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NO.555

ツナ缶に「虫」混入で「1億円」賠償命令 50年来の「下請け業者」を破産危機に追い込む“注目判決”の知られざる裏側/静岡

■■ ESHの解決策
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2022.11.16 No.555

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

季節はすっかり秋めいてきました。先日、宇都宮市内を車を運転していたと
ころ紅葉狩りなのか日光へ向かう高速道路が大渋滞しているのが見えました。
時間はお昼過ぎ。一体、何時に日光に到着できるのか…他人事ながら心配に
なってしまいました。

さて、また子供が犠牲となる痛ましい事故が発生してしまいました。今度は
父親の送迎時の置き去りで2歳の女の子が熱中症で亡くなるというものです。
置き去りはもちろん避けなければならないことですが、今回も次女が登園する
予定だった市立保育所が欠席に気づきながら、保護者に確認の電話をしていな
かったことが明らかにされました。

最近でも尊い命が失われる事故があったばかりで、保育所の今回の対応は理解
に苦しみます。全国の子供を預かる施設では今一度、体制が万全か、職員の
認識は十分か確認してほしいと思います。

お亡くなりになった女の子に心よりお悔やみ申し上げます。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆日鉄君津、シアンまた外部流出 基準超、東京湾への排水口から 原因不明
、現在は調査中/千葉 (11/7)

千葉県は7日、日本製鉄東日本製鉄所君津地区(君津市)の排水口から、水質
汚濁防止法の排水基準を超える1リットル当たり0.1ミリグラムの有害物質シア
ンが検出されたと発表した。排水基準は「不検出」で、0.1ミリグラムは検出
の下限値に当たる。同社は原因を不明としており取材に対し「速やかに調査す
る」と説明。県はシアン流出を「遺憾」とし、早期の原因究明を求めた。

今回シアンが検出されたのは、東京湾に排水を放流する排水口。同社が6日
午前3時14分に採水したサンプルから検出され、分析結果が出た7日午前9時50
分ごろ、県に報告があった。県は同日午後2時ごろに立ち入り検査を実施して
簡易分析を行ったところ、シアンは不検出だった。

県によると、2018年以降、この排水口からシアンが検出されるのは同社の自主
検査を含めて43回目。県担当者は「非常に残念で、遺憾。抜本的な対策を求め
たい。基準ぎりぎりでも検出されることはあってはならない」と述べた。

一方で、原因は不明。この排水口は雨水や生活排水などの処理水を排出してお
り、今年7月上旬には高炉で発生するシアンを含む処理水が流れ込まないよう
に各種対策を実施。同月からは県の立ち入り検査も16回行われており、全て
不検出だった。今回新たに検出されたことについて、県担当者は「なぜこの
タイミングで検出されたのか、困惑している」と話した。

同社総務部は、千葉日報社の取材に「高炉由来だった従来の要因(と同様)
とは考えにくい」と説明。度重なるシアン流出に「たびたび近隣住民や行政、
その他の関係者に迷惑をかけ、おわび申し上げる。速やかに原因を調査したい
」と陳謝した。

一連のシアン流出問題を巡り、同社は9月末に原因などをまとめた報告書を
県に提出したばかりだった。
(千葉日報)

◆解説

検出される筈のない物質が検出されるとは、環境や排水の担当者にとっては
頭の痛いところです。

しかし、特に古い工場においては珍しいことではありません。複雑に接続され
た配管や排水経路が存在することが原因です。

古い工場では地下や天井に配管を通していることも少なくありません。目視で
簡単に確認できないケースも少なくありません。

配管調査に数百万円を要する事例もあるのです。

特にベテランの社員が退職し、工場の沿革が不明になるとなおさら調査は困難
となります。可能な限り早期に経路を確認することが必要です。

配管や排水溝の系統図を作成するとともに重要なことは不要配管、不要排水溝
を撤去することです。利益には全く貢献しませんが、リスク低減のためには
必要なことです。

決して負の遺産を次世代に遺すことのないようにしたいものです。

★地中配管調査手法・技術の代表的な事例を「ESHエキスパート」でご紹介し
ています!

