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NO.373

管理会社元社長、データ改ざん黙認 旧尾去沢鉱山廃水問題

■■ ESHの解決策
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                          2015.4.15 No.373

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

入学式を終え、大きなランドセルを背負って登校する新1年生の姿が見られる
ようになりました。その小さな体に向かって思わず「頑張れ!」と声を掛けた
くなってしまいます。

さて、純粋な子供達の善意を裏切る残念なニュースがありました。ご存知かと
思いますが、「エコキャップ問題」です。

「世界の子どもたちにワクチンを届けよう」と呼びかけ、ペットボトルのキャ
ップのリサイクルを進めるNPO法人が2013年9月以降、キャップの売却
益があるにもかかわらず、ワクチン代に寄付していないことが判明しました。
売却益は着服していたのではなく、障害者の雇用創出のため、キャップの計量、
分別作業などを行う施設を整備するために使用したとのことです。

我が家でも長年にわたり保育園や学校を通じて運動に参加してきただけに、こ
のニュースはショックでした。せめて事前に用途の変更や目的について知らせ
ていてくれたら提供者の気持ちも違ったのに、と残念です。(門)

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☆お知らせ

本メールマガジンは毎月第1,3水曜日に発行しておりますが、GW期間と重
なるため、5月は8日(金)と20日(水)の発行とさせていただきます。予
めご了承ください。

次号:5月8日(金)

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■環境不祥事の教訓

◆管理会社元社長、データ改ざん黙認 旧尾去沢鉱山廃水問題 (4/3)

旧尾去沢鉱山(秋田県鹿角市)の小真木坑廃水処理所から鉛濃度や酸性度の基
準値を超えた廃水の一部が無処理のまま2005年から8年余りにわたって米
代川に排出されていた問題で、鉱山を管理するエコマネジメント(東京)の元
社長兼所長が、処理設備の増強による多額の設備投資を避けるため、無処理廃
水の排出と水量データの改ざんを黙認していたことが2日、分かった。廃水の
無処理が明らかになったことから県は同日までに、排水処理事業の補助金約6
70万円の返還を同社に命令した。

経済産業省関東東北産業保安監督部によると、元社長は04年度以降、尾去沢
事業所の責任者などとして勤務。09年度から12年6月までは社長兼所長を
務めた。廃水を無処理のまま排出してきたことについて、排出が始まってから
数年後の09~10年ごろに従業員から報告を受けたが、改善策を指示しなか
った。監督部の調べに対し、元社長は「(処理能力の不足が明らかになれば)
設備の増強が求められる。そんな資金は掛けられなかった」などとデータ改ざ
んの理由を説明していたという。
(秋田魁新報)

◆解説

同社は、休廃止鉱山における坑廃水処理業務を行っています。休廃止鉱山とは、
鉱量の枯渇などにより操業を休止または鉱業権が消滅した鉱山ですが、休止ま
たは廃止となった後も、重金属などを含む水(坑廃水)が、発生することがあ
るため、これらの坑廃水を排水基準に適合させるように処理する必要がありま
す。

同社は、休廃止鉱山の維持管理を全国10か所で実施している資本金5千万円の
会社です。

同社のHPには次のとおり謝罪文が掲載されています。

【抜粋】
当社尾去沢事業所内の小真木坑廃水処理所において過去、豪雨や融雪などによ
る大幅な増水時に、河川への未処理坑廃水の放流をはじめとした不適切な処理
を行っていたとして、監督官庁である経済産業省及び産業保安監督部より、厳
重注意処分と、坑廃水量の虚偽報告等に対する補助金返還命令、及び今後18ケ
月間、補助金交付等停止措置の行政処分を受けました。
当社は、過去にこのような行為を行っていたことについて、ここに深くお詫び
申し上げますとともに、本件を重く受け止め深く反省し、関係当局のご指導を
仰ぎながら、今後再びかかる事態を引き起こさぬよう再発防止対策を実施して
いくとともに、従業員のコンプライアンスの徹底に向け、今後の取組みを一層
強化してまいります。
なお、当社は2014年2月に小真木坑廃水処理所の設備処理能力を増強しており、
現在は大幅な増水が発生した場合でも、坑廃水の全量を適切に処理する体制に
なっております。

「従業員のコンプライアンスの徹底に向け」とは、コンプライアンスをリスク
マネジメントととらえていない典型的な謝罪の言葉です。

改善すべきは従業員の意識ではなく企業としてのガバナンスであることを認識
して欲しいものです。

★本事例に関連する法令を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

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■労働災害の真相

◆千葉・柏のアスファルト再生工場で作業男性が死亡 (3/31)

30日午前7時ごろ、柏市風早のアスファルト再生工場「トーセキアスコン」
で、同社社員(24)が脚立に座った状態で、3階天井部分にある機械に頭を
挟まれているのを別の社員が発見した。男性はすでに心肺停止状態で、病院に
搬送されたが死亡が確認された。柏署によると窒息死とみられる。

4階に薬剤のタンクがあり、底部分には3階の計量容器に薬剤を注ぎ入れるた
め開閉口が付いていた。男性はこの開閉口に頭を入れ、下からタンク内の清掃
をしていたという。

男性は開閉口が自動で閉まらないように、レバーに木製のトンボを立てかけて
固定していたが、何らかの理由で外れたとみられる。清掃は3人で行うなどの
マニュアルが守られておらず、同署は安全管理体制に問題がなかったか調べて
いる。
(産経ニュース)

◆解説

脚立に座った状態で開閉口に挟まれていたとのことですので、相当に作業姿勢
が悪かったと推察されます。

自動の開閉口が閉まらないように、レバーに木製のトンボを立てかけて固定し
ていたとのことですが、この対処が適切ではなかったようです。電源さえ落と
していれば防げた事故でしたので残念です。

警察が捜査しているとの記事ですが、警察の捜査は業務上過失致死傷罪が対象
となり、そのポイントは、事故の予見可能性、そして結果回避可能性となりま
す。

清掃は3人で行うなどのマニュアルが守られていないということですが、作業
の常態として3人作業のマンパワーが確保できる状態だったのかも重要なポイ
ントとなりそうです。

もし、守れないルールが定められていたとしたら重大な落ち度になります。作
業手順の作成の際には実行の可否についても十分な検討が必要となります。

★米国で作業手順の作成の際に使用されているJSA(Job Safety Analysis)に
ついて「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

  メジャーのボールには生活がかかっている

■新着情報

 ・2013年度の温室効果ガス排出量(確報値)について

 ・労働安全衛生総合研究所の一般公開

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 7件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 14件

■海外の事故情報

 海外の環境・安全事故情報 1件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

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