無料メールマガジン詳細

NO.242

劇物ガス漏れ:日ポリ、通報遅れる 住民の苦情で5時間半後/山口

■■ ESHの解決策
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                          2009.11.4 No.242

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆ご挨拶

先日、宇都宮市にある「チワワ牧場」というところに遊びに行ってきました。
中へ入ってビックリ。ワンちゃんが沢山放し飼いになっていて、本当に「牧
場」といった感じでした。チワワのほかにもパピヨンやトイプードルなどの人
気小型犬がいっぱい!みんな人懐こくてベンチに座ると「抱っこして~」とひ
ざの上に乗ってきます。

気に入ったワンちゃんを1日千円でレンタルできるので、早速、生後2ヶ月の
チワワの赤ちゃんをレンタルして近くの公園をお散歩してきました。娘は当然
大はしゃぎでしたが、私もその可愛さにノックアウト寸前で思わず「飼ってい
い?」と喉まで出かかってしまいました。

最近、娘から「犬を飼いたい」とおねだりされていたのですが、我が家のよう
に共稼ぎでなかなか動物を飼えない家庭でも週末だけワンちゃんと過ごせる有
難いサービスです。素晴らしいビジネスモデルですね。(門)

———————————————————————-

■環境不祥事の教訓

◆劇物ガス漏れ:日ポリ、通報遅れる 住民の苦情で5時間半後/山口 (10/2
2)

21日午前9時44分ごろ、周南市のウレタンメーカー「日本ポリウレタン工
業」で、樹脂原料の製造プラントから原料として使う劇物の有害化学物質「ト
ルエンジアミン」のガスが12分間漏れた。

同社は発生から約5時間半後の午後3時11分に電話で周南市消防本部に通報。
遅れた理由について「危険物ではなく、微量だったので通報は必要ないと現場
レベルで判断したようだ」と説明した。同社などによると、健康被害などの報
告は今のところないという。

日ポリによると、同日午後2時ごろ、工場の近隣住民から「洗濯物が汚れてい
る」と同じ敷地にある親会社の総合化学メーカー「東ソー」南陽事業所に連絡
があった。同社が思い当たることがないか関係会社に確認したところ、日ポリ
がガス漏れを報告し、消防へ「プラントからTDA(トルエンジアミン)が飛
散した」と通報した。トルエンジアミンは通常、配管内を液状で流れているが、
配管の間の特殊ガラス製のフィルターが割れ、気化して外に漏れ出したという。

◆続報

10/22・消防などへの通報が5時間以上遅れた問題で、市消防本部は同社に対
して通報体制の見直しなどを求める文書指導をした。

10/23・霧状になったTDAが風に流され、工場から東へ約3キロ離れた市街
地まで達していたことが23日、同社などへの取材でわかった。日ポリによる
と、TDAの黒点が付着した自動車は23日夕時点で約300台。うち、自動
車販売店の新車や中古車が百数十台を占め、さらに増える見通し。同社は補償
を検討しており、損害額は数千万円以上になる可能性もあるとみている。

10/23・県は、事故の消防への通報が発生約5時間半後と遅かった点を重大視
し、日ポリに通報体制の改善を求める行政指導をした。県の総務部長が、県庁
で事故経過などの報告に訪れた日ポリ南陽本部長に指導文書を手渡し、あわせ
て事故原因の究明と再発防止策の報告を求めた。

10/31・同社の南陽本部長は、配管に取り付けた点検用の小型ガラス窓が腐食
して割れ、TDAが漏れたとする事故原因を市環境審議会に報告、通報遅れと
ともに謝罪した。

同社によると、事故が起きた樹脂原料製造プラントは99年に建設。ガラス窓
の点検・交換は、旧施設でも37年間せずに問題がなかったため、一度もして
こなかった。しかし、事故後の調査で、現施設はTDAの温度が旧施設より約
50度高く、アルカリ腐食が進みやすくなっていたことが判明。破損したガラ
ス窓も腐食が進んで薄くなっていた。同社は工場内の類似するガラス窓94カ
所を点検し、うち3カ所で腐食による強度の低下を確認。配管に変えるなどし
て撤去した。

霧状になって工場外へ飛散したTDAの黒点付着は28日現在、自動車販売店
を中心に車両622台で確認された。健康被害の報告はないものの、住宅など
27軒でも衣類などに被害が出ており、同社は25日までに周辺約4500世
帯へおわびの文書を配布した。

日ポリは再発防止策として、ガラス窓を2年ごとに点検するとともに、約5時
間半遅れた通報体制についても
(1) 幹部・現場責任者の再教育
(2) 通報マニュアル作成・携帯
(3) 通報訓練
を実施し、改善していくとしている。

◆解説

同社は2007年と2008年にはホスゲンの漏洩事故を起こし、昨年11月には市環境
審議会に事故原因と再発防止策を報告しました。その中では、ホスゲン漏えい
事故の原因について人的ミスや警報機器の不具合が重なって起きたとし、社員
教育の見直しや点検強化などの防止策を示しました。

