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NO.554

日本製鉄工場で2人死亡、メンテ中に酸欠か/北海道

■■ ESHの解決策
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2022.11.2 No.554

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

3年ぶりに制限なしのハロウィンイベントが開催されるとあって、大きな盛り
上がりと一抹の不安を感じながら迎えた週末、韓国で悲惨な事故が起きてしま
いました。

韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)でイベントを楽しむために集まった若者
を中心に150名以上が亡くなった事故。呼吸困難や中には立ったまま圧死して
しまった方もいて本当に痛ましい事故でした。お亡くなりになった方々に心よ
りお悔やみ申し上げます。

今回の事故はいわゆる「群衆雪崩」が発生したとみられ、日本でも明石市の
花火大会での事故が記憶に新しいところです。

警備の不備等が指摘されていますが、一度起きると防ぐのが難しいと言われて
いる群衆雪崩。大混雑が予想される場合は、その場に近づかないという選択を
することも必要であると改めて感じました。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆横浜市の小学校でアスベスト飛散 市基準の25倍、住宅地の190倍超 市が
危険を過小説明/神奈川 (10/29)

横浜市の山王台小学校(磯子区)で9月以降、強力な発がん性を持つアスベス
ト(石綿)が基準を超えて漏えいする不適正工事が起きていた。市基準の最大
25倍におよぶ。一体どういうことなのか。

同小学校では体育館の骨組みだけ残してリニューアルする大規模改修工事を
岡山建設(同市西区)に1億6142万4000円(税抜き)で委託。5月末以降に開始
した。市によれば、体育館の屋根、外壁、内壁、軒天、天井(一部)の成形板
に石綿を含有しており、計1573平方メートルに上る。発注仕様では割らずに
原形のまま撤去することになっていた。

ところが9月5日午前に作業区画の境界4カ所において実施した大気濃度測定で、
同日夜に速報値として2カ所から空気1リットルあたり22本、7.8本の石綿の可
能性のある繊維を検出した。のちに走査電子顕微鏡(SEM)による詳細分析で、
石綿の1つ、クリソタイル(白石綿)を同25本または同18本検出した。

市が定める指導基準(同1本)の最大25倍だ。住宅地域の全国平均は同0.13本
(2021年度)であり、その192倍に達する。それだけ異常な濃度の石綿が学校
敷地内にある作業区画の境界で漏えいしていた。当然区画外にも飛散したはず
だ。

市は5日夜に速報値の報告を受けたところで翌日の石綿関連作業の停止を指示
した。だが、すでに約3分の2の屋根材は除去を終えていた。

石綿飛散は、2日に始まった波形スレートにパーライト(ガラス質の火山岩を
熱処理して作る多孔質材)板を重ねてボルト止めした屋根材の撤去作業が原因
という。

市学校整備課の課長は「ボルトがさびていて手工具で外れなかったので電動工
具(ディスクグラインダー)を使った。このときにスレート波板を直径3~5セ
ンチメートル傷つけてしまったと(元請けから)報告を受けています」と説明
する。

いずれの建材も石綿を含有しており、波形スレートにはアモサイト(茶石綿)
とクリソタイル(白石綿)、パーライト板には白石綿が0.1~5%使用されてい
た。湿潤化はしていたというが、電動グラインダーで削れば高濃度の石綿が飛
散するのは当たり前のことだ。
(アジアプレス・ネットワーク)

以下記事全文⇒ https://news.yahoo.co.jp/articles/8b113f7c835df0db9d265ede8805820a28d6e1c3?page=1
・市が石綿飛散リスクを過小説明
・保護者に危険の一部説明せず
・透明性ゼロのリスク評価

◆解説

建築物解体時のアスベストの飛散問題は、絶えることなく起き続けています。

解体にコストを掛けたくない、という認識に起因することも多いと考えられま
す。

特に本件のような成形板(スレート?)のアスベストの含有区分は「レベル
3」となります。飛散しにくい成形材として、最も発じん性(飛散性)が低い
レベルになり、管理が緩くなりがちです。

しかし、この記事で「湿潤化しつつ破砕せず原形のまま撤去して同256本検出
している事例もある」と紹介しているとおり、飛散のリスクは低くありません。

読者の皆様に認識していただきたいのは、スレートを含むアスベストは解体し
なくても飛散するということです。

スレートは広範に使用されている建材です。監査や審査においても、古い建築
物でスレートが欠けている状況が散見されますが、多くのケースで関係者がア
スベスト飛散を認識していません。

大気汚染防止法と労働安全衛生法が適用されるアスベスト飛散を注視すること
が必要です。

★経年劣化によるアスベスト含有スレートの危険性とISO審査やサプライヤー
監査におけるチェックの重要性を「ESHエキスパート」で解説しています!

