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NO.584

三幸製菓CEOら4人を書類送検 6人死亡火災、新潟県警

■■ ESHの解決策
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2024.2.7 No.584

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

5日から6日にかけて関東甲信の広い範囲で大雪となり、平地でも積雪が記録さ
れました。この積雪で首都高速道路の通行止めや宅配便集配の遅れなどは未だ
解消せず、交通への影響はまだ続きそうです。

ノーマルタイヤ使用による交通事故も多発しており、朝晩冷え込みが強まると
路面凍結の恐れもありますので、運転される方は引き続き十分にご注意くださ
い。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆排水路から検出の有機フッ素化合物 対策で濃度大きく低下/福島 (1/25)

会津若松市の高久工業団地の排水路から有害性が指摘されている物質が高い
濃度で検出された問題で、排出元の工場が対策を取った結果、その後の調査で
濃度が大きく下がったことが分かった。

この問題をめぐっては、去年11月、会津若松市の高久工業団地の排水路から、
有害性が指摘されている有機フッ素化合物、PFOSとPFOAが、これらをあわせる
と国の暫定的な目標値の440倍の濃度で検出された。

このため、県が排出元の工場に対して原因の究明を要請したところ、排水処理
でのろ過システムが主な原因とみられることが分かり、先月25日までに工場が
排出を抑制する措置を取ったという。

その後、先月28日に実施した調査で、排水路での濃度が目標値の1.4倍ほどに
まで下がっていたほか、工業団地の下流では目標値を下回る濃度になっていた。

濃度は大きく下がったものの、依然として排水路では目標値を上回っているこ
とから、県は指導や助言を行いながら、周辺の水質の監視を継続することにし
ている。
(NHK NEWS WEB)

◆解説

有機フッ素化合物PFASは、数千種類の化学物質があるとされる大きなグループ
の総称です。これらの化合物は炭素とフッ素の間の強い結合に基づいており、
その結果、水や油をはじく性質を持つため、さまざまな消費者製品や産業プロ
セスで広く使用されています。

PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、自然環境で分解しにくいため、環境や
人体に長期間留まることが問題となります。

PFASの中でもPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロ
オクタン酸)は、最も広く研究され、知られている2つの化合物です。これら
は以前は防水加工、防油加工のテキスタイル製品、調理器具、防火フォーム、
さまざまな産業プロセスで幅広い用途で使用されていました。

PFOSとPFOAは、人体に有害な影響を与える可能性があることが科学的研究に
よって示されて以来、多くの国でその使用が段階的に制限されるようになりま
した。これらの健康への潜在的な影響には、発がん性、免疫系の低下、生殖お
よび発達への影響などが含まれます。

日本では、PFOSとPFOAについて、水道水や環境中の水の暫定目標値を1リット
ル当たり合計50ng/L(50ナノグラム)と設定しています。

その根拠は、米国が2016年に定めた生涯健康勧告値の同70ナノグラム。米国の
評価をそのままに、日本国民の平均的な体重50キロで換算し直した値です。

2020年に設定されたこの「目標値」には強制力はありません。

行政の対応遅れが、アスベスト被害の二の舞に繋がらないことを祈ります。

★PFASを含む排水や飲料水の処理方法について「ESHエキスパート」でご紹介
しています!

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■労働災害の真相

◆三幸製菓CEOら4人を書類送検 6人死亡火災、新潟県警 (2/2)

2022年2月、米菓大手「三幸製菓」(新潟市)の新潟県村上市にある荒川工場
で6人が死亡した火災で、県警は2日、佐藤元保最高経営責任者(CEO)ら当時
の同社幹部4人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。県警によると4人は
出火時には工場にいなかったが、組織の安全管理体制に問題があったと判断し
た。

書類送検容疑は、工場にある乾燥機内の煎餅くずの堆積などを防ぐ対策や、
深夜の防火体制の整備に関する安全管理を怠った過失により、22年2月11日
午後11時35分ごろ、乾燥機内の煎餅くずが発火。建物を全焼させ、6人を死な
せて1人にけがを負わせた疑い。

火災では、60~70代のアルバイトの女性従業員4人と20代の男性社員2人が亡く
なり、建物約8800平方メートルが全焼した。県警は本社と工場を家宅捜索し、
経営陣や工場の担当者を事情聴取。総務省消防庁などの再現実験で、出火原因
を特定していた。

この工場では2019年までの30年ほどの間に8回、煎餅くずなどによるとみられ
る火災が発生。県警はこうした点も考慮し、同様の火災の発生を予見できたの
に、対策を取らなかった経営陣に重大な過失があったとみている。

三幸製菓は「遺族の皆さまに心よりお悔やみ申し上げる。書類送検の事実を
重く受け止め、再発防止策に全社を挙げて取り組むとともに、捜査に全面的に
協力していく」とコメントした。
(日本経済新聞)

◆解説

この事故では、同日に労働安全衛生法違反でも書類送検されています。

2月2日、新潟労働局は、法人としての同社と同社のCEOを労働安全衛生法違反
の疑いで書類送検しました。

同局によると、焼き釜とその上部に設置された乾燥機との間に防火に必要な
空間を設けなかったり、遮熱材を使用しなかったりした疑いがあり、火災は、
乾燥機の底にたまったせんべいのかすが焼き窯からの熱で過熱したことが原因
だったとのことです。

同局が適用したのは次の条文だと推察されます。

労働安全衛生規則(乾燥設備の構造等)
第二百九十四条 事業者は、乾燥設備については、次に定めるところによらな
ければならない。
一 乾燥設備の外面は、不燃性の材料で造ること。
二 乾燥設備の内面、内部のたな、わく等は、不燃性の材料で造ること。
(中略)
七 乾燥設備の内部は、掃除しやすい構造のものとすること。
(以下略)

企業は労働安全衛生規則を守っていれば良いのではなく、業務上過失致死罪に
も配慮が必要です。その条文は次のとおりです。

刑法(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以
下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を
死傷させた者も、同様とする。

「過失」とは、「注意義務違反」です。

注意をすれば、結果を認識することができ、結果を回避し得たにもかかわらず、
不注意により認識を欠き、結果を回避しなかったことの責任が問われます。

注意義務違反 =『結果予見義務違反』+『結果回避義務違反』

また「注意」とは、「具体的事件の客観的状況において社会通念上一般的に
要求されると考えられる程度の注意(最高裁判決 昭和24年3月17日)」となり
ます。

労働安全衛生法を遵守するだけでも難しいことですが、企業の経営層はリスク
を「予見」し、それを「回避」するリスクアセスメントが重要であることを
認識しなければなりません。

本件に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお伝え
しています。どうぞご覧ください。

★事業リスクとしての工場火災のリスクを診断するためのチェックリストの
事例を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

雪は天からの手紙である。

■新着情報

・労働安全衛生規則第592条の8等で定める有害性等の掲示内容について

・化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善に係る留意事項

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

6名死亡の米菓工場火災で経営幹部が書類送検、経営層は何に注意すれば
良かったのか?
https://youtu.be/QOt-ZReeCZs

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 23件

 

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