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NO.549

ブレーカー落とさず照明取り換え、作業員が感電死 同僚を書類送検

■■ ESHの解決策
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2022.8.24 No.549

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

今夏の全国高校野球は、仙台育英が東北勢初の全国制覇という偉業で幕を閉じ
ました。優勝旗が「白河の関」を越えたというニュースが大々的に報じられ、
東北出身でない私もとても嬉しい気持ちになりました。

今年の3年生は、高校に入学した当初から新型コロナウイルスの影響を受け続
けてきた、いわゆる“コロナ世代の球児たち”と呼ばれています。しかし、
高野連の調査では、3年生まで継続した部員の割合は、92.7%と、集計を始め
た昭和59年以降で最高となったそうです。関係者によると「さまざまな制約が
あるからこそ、仲間と協力し、みんなで乗り越えようと頑張ってきたことが
数字に表れたのではないか」という話です。

うちの娘も高校3年生。楽しみにしていた学校行事の多くが中止になり、友達
と放課後や休日に遊びに出掛けることもない高校生活でした。一日も早く若者
が青春を謳歌できる日常が戻ることを祈ります。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆日鉄シアン流出、3年以上 公表しなかった理由は「調査中」 (8/19)

日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)から毒性の強いシアンが流出
した問題で、流出は少なくとも3年前から続いていたことが判明した。日鉄は
水質検査でこうした問題を把握していたものの、県や近隣住民などに説明して
こなかった。18日に県庁で記者会見した同製鉄所の谷潤一所長は釈明に追われ
た。同社のコンプライアンス(法令順守)意識が問われている。

日鉄や県によると、2019年2月~22年4月に実施した排水口の水質検査でシアン
が39回検出されていた。いずれも工場敷地の北西部にある排水口で、シアンは
東京湾に流出していたとみられる。

シアンは工場内の高炉の処理水に含まれている。本来は排水されずに循環する
仕組みになっているが、何らかの理由で排水に混入したとみられている。
8月中旬に流出防止対策を済ませたという。

検査結果の公表義務はないが、対策をしないまま操業を続けることは法律で
認められていない。県は日鉄から報告がなかったことについて「重大な事案で
大変遺憾」と苦言を呈した。日鉄側も記者会見で「不適切だった」と対応に
問題があったことを認めた。

一方、6月に脱硫液の流出問題を起こした後の情報公開のあり方にも問題が
あった。

日鉄は7月1日に実施した複数回の水質検査結果について、高い方の検出値
(1リットルあたり0.98ミリグラム)は伏せ、低い方の値(同0.5ミリグラム)
だけを県に報告。翌2日に9回実施した水質検査でも7回シアンを検出したもの
の、残る2回の結果に基づき「不検出」と県に報告していた。

谷所長は「高い数値も含めてすべて報告すべきだった」と釈明。ただ、3年
以上もシアン流出を伏せてきた理由については「調査中」を繰り返した。
(毎日新聞)

◆解説

流出したのがシアン化合物で、しかも本年6月に事業所周辺の水路で魚が大量
死しているのですから、きわめて残念な対応だと言わざるを得ません。

この記事では、「同社のコンプライアンス(法令順守)意識が問われている」
とありますが、問うべきは”意識”だけでなくリスクマネジメントやガバナン
スだと考えます。

君津の事業所で問題が発生した後に日本製鉄本社はどのような対応をしたのか
が気になり、同社のウェブサイトを確認するとニュースリリースが8月18日に
次のタイトルでアップされていました。

東日本製鉄所君津地区における水質測定データの不適切な取り扱いについて

・・・の事案が発生したことを極めて重く受け止め、類似の事案の有無を過去
に遡って徹底的に調査しました。具体的には、以下の全データを総点検いたし
ました。
・水質汚濁防止法に基づき行ってきた全排水口の水質測定データ(過去5年分)
・当社と千葉県、木更津市、君津市および富津市との間で締結された環境の
保全に関する協定(以下「環境保全協定」)に定める全排水溝の水質測定デー
タ(過去3年分)
・その他当社が分析会社に発注した水質測定データ(過去3年分)
(一部抜粋)

不適切な対応が明らかになってから総点検することはもちろん必要ですが、
問題発生前にガバナンス(内部監査や本社監査など)を効かせ、不適切な対応
を適時に摘出することが期待されます。

★データ改ざんに関連する水質汚濁防止法の規定と順守評価・コンプライアン
ス監査について「ESHエキスパート」で解説しています!

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆ブレーカー落とさず照明取り換え、作業員が感電死…「効率優先させた」
同僚を書類送検/福岡 (8/11)

照明の取り換え中に作業員が感電して死亡した事故で、福岡県警は10日、一緒
に作業をしていた電気設備会社員の電気工事士の男(34)を業務上過失致死容
疑で福岡地検小倉支部に書類送検した。

発表では、男は昨年7月16日午前10時15分頃、北九州市小倉北区許斐町の工場
で、同僚の男性(当時28歳)と照明を取り換える仕事を実施。ブレーカーを
落とさずに作業し、男性を感電死させた疑い。男は調べに対し、「作業効率を
優先させたかった」と容疑を認めているという。
(読売新聞)

◆解説

感電で亡くなった方が28歳、業務上過失致死で書類送検された方が34歳と若い
方々が労働災害の犠牲になるのは残念なことです。

労働災害で責任を問われるのは、経営層や管理者層だと思っている方が多いの
ですが、それは労働安全衛生法違反であって業務上過失致死傷では経営層や
管理者層に限らないことを認識してください。

刑法
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以
下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を
死傷させた者も、同様とする。

このメルマガでもお伝えしているとおり、作業主任者も業務上過失致死傷で
責任を問われることは多く、今回の電気工事士もそうですが、知識や資格が
あると「必要な注意を怠った過失」を問われる可能性も高いと言えます。

そうなると作業主任者や職長についても、無償や安価な手当で選任することは
適切ではないのかもしれず、報酬を再考する余地がありそうです。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

★企業における資格手当の調査結果について「ESHエキスパート」でご紹介し
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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

力はすべてを征服するが、その勝利は短い

■新着情報

・社員や部下にさせてはいけない仕事
https://youtu.be/xnrvNO39vJ4

・感電死亡災害で同僚が業務上過失致死で書類送検
https://youtu.be/F0syfEPgPBU

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 7件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 15件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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環境ワークス株式会社
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発行責任者 黒崎

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