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NO.521

製造会社で廃液4千リットル流出 県など公表せず/長野

■■ ESHの解決策
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2021.6.23 No.521

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

先日、関東地方と東北地方の梅雨入りが発表され、これにより北海道を除くす
べての地域が梅雨入りしました。しばらく梅雨空が続きそうですが、ここ最近、
梅雨とはいえないほどの豪雨災害に見舞われることが増えています。

命の危険さえ感じるような大雨や暴風などが差し迫っていることを知らせるた
めの「特別警報」が始まって9年。これまで年に2~3事例が特別警報の対象
となっています。

ある調査によると、特別警報は7月上旬に多いというデータが示されています。
毎年、このメルマガでも大雨による被害をお伝えしておりますが、くれぐれも
十分に備えていただくようお願いいたします。(門)

 

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◆オンラインセミナーのご案内

弊社では、安全衛生アカデミー「オンラインOHSエキスパート養成コース」を
開講しております。6回シリーズで、労働安全衛生の”エキスパート”として
力量を向上していただくアカデミーです。

受講後アンケートの結果、「大いに満足」、「満足」(6段階評価の6と5)が
第1回目100%、第2回目94%と高い満足度を頂戴しました。

第3回、労働安全衛生法の順守評価(遵法監査)は直前ですが、まだ間に合い
ます。

6/25(金)「オンラインセミナー:労働安全衛生法・順守評価」

次の第4回は、監査・パトロールがテーマです。

7/16(金)「オンラインセミナー:監査・パトロール」

バーチャルサイトツアーなどにより効果的な監査・パトロールの視点を学んで
いただきます。

単発でもシリーズでも受講可能です。当日のご都合が合わない場合は動画で視
聴することもできます。

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ご参加をお待ちしております。

 

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■環境不祥事の教訓

◆製造会社で廃液4千リットル流出 県など公表せず/長野 (6/20)

長野県茅野市内の製造会社から銅を含む廃液約4千リットルが流出していたこ
とが分かった。市と県は流出を把握していたが、公表はしていなかった。地元
漁協が魚類への影響を指摘している。

流出が分かったのは7日朝。同市米沢のプリント基板製造会社が廃水処理装置
から処理途中の廃液が漏れ出ているのを見つけて回収し、約10時間後の同日夕
に市に報告した。同社によると漏出量は最大4千リットルで、一部が敷地外に
流出したとみている。

市の報告で立ち入り検査をした県諏訪地域振興局によると、廃液は「銅を中心
とした凝集剤」。詳しい分析結果はまだ出ていない。

報告を受ける前の7日午前、同局に茅野市の上川でアマゴ10匹が死んでいると
いう連絡があり、県市の職員が現場で確認していた。現場は流出現場の2キロ
下流だが、因果関係は分かっていない。同課は「アマゴは固まって死んでいた。
病死ではなさそうだ」と話す。

諏訪東部漁協の矢島孝昭組合長によると、死んでいた魚はアマゴ、アユ、カジ
カ。「7日から3日間、釣り人から『死んだ魚が流れてくる』というかなりの問
い合わせがあった。死んだ魚の量は見当がつかない」と明かす。「ヒレや頭が
溶けた魚もいた。酸の影響ではないか」と話した。
(朝日新聞)

◆解説

別の記事には、「処理装置の部品が故障」、「付近の農業用水路にも流れた」
との報道もありました。

プリント基板の製造では、洗浄、メッキ、エッチングと数多くの化学物質を使
用し、その排水や廃液処理はとても重要なものです。

本件は、排水処理施設からの流出とのことですが、最大の問題は同社と茅野市、
長野県のリスクコミュニケーションです。

企業は7日の朝に漏洩に気付いたのに市への報告が10時間も後でした。

また、茅野市と長野県はそれを公表していませんでした。

記事のとおり農業用水にも流出したとしたら、大きな影響を及ぼすことも考え
られます。

水質汚濁防止法においては、「指定物質」に”銅及びその化合物”が含まれて
います。

(事故時の措置)
第十四条の二
2 指定施設を設置する工場又は事業場(指定事業場)の設置者は、当該指定
事業場において、指定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は指定物
質を含む水が当該指定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透した
ことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直
ちに、引き続く有害物質又は指定物質を含む水の排出又は浸透の防止のための
応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要
を都道府県知事に届け出なければならない。

”速やかな”届け出が求められていますが、法令では「直ちに」、「速やか
に」、「遅滞なく」が使い分けられています。

直ちに: どんな理由があっても即時に
速やかに:できるだけはやく
遅滞なく:合理的理由があればその遅れは許される程度の速さ

指定物質、有害物質、貯油施設からの油の漏えいに対しては、速やかな報告を
するために、その判断者を明確にしておくことが重要です。

★排水処理施設の老朽化対応の参考事例として国土交通省「下水道事業のス
トックマネジメント実施に関するガイドライン」を「ESHエキスパート」でご
紹介しています!

