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NO.534

事故死の女子学生、自主制作1人で作業 宇都宮・文星芸大/栃木

■■ ESHの解決策
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2022.1.7 No.534

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

2022年、最初のメールマガジンとなります。
本年もご愛読をよろしくお願いいたします。

さて、弊社では一昨年より「知識という財産の還元」を社是としています。

その一環としてスタートした、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」は、
昨年一年間で69本の動画をアップ、1,730人の方々にチャンネル登録していた
だき、現在は登録者数2,500人を超えています。

https://www.youtube.com/channel/UCM2xG0-9rd3JhcDyRIh5eOg/videos

また、昨年よりオンラインセミナー「安全衛生アカデミー」を開講し多くの
方々にご参加いただきました。

一方で、昨年は3件の死亡災害を含む多くの労働災害にも関与させていただき
ました。その多くはマネジメントの欠陥が主原因です。まだまだ多くの正しい
情報をお伝えする必要があると痛感しております。

本年も昨年同様「知識という財産の還元」に努め、微力ながら不幸な労働災害
の防止に寄与できるよう努めて参りますので、変わらぬご支援をお願いいたし
ます。

2022年1月7日
環境ワークス株式会社
代表取締役 黒崎 由行

 

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◆1/21監査・パトロールセミナー

弊社では、安全衛生スタッフや監査員・審査員向けにオンラインセミナー
【監査・パトロール】を1月21日(金)に開催します。
当日のご都合が合わない場合は動画での視聴も可能です。

本年7月開催の同セミナーでは、92.9%(大いに満足、満足)の高評価を頂戴し
ました。

受講された安全衛生スタッフ、コンサルタントの方々の声を一部ご紹介いたし
ます。

・パトロール時に見る観点を、写真や映像を使用してダミー体験できたこと。
例題に自社にない設備や場面があったので、良い学習ができました。改めて労
働安全衛生において知識の広さと深さが求められることを痛感しました。
・薬品会社のv字式の設備は見たことがなかったため、普段見れないリスクが
見れて良かった。今日のような視点で監査をすれば、まだまだ出来ていないこ
とがたくさんあると感じた。
・サイトツアーでの着眼ポイントは参考になりました。指摘事項と関係法令条
文との関係を説明されたところが良かったです。
・後半のサイトツアーの写真を拝見しながらの質疑応答は、大変参考になり、
これからの職場巡回に活かせることが多かったです。
・これまでのセミナーで学習した内容をサイトツアーで実践する、といった総
まとめ感のあるセミナーでした。 4月からの学習が身についている実感と、繰
り返し確認しなくてはならないことを意識できました。
・今回のセミナーだけではありませんが、コロナ禍の中での安全衛生教育や監
査の手法が良くわかります。

詳細は次のサイトをご覧ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/gfrsv

 

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■環境不祥事の教訓

◆原発は「低炭素への移行を加速」 欧州委が位置づけ方針発表

欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は1日、原子力発電を地球温暖化対策
に役立つエネルギー源だと位置づける方針を発表した。原発の活用については、
ドイツが脱原発を進める一方でフランスが新設を検討するなど、EU内で賛否が
割れているが、欧州委は、再生可能エネルギーを主軸にした「脱炭素社会」へ
の移行過程で、天然ガスとともに「(果たしうる)役割がある」とした。

温室効果ガス排出を2050年に実質ゼロにする目標の実現に向け、原発を脱炭素
につながる「グリーン」とみなして投資を呼び込みやすくする。運転期限を迎
える原発もあり、域内での新増設も後押しする形だ。

EUは、発電、交通、建築など様々な経済活動ごとに、環境面での持続可能性な
どについて仕分けするルール「EUタクソノミー(分類)」を設けている。風力
や太陽光などを列挙する発電分野に一定の条件のもとで原発や天然ガスの項目
を追加する方向だ。加盟国の専門家らの意見を求めたうえで、1月中にも正式
決定するという。

欧州委はEUタクソノミーを「グリーンリスト」と呼んでいる。基準に合致して
環境に良い事業と認定されれば、企業が債券の発行などを通じて資金調達する
際に、投資家を引きつけたり、好条件を得られたりしやすくなる。また、加盟
国政府などは環境対応のプロジェクトだとして公的な資金を振り向けやすくな
る。

ESG(環境・社会・企業統治)を重視した投資が世界的に拡大するなか、EUの
お墨付きを得ることで、原発の維持や新設を担う企業は必要なお金を集めやす
くなる。

原発は発電時に二酸化炭素CO2を排出しない半面、放射性廃棄物の問題や事故
への懸念がある。欧州委は国ごとにエネルギー政策が異なることを踏まえつつ
も、原発をタクソノミーに組み込めば「石炭のような環境に悪いエネルギー源
を離れ、より低炭素なエネルギーの組み合わせへの移行を加速できる」と説明
した。

EU内には13カ国に100基余りの原発がある。90年代の33%前後から減少傾向にあ
るが、19年時点で発電量全体の26%を占める。欧州委のフォンデアライエン委
員長は、再エネへの注力を繰り返し強調する一方で、「安定したエネルギー源
として原発が必要だ」としていた。また、ロシアを含む資源国への依存を減ら
す「エネルギー安全保障」の面からも原発を推す声がある。

ただ、22年末の脱原発をめざすドイツのほか、オーストリア、デンマークなど
計5カ国は昨秋、環境担当などの閣僚が連名で、「タクソノミーの信頼を損な
う」として原発の組み入れに反対する共同声明を発表していた。ドイツのハー
ベック経済気候相は1日、DPA通信に「高いリスクがある原発を持続可能だと分
類するのは間違っている」と語った。放射性廃棄物が人類や環境に与える影響
が無視できないことを理由に挙げた。一方で、原発が発電量の約7割を占める
フランスのほか、今は原発がないポーランドなど計10カ国はタクソノミーに原
発を加えるよう求める姿勢を鮮明にしていた。
(朝日新聞DIGITAL)

