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NO.446

上越市の事業者が劇物「ホルムアルデヒド」紛失 県が立ち入り調査実施

■■ ESHの解決策
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                          2018.5.9 No.446

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?レジャーや休養などそれぞれ
有意義に過ごされたことと思います。

私は、近くの美術館で毎年こどもの日に催されるイベントで娘の吹奏楽部の演
奏を楽しんできました。昨年は中学に入学したばかりで楽器ができないためダ
ンスでの参加でしたが、今年は吹奏楽部の一員として立派に演奏を披露してい
ました。

きれいに晴れ渡った青空の下で中学生の爽やかな演奏を聞きながら、来年はど
んな成長した姿が見られるのかとても楽しみになりました。(門)

【お知らせ】次回は5月23日(水)の発行となります。

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★ISO 45001特別セミナーのご案内

BSIは、ISO45001を開発したISO/PC 283事務局代表であるBSIのチャールズ・コ
リーを招き、下記により特別セミナーを開催することとなりました。
弊社代表の黒崎もそのセミナーで講師を務めます。

つきましては、講師紹介特別割引を設定していただきましたので、読者様にご
案内いたします。

是非ともご参加ください。

【ISO 45001発行記念 特別セミナー】
ISO 45001策定幹事国のBSI(英国規格協会)だからこそ提供できる情報満載!

~ISO/PC 283事務局代表チャールズ・コリーが語るISO45001の
発行経緯と今後の動向について~

概要:(1) ISO45001の規格策定において議論された点と、最新の海外のサプ
     ライヤーCSR監査動向を含む今後の動きについて
(2) リスクアセスメント手法を含めた「リスク及び機会」のとらえ方
  を含むISO 45001の重要な要求事項を理解し、労働安全衛生パフォ
  ーマンスを向上させるツールとしてのISO 45001を自組織へどのよ
  うに適用するかなど活用ポイント

日時:6月22日(金)13:30~17:30
講師:Charles Corrie(チャールズ・コリー)ISO/PC283 Secretary
黒崎 由行 / BSIジャパン認定講師
料金:9,800円(税抜)⇒ 講師特別割引10%適用後:8,820円(税抜)

申込方法:BSIジャパンのWEBページから申込み
https://www.bsigroup.com/ja-JP/OHSAS18001/training/iso-45001-seminar-J
un/

お申し込みの際は、「発注番号/備考」欄に”講師紹介”とご記入ください。

なお、特に知りたい事項やチャールズに聞きたい情報やなどございましたら、
黒崎宛に次のメールでご連絡ください。

→ info@esh.co.jp

皆様のご参加をお待ちしております。

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■環境不祥事の教訓

◆上越市の事業者が劇物「ホルムアルデヒド」紛失 県が立ち入り調査実施/
新潟 (4/16)

新潟県上越市頸城区西福島の毒物劇物販売業者「タケショウ上越営業所」から
2018年4月13日、劇物に該当する「ホルムアルデヒド溶液」3リットルがなくな
ったと上越保健所に連絡があった。4月16日、県福祉保健部が発表した。

県によると、タケショウは2018年3月16日か19日、白色のプラスチック容器に
入ったホルムアルデヒド3リットルを埼玉県にあるメーカーに返品するため、
配送を担当している運送業者、新興運輸(上越市黒井)に持ち込み、十分な引
き継ぎを行わずに倉庫に置いてきたという。

3月27日にメーカーから「ホルムアルデヒドが戻ってこない」との連絡で所在
不明になっていることが判明。その後、それぞれ捜索したが発見できず、4月1
3日午後5時25分に上越保健所に連絡した。

県によるとホルムアルデヒド溶液は無色の液体で、刺激臭を持つ工業用原料。
試薬や消毒などで使用されるという。皮膚や粘膜に付着した場合は発疹が出る
など炎症を起こすほか、吸入した場合には気管支炎などを引き起こす可能性が
あるという。県によるとタケショウの担当者は容器2個が入る段ボールに、ホ
ルムアルデヒド1個を入れて新興運輸に持ち込んだ。タケショウは紛失を受け、
4月13日に警察へ届け出た。上越保健所は16日、タケショウ上越営業所に対し
て立入検査を実施した。

県は当該事業所に対し、発見に向けて引き続き捜索するよう指導したほか、再
発防止に向けての指導を行った。また、県内の毒物劇物営業者に対し、毒物や
劇物の適正な取り扱いの徹底について書面で周知した。
(上越タウンジャーナル)

