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NO.479

カドミウム 基準の8.6倍 県衛生環境研究センターの廃水/大分

■■ ESHの解決策
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2019.9.18 No.479

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

台風15号で千葉県では甚大な被害を受け、未だ不自由な生活を強いられている
方々が大勢いらっしゃいます。心よりお見舞いを申し上げるとともに、一刻も
早い復旧をお祈りいたします。

今回の災害では、いかに私たちの生活が電気に依存しているのかが浮き彫りと
なりました。自分の身に置き換えて考えたとき、これまでの防災対策では不十
分であることを認識することができました。

既に終わってはおりますが、9月1日は防災の日、9月1日を含む1週間は防災週
間でした。「災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に止めるには、
どうすればよいかということを、みんなが各人の持場で、家庭で、職場で考え、
そのための活動をする日」が制定の主旨とされています。

ぜひ、皆様の職場やご家庭でも再度、防災について話し合ってみてください。
(門)

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★『ISO 45001 実践ハンドブック』増刷!

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■環境不祥事の教訓

◆カドミウム 基準の8.6倍 県衛生環境研究センターの廃水/大分 (9/7)

県は6日、県衛生環境研究センター(大分市高江西、小林貴広所長)の廃水か
ら基準値の約8.6倍のカドミウムを検出したと発表した。温泉の泉質分析を
担当する職員が、試薬の酢酸カドミウムを含む温泉水をそのまま流し台に捨て
たのが原因。職員は適切な処理方法を把握せず、2016年度から同様の行為
を繰り返していた。健康被害は確認されていないという。

県によると、8月22日に実施した月1回の水質検査で発覚。廃水処理室の貯
水槽から下水道法の基準(1リットル当たり0.03ミリグラム)を超える同
0.259ミリグラムのカドミウムを検出した。

調査の結果、女性非常勤職員が同20、22日、温泉水に含まれる硫化水素の
量を分析し、廃水をそのまま流していたことが判明した。

職員は16年度から分析を担当。作業マニュアルに廃水方法の記述がなく、
前任者からの引き継ぎも不十分だったため、産業廃棄物として専門業者に処分
を依頼する必要があるのを知らなかった。今回以外にも95件に携わり、
計約120グラムのカドミウムが入った水を流したという。

衛環研は同23日に下水管への排出を中止し、貯水槽内の水の処分を業者に依
頼。カドミウムは同29日の検査で基準値を下回った。

廃水は市の処理場「松岡水資源再生センター」(同市松岡)に流れる。連絡を
受けた市が9月3日、大野川に放流する前の水を検査したところ、カドミウム
は検出しなかった。年4回の検査でも確認されず、希釈された可能性があると
いう。

県庁で会見した生活環境企画課の課長は「県民の健康に関わる不適切な処理を
行政機関がしていたことは大変問題。重く認識し、二度と起きないようにした
い」と話した。

再発防止策として▽廃水方法をマニュアルに明記し、正確に引き継ぐ▽職場内
で情報共有し、上司らのチェックを徹底する―などを挙げた。
(大分合同新聞)

◆解説

産業廃棄物として処理する必要があるカドミウムを含む分析排水を流し台(シ
ンク)にそのまま流していたとのことです。

量や濃度も低く下水処理場や環境への実質的な影響はないと考えられます。
しかし、非常勤職員への教育訓練や作業マニュアルが不十分であったことは、
大いに教訓とすべきインシデントです。

特に同組織のホームページによれば、「当センターは、保健衛生と環境分野の
科学的・技術的中核機関」だとのことで、他の範となるべき組織ですので尚更
です。

記事によれば、同組織は再発防止策として次の事項を掲げています;
▽廃水方法をマニュアルに明記し、正確に引き継ぐ
▽職場内で情報共有し、上司らのチェックを徹底する

まず、「上司らのチェックを徹底する」は不適切ですね。何度もお伝えしてい
ますが、”徹底”は対策書で使うべき言葉ではありません。また、”上司ら”
も誰か不明ですが、実際は明確になっていると信じたいものです。

「流し台(シンク)」は、水質汚濁防止法上の特定施設に該当するケースもあ
り、その管理には注意が必要です。

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■労働災害の真相

◆男性死亡 撹拌中の大型ミキサーに転落 所沢の会社、同僚が発見 救出し
ようとした男性も意識不明の重体/埼玉 (9/12)

11日午前11時半ごろ、所沢市林1丁目、食品リサイクル会社ジェイ・アー
ル・エスで、アルバイトの男性(25)が大型ミキサー内に落ち、搬送先の病
院で死亡が確認された。救出しようとした同僚(42)も意識不明の重体。

所沢署によると、男性は養豚に使用する餌を作るための食品を撹拌(かくは
ん)作業中だった。男性は事務所の同僚に「工具を落とした」と報告し、同僚
は「後で取るから大丈夫」と返答していたが、その後、ミキサー内に落ちてい
た男性を発見した。ミキサーは縦3.1メートル、横2.7メートル、高さ
3メートルだった。

同署は男性が誤って転落したとみて、詳しく調べている。
(埼玉新聞)

(続報)ミキサー転落、死者2人に 埼玉の食品リサイクル会社 (9/12)

埼玉県所沢市の食品リサイクル会社でアルバイトの男性がミキサー内に転落し
て死亡した事故で、男性を救助しようとして負傷した男性従業員(42)が
12日、搬送先の病院で死亡した。死者は2人となった。

11日午前、養豚場向けの餌を作る作業をしていたアルバイトの男性(25)
が誤って大型ミキサー内に落ちて死亡し、助けようとミキサー内に入った男性
従業員も意識不明の重体となっていた。
(産経新聞)

◆解説

アルバイトの男性が工具をミキサー内に落としてしまったことが発端でお二人
が犠牲となりました。養豚の飼料ですので、工具が混入しても大きな問題には
ならないと考えられますが、そのために25歳と42歳の命が失われたことは残念
でなりません。

縦3.1m、横2.7m、高さ3mの大型ミキサーですので、近づけば生命の危
険を感じる筈なのに何故稼働中のミキサーに進入したのかは不明です。

本件と直接関連するものではありませんが、ミキサーに関連する法令としては、
次の条文があります。

【労働安全衛生規則】

(転落等の危険の防止)
第百四十二条 事業者は、粉砕機又は混合機の開口部から転落することにより
労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、蓋、囲い、高さが九十センチメー
トル以上の柵等を設けなければならない。ただし、蓋、囲い、柵等を設けるこ
とが作業の性質上困難な場合において、要求性能墜落制止用器具を使用させる
等転落の危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の開口部から可動部分に接触することにより労働者に危険
が生ずるおそれのあるときは、蓋、囲い等を設けなければならない。
3 労働者は、第一項ただし書の場合において、要求性能墜落制止用器具等の
使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

(内容物を取り出す場合の運転停止)
第百四十三条 事業者は、粉砕機又は混合機から内容物を取り出すときは、当
該機械の運転を停止しなければならない。ただし、当該機械の運転を停止して
内容物を取り出すことが作業の性質上困難な場合において、労働者に用具を使
用させたときは、この限りでない。
2 労働者は、前項ただし書の場合において、用具の使用を命じられたときは、
これを使用しなければならない。

この場合の柵は、高さ90cm以上が求められていることに注意が必要です。
アルバイトに対しても雇入れ時の教育が必要で、被災された男性に適切な教育
が提供されていたかも今後の捜査の焦点となりそうです。

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■復活!今日の言霊

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■新着情報

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■労働災害の真相

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全国の労働災害・書類送検情報 16件

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