◆原発「グリーン」認定に反発 独や環境団体、EU方針に

欧州連合(EU)欧州委員会が、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない原発を
地球温暖化対策に資する“グリーン”な投資先として認定する方針を発表、
ドイツやスペインなど脱原発派の加盟国や環境団体が3日までに強く反発した。
一方、推進派のフランスなどは歓迎。原発を巡る各国の溝の深さが改めて浮き
彫りになった。

欧州委は1日の声明で原発には低炭素社会への移行に向けた「役割がある」と
表明。環境に配慮した企業への投資を促すため、グリーンな投資先を分類する
EUの制度タクソノミーで、原発と天然ガスを一定条件下で対象に追加する案を
加盟国に提示したと発表した。
(共同通信)

◆解説

脱炭素も原子力発電も政治問題でもあります。

EUの方針に反発が出るのは当然です。原発は仮に温暖化に資するとしても、
廃棄物の処理方法も定まらない原発自体が持続可能ではないのですから。

菅前首相が2020年10月26日に開会した臨時国会の所信表明演説で、国内の温暖
化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針を表明しました。

日本には好都合のEUの方針です。

温室効果ガスによる地球温暖化には未だに懐疑論が根強いですが、一方で気候
変動が厳しさを増していることも明らかな事実です。

温暖化対策や原発の取り扱いが、今後どのように推移するのか、EHSに関連す
る者としても一国民としても注目が必要です。

★気候変動や脱炭素に対する企業の取組みとして代表的な3つのスキームを
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆事故死の女子学生、自主制作1人で作業 宇都宮・文星芸大/栃木 (1/1)

宇都宮市の文星芸術大構内で22日、同大3年の女子学生(21)が鉄板の切断作
業中にやけどを負って死亡した事故で、女子学生は立体作品の自主制作の時間
に、燃えにくい作業着などを着て1人で作業していたことが31日、宇都宮中央
署や大学への取材で分かった。同署は大学の安全対策に問題がなかったかどう
かを含め、原因を調べている。

同署や大学によると、女子学生は総合造形専攻で立体が専門だった。22日は
授業日ではなく作品の自主制作日で出席義務はなかった。正午ごろから多目的
工房室の外の作業台で、電動工具のグラインダーで鉄板を切断するなどの作業
を1人でしていた。

事故発生前は難燃性のつなぎ、帽子、ゴーグルなど大学からの注意事項を守っ
た服装だった。グラインダーを使用する際は見張り役の教職員が付くルールで、
多目的工房室内には職員がいた。午後2時ごろ、職員が悲鳴を聞いて外に出る
と、女子学生の上半身から炎が上がっていたという。

大学は23日、事故原因究明のための調査委員会を設置した。ちばてつや学長は
31日、「大変申し訳なく重く受け止めている。しっかりと向き合い、今後この
ようなことが起きないよう努めていく」とのコメントを公表した。
(下野新聞)

◆解説

女子学生を突然に襲った悲劇です。

学生の勉学中の災害ですので、「労働災害」ではなく「教育研究災害」となり
ますが、いずれにしても悲劇です。

記事によれば「難燃性のつなぎ、帽子、ゴーグルなど大学からの注意事項を
守った服装だった」とのことで、グラインダーの火花で何故にこれほどの火傷
災害に至ったのか、調査が待たれるところです。

この不幸な「着衣着火」を繰り返さないために有効なのが、「ストップ、
ドロップ アンド ロール」(Stop Drop and Roll:以下SDR)という対処法で
す。

【STOP:止まって】
火が燃え広がるため、走り回るのは危険。火の勢いを大きくさせないために
「ストップ」する。

【DROP:倒れて】
地面に倒れこみ、燃えているところを押し付ける。隙間をできる限りなくす。
倒れることで、顔の前に火が上るのを防ぐ効果もある。

【ROLL:転がって】
倒れたまま転がり、消火する。この際、両手で顔を覆ってやけどを防ぐ

SDRは、1980年代から現在に至るまでに、米国における火災予防に関する公衆
教育のプログラムの一部として考案されたもので、米国の消防士が小児を含む
市民に対して着衣着火時の自己防衛策として指導したのが始まりといわれてい
ます。

残念ながら私自身がSDRを知ったのは、京都アニメーションの放火事件の後に
京都市消防局が作った動画を見た時でした。おそらく多くの人々はご存じない
ことでしょう。

消防庁の調査によれば、着衣着火により2015年から2020年までの5年間で572人、
毎年100人前後が命を落としているとのことです。

特に焚火や炊事中の着衣着火事故が多いとのことで、労働災害だけの問題では
ありません。起因物として多いのは、コンロ、仏壇、ストーブ、バーナーです。
近年ですと消毒用のアルコールも着衣着火の原因になり得ます。

是非ともSDRを貴社の防災教育を採り入れていただくことを期待します。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

★火気使用作業および可燃性物質の取り扱い時に必要な作業服のタイプと選定
時の注意事項について「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

人を信じよ、しかし、その百倍も自らを信じよ

■新着情報

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

海上自衛隊の死亡災害に学ぶ再発防止のポイント:ISO45001を活かす
https://youtu.be/9du53snLUGQ

2022年も失敗に学ぼう
https://youtu.be/F8fpg0cCBMc

女子学生死亡 着衣着火への対応は
https://youtu.be/r3MCxwhLV-A

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 17件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
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