本年9月には、MDIプラントで火災も発生しており、「早急に事故の原因を究明
し、関係官庁の指導の下、再発防止の対策を講ずる所存であります」とHPに謝
罪文も掲載していました。

大きな問題点は二つあると考えます。

1点目はリスクアセスメントです。

漏洩源のガラス窓が旧施設において37年間問題なかったために安心していた
と思われますが、しかし現施設の温度が旧施設より約50度高いとのことです。
化学プラントにおける50℃の相違が適切に評価されていれば、ガラス窓の点
検について手が打たれたかもしれません。

2点目は通報体制です。

前述のとおり、これまでの事故においても通報の遅れは問題となっていました
が、「危険物ではなく、微量だったので通報は必要ないと現場レベルで判断し
たようだ」となってしまったのはなぜでしょうか。関係官庁に約束した社員教
育の見直しは妥当だったのでしょうか。

今回も通報遅れ対策として、幹部・現場責任者の再教育/通報マニュアル作
成・携帯/通報訓練を約束していますが、これまでとはどのように異なるので
しょうか。

根本原因を追究しての是正(再発防止)処置が期待されます。

★化学プラントにおける緊急時遮断のベストプラクティスについてESHエキス
パートで詳述しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————-

■労働災害の真相

◆爆発:廃油タンク爆発、隣接3基に延焼-愛知の工場 (10/27)

26日午後2時45分ごろ、愛知県刈谷市一里山町の廃油リサイクル業「三和
油化工業」で、金属製の廃油タンク(直径約3メートル、高さ約4.5メート
ル)が爆発した。隣接するタンク3基にも延焼し、約2時間半後に鎮火した。
吹き飛んだタンクのふたの一部(直径約70センチ)が約120メートル離れ
た民家を直撃し、屋根の一部を壊すなど2棟に被害がでた。けが人はなかった。
愛知県警刈谷署は爆発当時の状況について詳しく調べる。

刈谷署によると、タンクには廃油約20キロリットルが入っていた。男性従業
員が廃油をリサイクルするため、タンク1基に水溶性アルコールを注入する作
業中に爆発したという。

(続報)

刈谷市の三和油化工業で26日に起きた廃油タンクの爆発・炎上事故は、同社
にとって96年以来3度目。なぜ同じ事故を繰り返すのか、安全管理のチェッ
ク機能は働いているのか--。地元住民の間に憤りと疑問が広がっている。

衣浦東部広域連合消防局によると、ここ10年余りの間、同社のタンク爆発・
炎上事故は、96年7月(1人死亡)と99年7月(死傷者なし)に発生。大
きな火災も97年11月(死傷者なし)、05年4月(同)、05年7月(1
人けが)の3回を数える。危険物製造施設としては「異例の多さ」(同消防
局)という。

◆解説

またしても廃棄物処理施設での爆発事故です。

アルコールをタンクに注入中とのことですので、常温で爆発範囲に入っており、
着火源があれば爆発を起こす状況にあったと考えられます。

着火源としては、静電気、電気火花、タンク内の在庫物質との反応などが考え
られます。

性状の不明な廃棄物を扱うのですから、化学プラント並みのハート/ソフト対
策が必要ですが、実際には十分ではない状況も散見され、排出事業者としても
注意が必要です。

なお、当該施設はISO14001及びOHSAS18001の認証も取得しており、審査機関の
対応も注目されるところです。

廃棄物処理施設の火災爆発については、月刊誌「環境ビジネス」2008年10月号
で特集し、弊社でも情報提供と対談で協力しています。是非ともご覧ください。

★火災爆発の関連法令をESHエキスパートでご紹介しています!

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

「理性は鞘(さや)なり」

■新着情報

・エコドライブ推進月間について

・「労働時間適正化キャンペーン」の実施について

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報4件

■不法投棄関連情報

 全国の労働災害・書類送検情報7件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報11件

【ESHエキスパート】 → http://www.esh.co.jp/expert.html

———————————————————————-

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

メルマガは、発行者からは読者を知ることができず、不特定多数の方に配信す
ることになります。読者様も増え、実名を含む記事の紹介などの支障も懸念さ
れるためです。

どうぞご理解ください。

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
   → http://www.esh.co.jp/expert.html

  ★お申込みの際、≪質問・ご確認事項など≫欄に必ず「メルマガ読者」と
   ご記入ください。
  

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

———————————————————————

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、OHSAS18001に関する有料の資料集サイト「ESHデ
ータバンク」のサービス、好評提供中です。

http://www.esh.co.jp/eshdatabank.html

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◇

【発行元】
環境ワークス株式会社
http://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
 掲載された記事の内容を許可なく転載する
 ことを禁じます。問い合わせ下さい。 (C) Copyright -2008
———————————————————————-

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、全国の事故事例や法令改正情報などをお届けします。

ページトップへ