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NO.551

電線に触れなくても“感電” 街路樹せんてい中に…1人死亡・1人重体/新潟

■■ ESHの解決策
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2022.9.21 No.551

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

3連休にかけて日本列島を縦断した台風14号は、各地で死傷者や浸水、土砂災
害など甚大な被害をもたらしました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上
げます。

さて、10月1日から地元の栃木県で第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国
体」が開催されます。国体は新型コロナウイルスの影響で2年連続で中止され
ていて、今年は3年ぶりの開催となります。

開催式に先立ち、既にいくつかの競技が始まっており、競泳では入江選手や
瀬戸選手などの五輪選手が堂々の優勝を果たしました。

当日受付可能な競技もたくさんあるので、チャンスがあれば観戦したいと思っ
ています。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆廃業へ向かう会社、川に有害物質を流す…代表取締役を逮捕「早く工場売却
したくて」 汚染が基準の330倍/埼玉(9/1)

昨年12月、荒川や支流の麦生川などで有害物質「ジクロロメタン」が検出され
た問題で、埼玉県警生活経済課と川越署は8月31日、廃棄物処理法違反(不法
投棄)の疑いで、川越市の金属加工会社「小糸製作所」=清算中=の代表取締
役(62)を逮捕した。(筆者注:自動車照明器等を製造する株式会社小糸製作
所とは異なります)

逮捕容疑は、昨年11月24~26日ごろ、2回にわたり同社内に設置された排水溝
に廃油約660リットルを投棄した疑い。「排水溝に廃油を流してしまいまし
た」と容疑を認めているという。

同課によると、人体や農作物などに影響はないという。

廃油は同社が金属製品を洗浄する際に出たもので、本来は専門業者に委託し
廃棄する必要があった。排水溝は、雨水などが流れる側溝や排水処理施設など
に通じていて、廃油は排水処理施設などを通じて、八幡川や麦生川などに流れ
ていった。

同社は、昨年11月ごろから廃業の準備を進めていて、男は「早く工場を売却し
たいという思いから流してしまいました」と供述しているという。

昨年12月4日、県が荒川で有害物質を検出したと発表し、県警が捜査。県と川
越市が実施した河川の水質調査や関係者への聴取などから男を特定したという。

同課は、小糸製作所も同罪でさいたま地検川越支部に書類送検する予定。

●ジクロロメタン、基準値330倍検出

県水環境課によると、昨年12月2日、さいたま市桜区宿地内の県大久保浄水場
の取水口から1リットル当たり0.0011ミリグラムの「ジクロロメタン」が検出
された。

同月3日、荒川支流の麦生川から環境基準値の34倍のジクロロメタンを検出。
5日には、麦生川上流の八幡川でも基準値の330倍に相当する1リットル当たり
6.6ミリグラムのジクロロメタンを検出した。

同課によると、ジクロロメタンは金属製品を製造する際に洗浄脱脂剤などとし
て使われ、体内に入ると発がん性や肝機能障害などの影響が懸念される。
今回は、人的被害や農作物などへの影響はないという。

川越市は、流出源である金属加工業「小糸製作所」などを相手にジクロロメタ
ンの除去費用など約4千万円の損害賠償を求め、さいたま地裁川越支部に提訴
している。

県水環境課は「少ない量を流しても影響が出ることもある。適正に処理してい
ただきたい」とコメントした。
(埼玉新聞)

◆解説

注釈で記したとおり、プライム市場に上場している自動車照明器等の小糸製作
所(KOITO)とは異なりますのでご注意ください。

清算中とのことで、廃棄物処理費用を削減したかったのだと思います。ドラム
缶3本強の処理費は濃度にもよりますが、10-20万円程度だと推察されますが、
約4千万円の損害賠償とのことで高額の代償となってしまいました。

