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NO.552

シアン流出 59件報告せず 日鉄君津「担当職員らの認識不足」

■■ ESHの解決策
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2022.10.5 No.552

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

10月に入り、長くて厳しかった夏の暑さも終わりを告げ、秋の気配がやってき
ました。爽やかな気候でお出掛けには最適な季節となりましたね。美味しいも
のもたくさんで心が踊ります。

さて、昨日の朝、北朝鮮のミサイル発射でJアラートが発令されました。テレ
ビなどでは一斉に注意を呼びかけていましたが、正直、身近に危機が迫った場
合、どのように行動すべきなのかよく分かっておらず、少し不安になりました。

国民保護ポータルサイトで公開されている「武力攻撃やテロなどから身を守る
ために」というパンフレットには、武力攻撃を受けたときのより詳細な対応方
法がまとめられているそうです。
https://www.kokuminhogo.go.jp/pdf/hogo_manual.pdf

自然災害のみならず、武力攻撃やテロなどにも備えなければならない時代に
なったのかと思うと本当に怖いですね。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆シアン流出 59件報告せず 日鉄君津「担当職員らの認識不足」 (10/1)

日本製鉄東日本製鉄所君津地区が毒物「シアン」を周辺に複数回流出させてい
たのに報告せず、県に行政指導を受けた問題で、同社は30日、報告書を県など
に提出した。シアン検出を報告しない同様のケースが、過去5年間で計59件に
上ることが新たに判明。同日県庁で会見した東日本製鉄所長は「環境への意識
が不十分だった」と謝罪した。

シアンは大量に人体に入った場合死に至る危険な毒物。東京湾へとつながる排
水口から少しでも検出したら、県に報告することになっている。製鉄所内の排
水溝の場合でも、1リットルあたり1.5ミリグラム超の検出で報告する決まりだ。

日鉄がまとめた報告書や会見によると、基準以上のシアンを確認したのに県に
報告しなかったのは、2017年8月~今年8月で59回。最大検出値は排水口で
同0.98ミリグラム、排水溝で同2.6ミリグラムだった。原因として、処理水を
ためる水槽内の排水ポンプの故障などを挙げた。

県に報告しなかった理由について、所長は「(水質汚濁防止法に基づく)法定
測定については、再測定後に基準内に収まれば報告は不要、自主検査はそもそ
も全ての結果報告が不要だと、職員が誤認した」などと説明。「(組織とし
て)隠蔽(いんぺい)の意図はなく、担当職員らの認識不足だった。マニュア
ルは存在していたが、教育が徹底できていなかった」と釈明した。

再発防止策として、ハード面では全社でシアン処理能力を高め、職員の意識改
革の徹底を図るという。また、今後は水質測定データを同社のウェブサイトで
公開し、君津、木更津、富津の地元三市の住民や漁業者らには直接説明する。
一方、「現時点で健康被害に対する調査をする予定はない」(所長)とした。

熊谷俊人知事は報告を受け「地元三市とともに内容を精査し、早期の信頼回復
へ向けて指導する」とコメント。県担当者は刑事告発の予定について「現段階
ではない」とした。

一連の問題は今年6月、製鉄所近くの小糸川が赤く染まり魚が大量に死亡した
ことで、生産工程で使用する「脱硫液」の漏出が発覚。その後の調査で、シア
ンの流出が判明した。
(東京新聞)

◆解説

君津市のホームページには、「日本製鉄(株)東日本製鉄所君津地区の排水に
関するお知らせ」という特設サイトを作っています。本件の重大さを示すもの
です。そこには、日本製鉄株式会社および千葉県のホームページへのリンクが
示されています。

