ
ンなどについても心配が広がっています。

PFOS,PFOAとテフロンの構造は一見似ていますが、テフロンは化学的に不活性
の高分子であり、生体内に取り込まれないため毒性はないとされています。

多くの企業にとって、PFOSが問題になるのは、那覇基地のような消火剤に使用
されているケースです。特に古い消火器や消火剤の取り扱いについてはメー
カーと協議することが必要です。

★危機管理の基本である「プロアクティブの原則」について「ESHエキスパー
ト」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆はさまれ事故による書類送検2件

(1) 山崎製パン工場の男性従業員、機械修復作業中に死亡 課長ら2人を書類
送検 (3/25)

神戸西労働基準監督署は25日、労働安全衛生法違反の疑いで、山崎製パン
(本社・東京)と同社神戸工場(神戸市西区)に勤務する工務課の40代男性
課長、製品管理課の40代男性班長を神戸地検に書類送検した。

送検容疑は昨年10月、同工場内でプラスチック製容器を洗浄する機械の不具
合が起きた際、機械を停止させるなどの危険防止措置を講じなかった疑い。機
械内で修復作業に当たった30代男性従業員が、容器と機械の内壁の間に頭や
上半身を挟まれ死亡したという。
(神戸新聞)

(2) 工場で台車に挟まれ重傷 容器製造会社を書類送検 労働安全衛生法違反
の疑い (3/29)

東近江労働基準監督署(滋賀県)は29日、労働安全衛生法違反の疑いで、法
人としての容器製造会社(静岡県富士市)と同社滋賀工場製造課担当課長の男
性(44)を書類送検した。

書類送検容疑は昨年9月8日、同工場で機械の不具合が発生した際、機械の運
転を停止しないまま男性作業員(23)に危険な作業をさせた疑い。同署によ
ると、男性は機械の台車部分と金属フレームとの間に挟まれ、胸部圧迫で重傷
を負ったという。
(京都新聞)

◆解説

2件の機械の不具合対応時のはさまれ事故による書類送検事例がありましたの
で、取り上げます。

関連する条文は次のとおりです。

(掃除等の場合の運転停止等)
第百七条 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調
整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機
械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなけ
ればならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたとき
は、この限りでない。(第2項略)

条文中の「掃除、給油、検査、修理又は調整の作業」のなかの「調整」が不具
合解消に該当します。

それは次の通達で明らかです。

基発0412第13号(平成25年4月12日)

則第107条第1項の「調整」の作業には、原材料が目詰まりした場合の原材料の
除去や異物の除去等、機械の運転中に発生する不具合を解消するための一時的
な作業や機械の設定のための作業が含まれること。

この通達は、食品加工用機械の規定追加とともに第107条が改正された際に出
されたものです。従来の「掃除、給油、検査、修理」にわざわざ法令を改正し
「調整」を加えたのです。

それだけ不具合解消中の労働災害が多いということですが、残念ながら法令改
正後も機械の不具合(トラブル)に反射的に対応してはさまれ・巻き込まれる
事故が後を絶ちません。

なお、この通達には次の記述もあります。

則第107条第1項の「調整」の作業を行うときは、作業手順を定め、労働者に
適切な安全教育を行うこと。

機械の不具合(トラブル)が発生したら、(1)機械の運転を停止、(2)作業手順
を定め、(3)安全教育、そして不具合解消のアクションです。

反射的に対応してはならないことを周知しましょう。

 

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/M0hITBOmvhU

★13号通達で求められるトラブル発生時の作業手順と安全教育のベストプラク
ティスについて「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

前言撤回

■新着情報

・建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底
マニュアル

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 28件

 

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