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NO.548

労働安全衛生法違反で書類送検 四日市市内の会社、作業員に安全教育せず/三重

■■ ESHの解決策
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2022.8.3 No.548

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

8月に入り、全国各地で厳しい暑さが続いています。この時期、強い日差しを
避けて、日傘を使っている方も多いのではないでしょうか。最近では女性のみ
ならず、男性さらには登校中の小中学生も日傘をさしている姿を見かけるよう
になりました。

2016年の研究結果によると、晴天時に日傘を使用することで、頭部の体感温度
が3.9~9.3℃低下。全身の体感温度も1~2℃低下することが実証されたそうです。

日傘を使ったことがないという読者様は、ぜひ一度お試しください!

夏季休業と重なるため、次号は8月24日(水)の発行となります。予めご了承
ください。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆再処理工場の冷却停止トラブル “誤ってバルブ閉じた可能性”/青森
(7/19)

青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場で、高レベルの放射性廃液
を冷却する機能が一時停止したトラブルについて、事業者の日本原燃は、原因
は、冷却用の水を循環させる配管の仕切り弁のバルブが、誤って閉じられた
可能性が高いとする調査結果を明らかにした。

六ヶ所村の再処理工場では、今月2日、高レベルの放射性廃液を保管するタン
クの1つで、廃液を冷却する設備の機能がおよそ8時間にわたり停止し、日本原
燃は、重大事故を防ぐ機能が喪失するなどした際の法律に基づく、「法令報
告」に該当すると判断し、詳しい原因を調べていた。

日本原燃は19日午前、会見を開き、トラブルの原因について調査した結果を
明らかにした。

それによると、冷却用の水を循環させる配管は2つの系統があり、1つは工事中
で、その配管の弁を閉じるよう指示された作業員が、誤って稼働している配管
の弁のバルブを閉じてしまった可能性があるという。

日本原燃の聞き取りに対し、この作業員は、稼働中の配管のバルブを閉めた
ことを否定しているということだが、バルブには表示が明確ではなく、どの
系統なのか区別するのが難しい状態であることや、指示が口頭のみであったこ
となどから、日本原燃は、作業員が誤ってバルブを操作したと推定したという。

このため、日本原燃は再発防止策として、担当者が識別しやすいようにバルブ
の部分にタグをつけるなどして、どの系統の配管なのかや、弁が開いた状態か
閉めた状態かわかるよう表示することにしていて、今月末までにトラブルが
あった建屋にある500か所あまりで対策を実施するとしている。

日本原燃は、こうした調査結果や再発防止策について、原子力規制委員会や県、
それに六ヶ所村にすでに報告したという。

再処理工場が立地する六ヶ所村によると、19日午前9時ごろ、事業者の日本原
燃の担当者が村役場を訪れ、トラブルの原因などについて報告したという。

村長は「本件は重大な事故につながるものと捉えており、誠に遺憾だ。日本原
燃には、再発防止対策にしっかり取り組み、原因を見つめ直し、安全対策に
万全を期すことを強く要請した。村としては住民の安心・安全が何よりも最優
先であり、引き続き対応を注視していく」とコメントしている。
(NHK NEWS WEB)

◆解説

洋の東西に問わず、たった一つのバルブの操作ミスが重大な環境リスクを招く
事例は少なくありません。

1999年12月、タイで4基のガソリンタンクが炎上し、死者7名、負傷者16名が
発生した事故もバルブの操作ミスが原因でした。

本件においては、「バルブには表示が明確ではなく、どの系統なのか区別する
のが難しい状態であることや、指示が口頭のみであった」ことが原因だとして
いますが、同様の状況は多くの監査でも散見されるものです。

同社の再発防止策、「担当者が識別しやすいようにバルブの部分にタグをつけ
るなどして、どの系統の配管なのかや、弁が開いた状態か閉めた状態かわかる
よう表示することにしている」は、大多数の組織にとっても環境リスクの低減
に寄与するものです。

本事例を他山の石としてバルブの操作ミスを抑止することを期待します。

★バルブ操作ミスの原因である「ヒューマンエラー」とバルブ操作ミスの防止
事例について「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆労働安全衛生法違反で書類送検 四日市市内の会社、作業員に安全教育せず
/三重 (7/22)

作業内容を変更した労働者に対して安全教育をしなかったとして、三重県の
四日市労働基準監督署は21日、労働安全衛生法違反の疑いで、建築工事、鋼構
造物加工などを営む伸和工業所と代表取締役を津地方検察庁四日市支部に書類
送検したと発表した。

同署によると、同社は3月1日に作業内容を変更した作業員1人に安全教育を
しなかった疑い。同作業員は4月4日にドリルマシンを用いてH型綱の加工を
する際、ローラーの間に右足を挟まれて切断する災害を起こしたため、同署が
調査し発覚した。
(伊勢新聞)

◆解説

雇入れ時の教育に関する送検事案となります。

労働安全衛生法

(安全衛生教育)
第五十九条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生
労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生の
ための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
(以下略)

労働安全衛生規則

(雇入れ時等の教育)
第三十五条 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更した
ときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する
業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければ
ならない。(中略)
一 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。
二 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に
関すること。
三 作業手順に関すること。
四 作業開始時の点検に関すること。
五 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
六 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。
七 事故時等における応急措置及び退避に関すること。
八 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要
な事項
(以下略)

安衛法にも安衛則にも「作業内容を変更したとき」に教育をすることが求めら
れています。

大多数の企業は入社時の教育には適切に対応できていますが、「作業内容変更
時」の教育が適切でないケースは少なくありません。

「作業内容変更時」の教育を確実に実施するためには、仕組み(システム)が
不可欠です。

特に安衛則第35条第1項第3号の「作業手順に関すること」がカバーされている
ことが重要で、そのためには、労働安全衛生だけのシステムでは十分ではなく
品質マネジメントシステムにおける力量管理やスキルマップなどのシステムと
連動することが重要です。

作業内容変更時の教育のシステムを見直して、コンプライアンスを確実にしま
しょう。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

★海外の雇入れ時教育:induction training(導入時教育)の8つの要素を
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

「神様お願いします」より「神様のおかげです」がいい

■新着情報

・作業内容変更時の安全教育を怠り労働安全衛生法違反で書類送検
https://youtu.be/blu4hXvuoDI

・大手運送会社で脚立から墜落して書類送検、脚立使用時に安全帯はどうする?
https://youtu.be/xvTPmCDSAp4

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 5件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 23件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
https://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

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