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NO.374

キノコ工場火災:4人が死亡 配管工事の作業員か/北海道

■■ ESHの解決策
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                          2015.5.8 No.374

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

GWはどのようにお過ごしになりましたか?真夏を思わせる暑い日もありまし
たが、日頃のストレスから開放され、すっかりリフレッシュされたことと思い
ます。

私は、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」へ行ってきました。特
に有名な藤の花はもちろんのこと、園内にはつつじやポピーなど様々な花が咲
き誇り、圧巻の景色でした。

あしかがフラワーパークは、CNNの「2014年の世界の夢の旅行先9カ
所」に日本から唯一選ばれています。

「あしかがフラワーパークは東京から80キロ離れた場所にあり、非日常の世
界を体験させてくれる。同パークには映画『アバター』の魂の木とほとんど同
じような樹齢143年の藤の木があり、紫色の花が地面まで何層にもわたって
咲き誇る。(CNN)」

園内は、大勢の外国人観光客の姿が見られ、皆さん楽しそうに記念撮影をして
いました。機会がありましたら、幻想的な世界をご覧にお出かけください。
(門)

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■環境不祥事の教訓

◆次亜塩素酸ソーダ、西堀川に約600リットル流出/西区 (5/1)

さいたま市は1日、同市西区宝来の市西部環境センターで、プールの殺菌や上
下水道の殺菌消毒に使用する次亜塩素酸ソーダ約600リットルが4月28日
から29日にかけて、敷地外の排水路を経由し、西堀川に流出していたと発表
した。市は健康被害の報告はなく魚など生物の異常死は確認されていないほか、
残留塩素も検出されていないとしている。

市西部環境センターによると、同センターは機器の冷却などに井戸水をろ過し
て使う過程で次亜塩素酸ソーダ(12%溶液)を使用する。次亜塩素酸ソーダ
はセンター内にある3千リットルの保管タンクで保管しており1日1回、10
0リットルの補助タンクに補充して使用していた。

4月29日午前11時ごろ、職員が補充作業を行おうとしたところ、補助タン
ク上部から薬品が漏れているのを発見。前日の28日午前10時ごろに作業を
行ったことから約25時間流出していたという。

原因について同センターは、保管用タンクから補助タンクに薬品を補充する作
業を終えた際、コックの動作不良などもあり、確実に閉じていなかったためと
している。

同センターは「このようなことが起こらないよう、施設の改修も含め万全を期
したい」としている。
(埼玉新聞)

◆解説

移送作業に伴う漏洩事故は過去にも頻発していることを知るべきです。

特に本ケースのように大きな貯蔵タンクから小さなサービスタンクへの移送に
は注意が必要です。

その原因は、次のような状況があります。

 ・手動による移送時に作業者がその場を離れてしまう
 ・手動による移送後にバルブを閉め忘れる
 ・自動移送時にサービスタンクのレベルセンサーが故障する

手動移送時には必ずその場を離れないこと、自動移送時にはレベルセンサーを
二重にし定期的に点検を実施することが重要です。

なお、本ケースは次亜塩素酸ナトリウムの流出ですので、水質汚濁防止法の指
定物質及び指定施設に該当し、第14条の2の「事故時の措置」の対象となり、
直ちの対応と速やかな届出が義務付けられます。

【水質汚濁防止法】
第十四条の二(事故時の措置)
2 指定施設を設置する工場又は事業場の設置者は、当該指定事業場において、
指定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は指定物質を含む水が当該
指定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健
康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く有
害物質又は指定物質を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ず
るとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に
届け出なければならない。

次亜塩素酸ナトリウムの他にも、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム(苛性ソー
ダ)、排水処理の凝集剤としても広く利用される硫酸バンド(アルミニウム及
びその化合物)、塩鉄(鉄及びその化合物)などが指定物質に該当します。

審査や監査では、未だに指定物質であることが認識されていないケースが散見
されますのでご注意ください。

★レベルセンサーの管理と本事例に関連する法令を「ESHエキスパート」でご
紹介しています!

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   採用されています。

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■労働災害の真相

◆死因はシアン中毒 ホクト火災 4人の身元判明

苫小牧市あけぼの町5、キノコ生産販売大手ホクト(本社長野市)の苫小牧第1
きのこセンターの工場で4月26日に発生した火災で、苫小牧署は30日、死亡し
た4人の身元を冷蔵設備会社「東冷機工業」(札幌市東区)の社員らと発表し
た。死因は4人とも有毒ガスを吸い込んだことによるシアン中毒だった。同署
は設備工事の安全対策に問題がなかったかなど慎重に捜査を進めている。

同署によると、4人は、同工場1階の放冷室(冷却室)の壁や天井部を覆ってい
た断熱材の発泡ウレタンが燃えた際に発生したシアン化ガスを吸い込み、死亡
したとみられる。4人は当時、放冷室で冷却装置の銅管をガスバーナーで溶接
する作業をしていた。

化学を専門とする北大大学院教授は、「人が死亡するほどなので、かなり毒性
の強いシアン化ガスが発生したと考えられる。種類にもよるがガスを吸い込ん
だ場合、気を失ってほぼ即死の状態になる」と言う。

日本ウレタン工業協会(東京)によると、発泡ウレタンは高い断熱性を持ち、
断熱材として広く使用されている。一方で、着火すると、一気に燃え広がる特
性があるという。ウレタンによる火災事故は「溶接作業で発生するケースがほ
とんど」と言い、今回の事故については「十分な安全対策が施されていたかど
うか」と疑問を投げ掛けた。

ホクトでは1998年、宮城県古川市(現大崎市)に建設中だった同社キノコ工場
でウレタン絡みの火災が発生、死者1人、負傷者15人を出した。同社の高藤富
夫専務は「98年の火災を契機に、工事業者には強く安全対策を呼び掛けていた
のだが。二度と起きないよう徹底的に注意喚起し、再発防止に努めたい」と話
した。

◆解説

ウレタンの燃焼によりシアン化水素が発生することはあまり知られていないと
思います。一酸化炭素中毒の可能性もあると思いますが、苫小牧署はシアン化
水素中毒と断定しているようですね。

いずれにしても溶接作業時に燃えやすい発砲ウレタンを適切に養生しなかった
過失は重大です。

しかも同社は1998年にもウレタン絡みの火災が発生、死者1人、負傷者15人を
出しているのでなおさらです。同社専務が「工事業者には強く安全対策を呼び
掛けていた」とのことですが、呼び掛けだけでは十分ではありません。

火気使用工事の際の許可制度(米国では、Hot work permitと言います)を適
切に運用することが重要です。

★ウレタンの燃焼によるシアン化水素発生データと本事例に関連する法令を
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

  夢や目標を達成するには1つしか方法がない。
  小さなことを積み重ねること。

■新着情報

 ★重要!「ストレスチェック制度」の具体的な運用方法を定めた省令、告示、
  指針の公表

 ・温室効果ガスの排出量の算定に関する省令の公布

 ・平成26年労働災害発生状況

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 8件

■不法投棄関連情報

 全国の不法投棄関連情報 1件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 25件

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