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☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆日本製鉄工場で2人死亡、メンテ中に酸欠か/北海道 (10/21)

21日午前11時45分ごろ、北海道室蘭市の日本製鉄北日本製鉄所で「構内のコー
クス炉で2人の意識がない。ガスの恐れがある」と工場関係者から119番通報が
あった。道警によると、作業員2人が救助され、病院で死亡が確認された。
道警は2人が酸欠で亡くなった可能性もあるとみて状況を調べている。

コークス炉は石炭を蒸し焼きにする施設。道警によると、2人は施設内にある
「混炭機」のメンテナンスをしていた。1人が混炭機内で意識を失って倒れて
いるのをもう1人が見つけ、中に入ったとみられる。施設にいた別の作業員は
「工具を落として拾いに行ったのではないか」と話しているという。

混炭機はタンク状で、中では有毒ガスは検知されなかったが、酸素濃度が
低かったという。
(産経新聞)

(続報)【死因判明】室蘭・製鉄所の作業事故 死亡した作業員2人は酸素欠
乏性窒息 (10/24)

北海道・室蘭警察署は、21日に室蘭市の製鉄所で起きた作業事故で死亡した
男性作業員2人の死因について「酸素欠乏性窒息」と発表した。

2人は炭を混ぜる機械のタンク内で倒れていて、タンク内は火事を防ぐために
酸素がほぼない状態だった。

2人はこの機械のメンテナンス作業をしていて、1人が機械のタンク内で倒れた
ため、もう1人が助けにいったところ倒れたという。

警察によると、作業員は作業中に落とした工具を探すためにタンク内に入った
可能性もあるとみられていて、警察が当時の状況を詳しく調べている。
(STV NEWS)

◆解説

酸欠事故は、件数は多くはありませんが毎年発生しています。高い確率で死亡
に至るのが特徴です。

2019年 4件 5名死亡 + 硫化水素中毒 5件 1名死亡
2020年 10件 8名死亡 + 硫化水素中毒 6件 6名死亡
2021年 3件 2名死亡 + 硫化水素中毒 6件 2名死亡

もう一つの特徴は、救助者が亡くなるケースが少なくないことです。

部下や同僚を助けたい、見捨てられないと考えるのは当然です。しかし、
それで救助者が犠牲になることは避けなければなりません。

酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)においても救助について、次の規定がありま
す。

(避難用具等)
第十五条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、空気呼
吸器等、はしご、繊維ロープ等非常の場合に労働者を避難させ、又は救出する
ため必要な用具(以下「避難用具等」という。)を備えなければならない。
2 第七条の規定は、前項の避難用具等について準用する。

(救出時の空気呼吸器等の使用)
第十六条 事業者は、酸素欠乏症等にかかつた労働者を酸素欠乏等の場所にお
いて救出する作業に労働者を従事させるときは、当該救出作業に従事する労働
者に空気呼吸器等を使用させなければならない。
2 労働者は、前項の場合において、空気呼吸器等の使用を命じられたときは、
これを使用しなければならない。

多くのグローバル企業では、救助(レスキュー)に備えた装備と訓練を充実さ
せています。

起きる筈がないと考えるのではなく、私たちも万一に備えることを学ぶ必要が
あります。

★米国におけるConfined space(閉鎖空間)のレスキュー準備の7ステップを
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

明日死ぬかもしれないと思うと今の人生に感謝できる

■新着情報

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

労働災害の4つのリスク、レピュテーションリスクとは何か?韓国の不買
運動に学ぶ
https://youtu.be/gx9ABJx2T1Y

韓国ハロウィン150名以上圧死事故の悲劇、絶対に知るべき最新救命処置
https://youtu.be/VGA9mTdt4J4

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 18件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
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発行責任者 黒崎

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