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NO.520

トヨタ社長、遺族に謝罪し一転和解 社員パワハラ自殺で再発防止策

■■ ESHの解決策
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2021.6.9 No.520

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

労働災害の真相でトヨタ自動車のパワハラ問題和解と再発防止の取組みを取り
上げておりますが、一方で愛知県豊田市が「トヨタ生産方式」によるワクチン
接種を採用して大きな話題となっています。

私もメーカーに勤務していた時に導入に携わったことがありますが、「トヨタ
生産方式」はその徹底した効率化で有名です。今回、豊田市とトヨタ自動車で
はそのノウハウをワクチン接種に活用したといいます。

トヨタ自動車の担当者によると、1人当たりの接種が40秒と計算し、事前に見
積もってレイアウトに落とし込んでいったそうです。受付から接種終了までの
所要時間をおよそ5分という驚きのスピードを達成しました。豊田市はトヨタ
自動車とともに改善を重ね、さらなる時間短縮を目指す方針とのことです。

各地でワクチン接種が加速していますが、こうしたベストプラクティスは大い
に参考にしてほしいですね。(門)

☆発行日のお知らせ
GWの関係で発行日が変更となっております。次号は6月23日(水)です。

 

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◆オンラインセミナーのご案内

弊社では、安全衛生アカデミー「オンラインOHSエキスパート養成コース」を
開講しております。6回シリーズで、労働安全衛生の”エキスパート”として
力量を向上していただくアカデミーです。

受講後アンケートの結果、「大いに満足」、「満足」(6段階評価の6と5)が
第1回目100%、第2回目94%と高い満足度を頂戴しました。

第3回目は、労働安全衛生法の順守評価(遵法監査)が適切にできる力量を身
につけるためのセミナーです。

6/25(金)「オンラインセミナー:労働安全衛生法・順守評価」

単発でもシリーズでも受講可能です。当日のご都合が合わない場合は動画で視
聴することもできます。

詳細は次のサイトをご覧ください。

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ご参加をお待ちしております。

 

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■環境不祥事の教訓

◆浜岡原発で軽油36リットル漏れ 非常用発電機タンク/静岡 (6/2)

中部電力は2日、停止中の浜岡原発(静岡県御前崎市)5号機の非常用ディーゼ
ル発電機の燃料油タンクから軽油が約36リットル漏れたと発表した。発電機は
停電などの非常時に原子炉に電気を供給する。5号機には、軽油が漏れた今回
の発電機のほかに2台あり、運用上問題はないという。

中部電によると、1日夜、点検中の社員が軽油漏れを発見した。問題のタンク
は発電機から出る余分な軽油をためておく「ドレンタンク」。通常、軽油は別
の燃料タンクにポンプを使って戻すが、ポンプが停止していたため軽油が満杯
になりあふれたという。
(共同通信)

◆解説

この非常用ディーゼル発電機が何を目的としたものかは不明です。

しかしながら、福島第一原発の事故では、非常用発電機が津波とそれに伴う浸
水により機能を失ったことで大惨事に至ったことを私たちは経験しています。
「ドレンタンク」だとしても適切に管理していただかないと近隣住民は不安を
感じることでしょう。

緊急用の設備は日常的に使用するものではないため管理が疎かになりがちです。
私自身、監査などで非常用設備や備品の不適切な管理を数多く指摘してきまし
た。

工具、ポンプ、ホースなど、必要だから置かれたはずの備品が、いつの間にか
他に流用されて無くなっているのです。

たとえば、緊急備品置場に保管してあるはずのドライバー1本がないために迅
速に緊急用設備が起動できないこともあり得ます。

また、非常用設備の前に物が置かれ、アクセス不良となっているケースも少な
くありません。

非常用の設備や備品を適切に維持しましょう。

★緊急時の動作不良回避のために消防法による自家発電設備の点検項目につい
て「ESHエキスパート」で解説しています!

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆トヨタ社長、遺族に謝罪し一転和解 社員パワハラ自殺で再発防止策 (6/7)

トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)の男性社員(当時28歳)が4年前に自殺
したのは、上司のパワーハラスメントで適応障害を発症したのが原因だったと
して、豊田章男社長がパワハラと自殺との因果関係を認め、遺族に直接謝罪し
ていたことが判明した。

トヨタは徹底した再発防止策を誓うとともに、解決金を支払うことで遺族と和
解した。遺族側の代理人とトヨタが明らかにした。

トヨタは当初、パワハラと自殺との因果関係を否定したが、2019年9月に豊田
労働基準監督署が労災認定すると、豊田社長が一転して因果関係を認めた。

遺族側によると、東京大大学院を出た男性は16年3月、本社で車両設計を担う
部署に配属された。直属の上司から「死んだ方がいい」などと叱責されるよう
になり、適応障害と診断された。7月から3カ月間は休職。復職後も「死にた
い」などと漏らし、17年10月に自ら命を絶った。

日本を代表する巨大企業でなぜパワハラは見過ごされてしまったのか。男性が
被害を訴えていたのに社内で情報共有されていなかったことが新たに分かり、
トヨタは遺族に一連の詳細な経緯を伝えた。和解内容には、匿名通報を受け付
ける相談窓口の新設などの再発防止策も盛り込まれた。

トヨタは「大切な社員の尊い命が失われた事実を真摯(しんし)に受け止め、
この痛みを一生忘れず再発防止を徹底したい」とコメントした。遺族も代理人
を通じ、和解しても戻ってこない男性への思いや、トヨタへの要望をつづった
談話を公表した。
(毎日新聞)

◆解説

当時28歳の若い命が失われた残念な労働災害です。東大大学院→トヨタという
エリートの若者を救うことはできなかったのでしょうか。

「休職を経て16年10月に復職したが、その後に再び元の上司と近い席と
なった。男性は「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らし、17年10月末、
寮の自室で自殺」(JIJI.COM)との記事もありました。

中小企業ならともかくトヨタほどの巨大企業で、配置転換や転勤はいくらでも
可能だったのではないでしょうか。

記事には「被害を訴えていたのに社内で情報が共有されていなかった」とあり、
何故に産業医や保健師が関与できなかったのか、残念でなりません。

職場復帰支援制度に重大な欠陥があったと考えられます。

他の記事によれば、トヨタがご遺族に説明し理解を得た再発防止策は次のよう
な内容でした。

▼管理職以上の約1万人を対象に、上司や部下、社内外の関係者ら十数人で評
価する「360度評価」(2020年7月より実施、今年度は2万人に拡大)
▼ハラスメントについて、匿名での通報を受け付ける精神科医が常駐する相談
窓口の体制を強化。家族や同僚も相談できるほか、入り口としてネットから匿
名で相談できる仕組み(相談があった場合は事実関係の調査を綿密に行う)
▼精神科の専門医が休職している社員のフォローを行う相談センターを新設

働きにくい職場がどれほど生産性を阻害するか、そして、そのような企業文化
/風土を形成するのは経営層であることを経営層に認識させる必要があります。
「仕組みは作ったが完成ではない。時間はかかるが、最終責任者である私がこ
の気持ちを持ち続け、この事実を元に改善し続けていく」とご遺族に約束した
豊田章男社長。

私たちはその姿勢を消費者としても見守る必要があります。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/yXTePDGxOXY

★ISO 45003「労働安全衛生マネジメント―職場の精神的な安全衛生:心理社
会的リスクの管理―指針」におけるハラスメントの記述を「ESHエキスパー
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【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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■復活!今日の言霊

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■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 17件

 

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