また、同社のこのような慣習から考えると土壌汚染も懸念され、土地の評価額
も厳しいものとなることでしょう。

ちなみに、ジクロロメタンの水質汚濁防止法の排水基準は、0.2 ㎎/Lですの
で、仮に廃液660Lがジクロロメタン100%で、河川で均等に混じると仮定すると、
河川の水430万立法メートルが規制値を超えるほどの影響力になります。

したがって、今回の約4千万円の損害賠償はかなり安価だとも考えられます。

過去の汚染事例から、洗浄廃液を安易に地面に棄てたり排水に流したりするこ
とは決して稀ではありません。化学物質、特に有害物質の環境への影響と汚染
に対する莫大な修復コストについて教育する必要があります。

★環境保全教育のベストプラクティスとして米国NIKE社のサプライヤー監査基
準を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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■労働災害の真相

◆電線に触れなくても“感電” 街路樹せんてい中に…1人死亡・1人重体/新
潟 (9/14)

9月3日、新潟市の市道で、高所作業車に乗って街路樹のせん定作業をしていた
造園会社の男性2人が感電した。

2人はすぐに病院に運ばれたが、1人が死亡、もう1人は意識不明の重体となっ
ている。(9月6日現在)

事故があった現場の街路樹を見てみると、街路樹のてっぺんから数m上のとこ
ろに、高圧電線のケーブルが伸びている。高圧電線は、地上からだと約11mの
高さになるという。作業員はこのケーブルに近づいたため、感電したとみられ
ている。

警察によると、作業をしていた2人は、この高圧電線に触れた形跡はなかった。
しかし、高圧電線は直接触れなくても、近づくだけで感電する可能性があると
言う。

2人が近づいた高圧電線にかかっていた電圧は、約6万6000ボルト。感電を防ぐ
ためにも、電力会社などは4m以上の距離を取るよう注意を呼びかけていた。

当時、男性らが高所作業車に乗ってせんてい作業を行い、高所作業車の周辺で
は、他に4人の作業員がせんていされた草木を拾っていた。

感電事故が起こる前に、高所作業車の方から「やばい」という声が聞こえたと
いう。

警察は2人が高所作業車の操作を誤り、高圧電線に近づいてしまった可能性が
あるとみて調べている。

街路樹のせん定作業は、新潟市からの委託を受けて、9月3日の午前中から行わ
れていた。感電事故が発生したのは午後3時50分ごろで、撤収作業をしていた
と見られている。
(NST新潟総合テレビ)

◆解説

高圧電線と高所作業車の組み合わせによる死亡災害は頻発しています。

昨年6月には次の2件の災害が発生し、このメルマガでも採りあげています。
(2021年6月23日:521号)

(1)ゴルフ場で伐採中、JRの高圧線接触2人死亡 横浜線運休/神奈川 (6/
9)
(2)伐採中に高圧電線に接触、男性死亡/栃木 (6/20)

ただし、今回の災害で異なるのは、6万6000ボルトの高圧電線に触れた形跡は
なかったということです。

通達「移動式クレーン等の送配電線類への接触による感電災害の防止対策につ
いて」(昭和50年12月17日、基発第759号)では、移動式クレーン等の機体や
ワイヤロープ等と送配電線類の充電部分との”離隔距離”を2m(ただし、
60,000V以上は10,000V又はその端数を増すごとに20cm増し)と定めています。

隔離距離を知らずに作業して(させて)いたとしたら、知っていたとしても
高圧電線の存在を知らなかったとしたら、とても残念なことです。

作業前のリスクアセスメント(KYでも良い)と危険源に関する適切な知識が
不幸な災害を防ぎます。

★危険(源)領域(Hazard envelope)について「ESHエキスパート」で解説し
ています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

良い思い出とは、幸せの2度目のチャンスです

■新着情報

・化学物質管理者に関する講習のカリキュラム

・化学物質の管理について必要な知識及び技能を有する者(化学物質管理専門
家)

・YouTube新着動画

こども園送迎バスで熱中症で4歳女児死亡に学ぶ、「確認不足」はNGワード
https://youtu.be/EpBZPfU13Mg

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 20件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

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