リンク先の同社の「東日本製鉄所君津地区 排水事案に関する報告書の提出に
ついて」(9月30日)は、15ページにも及んでいます。

この資料においては、監査の強化についても事業所、本社の立場から次のとお
り言及しています。

【君津地区における対策】

6.水質測定業務体制の変更に伴う内部監査の強化
本社による君津地区への環境監査を強化することに加え、君津地区においても、
第三者部門(総務部門等)が、環境防災部と水質分析会社の双方に対して排水
口・排水溝での測定結果報告書、および排水基準・協定値超過有無を定期的に
監査し、その内容を本社がフォローします。

【全社における対策】

2.全社環境マネジメント機能の強化
2) 環境監査・工場内部監査に関する内容の強化、見直し
・本社による環境監査の実効性をより高める観点から、抜き打ちでの書類確認、
対象者へのヒアリング、現場確認等の実査に重点を置いた監査を実施します。
マネジメントヒアリングにおいても緊急対応として、水質測定と届出内容に
関する現場現物サンプルチェックを実施します。
・本社による環境監査における製鉄所長・所幹部との対話にて、水質管理を
はじめとする重点環境リスクと対応状況の確認を行います。
・各地区工場への監査に本社環境技術・管理部員と他所環境担当者が監査員と
して参加して行っている、いわゆる工場内部監査については、緊急対応とし
て対象を水質に関わる部門に特化して実施します。

環境マネジメントの強化として、監査が強化されることは良いことだと思いま
す。

★世界的なサプライヤーCSR監査の基準であるRBA(Responsible Business
Alliance,旧名EICC)の「排水の管理」に関する要求事項を「ESHエキスパー
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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆台風など自然災害への対応に関連すると考えられる労働災害が2件ありまし
た。

●台風被害点検中に線路に転落、59歳男性死亡 JR東静岡駅 (9/20)

20日午前9時35分ごろ、静岡市のJR東静岡駅で、駅舎の外側に設置された点検
用デッキから作業員が線路上に落下したと119番通報があった。静岡県警静岡
中央署によると、JR東海コンサルタンツ社員(59)が搬送先の病院で死亡が
確認された。男性は台風を受けて設備の点検中で、約10メートル落下した。

同署によると、点検用デッキの床面が抜け落ちており、関連を調べる。

JR東海によると、この影響で東海道線の富士―掛川間の上下線で3時間超、
運転を見合わせた。
(産経新聞)

●土砂撤去の作業員2人が死傷 排水管の水に流される/静岡 (9/28)

浜松市で27日午後2時過ぎ「土砂の撤去作業をしていた男性2人がけがをした」
と消防に通報があった。

警察などによると、排水管にたまった土砂を撤去していた男性作業員2人が
水に流され、天竜区の建設作業員の男性(50)が病院に運ばれましたが死亡し
た。もう一人の建設作業員の男性(54)は重傷。

警察が事故の詳しい原因を調べている。
(静岡朝日テレビ)

◆解説

台風や集中豪雨などが激甚化することにより、関連する災害も増えています。

二次災害は避けなければなりませんが、実際に対応に当たる方々は相当のご苦
労を強いられることとなります。

過去の例として、田辺市の危機管理局長だったNさんは2018年8月、台風20号の
災害対応にあたった後、脳出血で倒れ、その後死亡しました。

遺族は公務災害を請求し、2020年6月に認定されました。災害対応の指揮を
執り、休憩もほとんど取れずに対応したことが強度の精神的負荷となり、基礎
疾患の高血圧を自然経過を早めて著しく増悪させたと判断されました。

このように台風など自然災害への対応は安全衛生上も大きな影響を受けること
となります。

日常とは異なる状況下での緊急事態への対応には、適切なケアが求められるこ
とを認識していただく必要があります。

★台風などの自然災害発生時の「緊急対応要員」の対応の事例を「ESHエキス
パート」でご紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ

■新着情報

・改正フロン排出抑制法に関する説明会の開催

・PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項の策定

★歯科健康診断結果の報告義務改正の施行

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

なぜ事故の教訓は活かされない?「平均以上効果」と送迎バス事故の関係とは
https://youtu.be/fuHlxfr_zeo

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 17件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
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発行責任者 黒崎

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