◆解説

毒物劇物が盗難にあい、または紛失した際に関する毒物劇物取締法の規定は次
のとおりです。

【毒物劇物取締法】
(事故の際の措置)
第十六条の二
2 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が
盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署に届け出なければ
ならない。

この条文からは対象が毒物劇物営業者及び特定毒物研究者に限られますが、次
の条文により全ての事業者が対象となります。

(業務上取扱者の届出等)
第二十二条
5 第十一条、第十二条第一項及び第三項、第十六条の二並びに第十七条第二
項から第五項までの規定は、毒物劇物営業者、特定毒物研究者及び第一項に規
定する者(筆者注:業務上取扱者)以外の者であつて厚生労働省令で定める毒
物又は劇物を業務上取り扱うものについて準用する。

本件では、3月27日紛失が判明し、4月13日に上越保健所に連絡したとのことで
すので、明らかに対応が遅れています。

悪意を持つ者に悪用されたら取り返しがつかない事態となることを認識して、
法令で定めるとおり、「直ちに」警察署に届け出ることが重要です。

★「毒物劇物危害防止規定」による管理・責任体制の明確化について「ESHエ
キスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関に審査員教育用資料として
   採用されています。

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■労働災害の真相

◆3人死傷、王子製紙工場アンモニア噴出で社員2人を書類送検 事故防止措
置講じず 愛知県警 (4/25)

愛知県春日井市の王子製紙春日井工場で平成29年7月、タンクからアンモニ
ア水が噴き出し、男性社員3人が死傷した事故で、県警捜査1課は25日、事
故防止の措置を講じなかったとして業務上過失致死傷の疑いで、特定化学物質
作業主任者の男性社員(58)と、現場責任者の操業長だった男性社員(5
8)を書類送検した。

事故では、同社社員=当時(41)=がアンモニア水を浴びた熱傷による多臓
器不全で死亡したほか、作業や救助に向かった社員2人が眼や肩をやけどし、
軽傷を負った。

書類送検容疑は、タンクの液面計の交換作業に際し、バルブが破損してアンモ
ニア水が噴出する危険性を認識していたのに、タンクを空にするなどの事故を
防止する具体的な措置を取らず、3人を死傷させたとしている。

事故は29年7月28日に発生。同課によると、故障した液面計の交換のため
配管のバルブを閉じようとしたところ、根元が破断して濃度25%のアンモニ
ア水が噴出した。バルブはさびて回転しなくなっていた。アンモニア水は工場
の排水を浄化する過程で使用し、前日に10トンを補充したばかりだったとい
う。
(産経WEST)

◆解説

業務上過失致死傷罪で書類送検された二人のうちの一人は作業主任者でした。
作業主任者が業務上過失致死傷罪で送検される事例は珍しいのではないかと思
います。

労働安全衛生法違反の場合は、作業主任者に職務を果たさせなかった事業者が
罪を問われるからです。

次のとおり、主語は「事業者」となります。

【特定化学物質障害予防規則】
(特定化学物質作業主任者の職務)
第二十八条 事業者は、特定化学物質作業主任者に次の事項を行わせなければ
ならない。(以下略)

作業主任者は、労働安全衛生法違反では法的責任を問われなくても、業務上過
失致死傷罪では法的責任を問われるというのは大きな教訓になると思います。

なお、前記の第二十八条で求められている作業主任者の職務(抜粋)は次のと
おりです;

一 作業従事者が特定化学物質により汚染され、吸入しないように、作業の方
法を決定し、労働者を指揮すること。
二 局所排気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置などの装置
を一月を超えない期間ごとに点検すること。
三 保護具の使用状況を監視すること。
四 タンクの内部で特別有機溶剤業務に従事するときは、有機則第二十六条各
号に定める措置が講じられていることを確認すること。

経営層や管理職は、作業主任者が”名ばかり作業主任者”にならぬよう適切な
人物を選任し、指導・支援することが重要です。

★作業主任者について関連する労働安全衛生規則及び通達を「ESHエキスパー
ト」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

 走る列車の中で、外の景色を眺めているのと同じ

■新着情報

 ★OH&SMS認証のためのIAF基準文書 MD22 参考訳の公表

 ・平成30年度 フロン排出抑制法に関する説明会

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 17件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

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発行責任者 黒崎

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