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■労働災害の真相

◆ツナ缶に「虫」混入で「1億円」賠償命令 50年来の「下請け業者」を破産
危機に追い込む“注目判決”の知られざる裏側/静岡(11/11)

10月8日、大手加工食品メーカー「はごろもフーズ」が製造依頼したツナ缶に
“ゴキブリと見られる虫が混入したことでブランドイメージが傷つけられた”
として、下請け企業の「興津食品」に損害賠償を求めた訴訟の判決があった。

静岡地裁は請求額約8億9700万円に対し、約1億3000万円の支払いを命じたが、
判決に反して興津食品へ「同情」の声があがっている。その身につまされる
理由とは――。

発端は2016年10月13日、山梨県内のスーパーで「シーチキンLフレーク」70グ
ラム缶を購入した客から「ゴキブリのような小さな虫が混入していた」とスー
パー側に苦情が入ったことだった。

同商品は興津食品の工場で製造されたものだったが、スーパー側からの連絡を
受けて「はごろもフーズ」の担当者が購入者の自宅を訪れて直接謝罪。この時
点で「問題は解決した」と見られたが、同27日以降、“ツナ缶にゴキブリ混入
”と複数のメディアが報じたことで事態は急変する。

興津食品側の代理人弁護士を務める増田英行氏が話す。

「当初、はごろもフーズは“お店と購入者から了解を得て解決した”と興津食
品に伝えていました。しかし報道の一部に“はごろもフーズが問題を隠蔽した
”との印象を抱かせる内容が含まれていたためか、翌28日、はごろもフーズの
役員から興津食品に“工場での製造休止”と“マスコミの取材に応じないよう
”に求める通告が一方的になされたのです」

一連の報道を機にSNS上でも“はごろもフーズ批判”が巻き起こり、騒動は
過熱。そしてこの日以降、興津食品の工場が再開することはなかった。

興津食品とはごろもフーズの取引は約50年前にまで遡る。「虫混入」事件が
発生するまでは、興津食品の売上の約9割をはごろもフーズとの取引が占め、
同社の下請け工場として主にツナ缶製造を請け負ってきた歴史がある。

「はごろもフーズとの間でこれまで取引上のトラブルはなく、むしろ当時は
増産を強く要請されていた状況でした。混入現場となった工場についても、
はごろもフーズから示された〈衛生管理基準〉などに沿って体制を構築し、日々
管理を行っていました。また同社の助言に従い、工場の補修や機械・設備の
更新を行い、同社による工場への立ち入り検査や抜き打ち監査なども受けてき
た。はごろもフーズの“お墨付き”を得た上でツナ缶を製造してきた経緯が
あり、偶発的な出来事だった虫混入の一事をもって“衛生管理基準を順守して
いなかった工場”との風評には反論せざるを得ません」(増田氏)

以下略
(デイリー新潮)

https://news.yahoo.co.jp/articles/49ac3842034d528332cdfeee0e1d07ee355bf5ea

◆解説

労働安全衛生のネタではないのですが、労働安全衛生上も重要な下請け企業に
関する記事ですので採りあげます。

とても悲しいニュースです。

ネットの声は、「虫混入よりこの訴訟で同社のイメージがダウンした」などと
概ね下請け企業に同情的です。

「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者でもある坂本光司氏は、経営とは
次の5人の幸せを叶えることだと説いています。

・社員とその家族
・社外社員とその家族
・現在顧客と未来顧客
・地域社会・地域住民
・株主・出資者

「社外社員」とは下請会社、協力会社の社員を指しています。

ベストプラクティスとして、石油ファンヒーターなどを製造するダイニチ工業
(東証スタンダード市場上場)では、社外社員約500名の仕事を維持するため
に夏冬問わず一年中部品を発注しています。それにより工場は在庫の山となっ
ています。

同社の吉井社長は次のとおりその理由を語っています。

当社の部品を毎日生産し続けてくれる企業の社員数は約500名、彼/彼女らの
協力がなければ当社は存在できなません。冬場だけ発注するから良い商品を
作ってくれ、と強いるのは正しくないし、不自然だと思います。

★サプライヤー安全監査の参考資料として製薬業界の行動規範PSCIを「ESHエ
キスパート」でご紹介しています!

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

PKを外すのは、蹴る勇気を持った者だけだ

■新着情報

・今号はお伝えする新着情報はありません。

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 20件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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発行責任者 黒崎

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