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■労働災害の真相

(1)ゴルフ場で伐採中、JRの高圧線接触2人死亡 横浜線運休/神奈川 (6/
9)

9日午前8時10分ごろ、横浜市のゴルフ場「戸塚カントリー倶楽部」で、高
所作業車のゴンドラに乗ってコース内の樹木を伐採していた男性作業員2人が
高圧線に接触した。2人は約5時間後に救助されたが、死亡が確認された。感
電死とみられる。

戸塚署によると、2人は東京都渋谷区にある造園会社の40代と50代の従業
員とみられる。

横浜市戸塚区名瀬町のコース内で、作業車を止めて伐採作業を実施。接触した
のはJRの高圧線で、アームを伸ばした状態でゴンドラを旋回させると触れる
高さにあった。 高圧線1本が切断されていた。

ゴンドラ内に操作盤があり、作業車の運転席は無人だった。

署は2人のうちどちらかがゴンドラを操作し、誤って高圧線に接近したとみて、
業務上過失致死容疑も視野に捜査する。

伐採作業は同日午前7時ごろから同社の従業員5人で始め、死亡した2人以外
は事故現場から離れた場所にいた。

事故直後の様子を目撃した人は「バーンという大きな音が聞こえ、その方向を
見るとゴンドラから火と煙が出ていた」と署に説明したという。

午後2時過ぎの運行再開までに上下線27本が運休するなどし、約1万1千人
に影響した。
(神奈川新聞)

(2)伐採中に高圧電線に接触、男性死亡/栃木 (6/20)

小山市横倉新田で午前9時40分ごろ、「工場内で柱の上が燃えている。人が
燃えている」と110番通報があった。

現場に消防が駆けつけたところ、市内の造園業の男性(68)が高所作業車の
上にある作業床で倒れているのが見つかった。

男性は、通報からおよそ4時間後、全身に大やけどをしている状態で救出され
たが、運ばれた先の病院で死亡が確認された。

警察によると、男性は事故当時1人で高所作業車を使って木の枝などの伐採作
業を行っていたということで、ほかにけが人はいなかった。

作業車は高圧電線のすぐ近くにあり、男性が見つかった作業床に焼け焦げた痕
もあることから、警察は伐採作業中に操作を誤って電線に接触したとみて、当
時の状況などを調べている。
(毎日放送)

◆解説

ひと月のうちに全く同様の死亡災害が2件発生し、3名の尊い命が失われました。
2件ともテレビのニュースでも報じられていましたので、ご存じの方も多いと
存じます。

どちらも高所作業車に乗って樹木を伐採中に高所作業車が高圧線に触れて感電
死したものです。

また、どちらも自社の社員ではなく請負(造園業)の方々でした。

高所作業車については、労働安全衛生規則において作業計画と作業指揮者が求
められています。

(作業計画)
第百九十四条の九 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、あらか
じめ、当該作業に係る場所の状況、当該高所作業車の種類及び能力等に適応す
る作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。
(以下略)

(作業指揮者)
第百九十四条の十 事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、当該作
業の指揮者を定め、その者に前条第一項の作業計画に基づき作業の指揮を行わ
せなければならない。

二つの災害は、作業計画を策定し、その際に発注者と請負会社の両者で現場確
認や情報提供が行われていれば防げた可能性は大です。ちなみにISO 45001で
は請負者の業務についてもリスクアセスメントが求められています。

特に2件目の死亡災害は1件目の災害を認識していれば、より注意深く作業が行
われ、防ぐことができたと推察されます。

本メールマガジンの影響力は限られたものだと承知していますが、少なくとも
読者の皆様はここで紹介した労働災害事例を認識し、自社やクライアントの災
害防止に役立てていただきたいと願うばかりです。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

★類似災害(類災)の見直し手法のベストプラクティスを「ESHエキスパー
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

怠け者になりなさい

■新着情報

・特化則、有機則等の5年後廃止???
職場における化学物質等の管理のあり方に関する検討会報告書(案)

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 5件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 21件

 

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環境ワークス株式会社
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発行責任者 黒崎

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