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NO.267

労災事故:廃プラ処理、2人死亡 作業中に下敷きか-サニックス富士工場/静岡

■■ ESHの解決策
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                          2010.11.17 No.267

企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

日に日に寒さが厳しくなり、足早に秋から冬へと季節が変わっているのを感じ
ます。気温の変化からか、風邪が流行っているようです。皆さま、くれぐれも
ご自愛ください。

週末、目の前で乗用車とトラックによる事故(乗用車の運転手死亡)を目撃し
た、自分が出会い頭で事故を起こしてしまった、という話を身近な人達から聞
かされました。

これから年末にかけて、交通量の増加や慌しさから交通事故の多発が懸念され
ます。また、飲酒の機会も増えるこの時期、くれぐれも安全運転を心がけてい
ただきたいと思います。 (門)

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■環境不祥事の教訓

◆新日鉄名古屋:汚水漏出の疑い 会社と社員を書類送検 (11/2)

新日鉄名古屋製鉄所(愛知県東海市)が国の基準を超える高濃度のアルカリ水
を名古屋港に漏出させていた事件で、名古屋海上保安部は1日、同製鉄所の環
境保安責任者の男性グループリーダー(52)と同社を水質汚濁防止法違反容
疑で名古屋地検に書類送検した。

発表によると、リーダーは今年1月18日、社員から「製鉄所の護岸に亀裂が
あり排水が漏出している」と報告を受けたにもかかわらず、水質検査などをせ
ずに放置し、同月19日~2月1日に計7回、同法に定められた水素イオン指
数(pH)5.0~9.0を超える高アルカリ性の排水(pH12.1~12.
3)を名古屋港に流した疑い。リーダーは「大したことではなく、検査は必要
ないと判断した」と供述しているという。

◆解説

本年2月の記事は次のとおりです。

名古屋海上保安部監視取締艇が巡視警戒していた1月18日、同製鉄所西側の
護岸ブロックの割れ目2カ所から白濁水が漏出しているのを発見。同19日、
漏水の水素イオン濃度(pH)を調べたところ、同法で定めている排出基準値
(5~9)を上回る約12の高アルカリ性と判明。1日約5立方メートルの汚
水が漏出していた。

同保安部は8日午前、水質汚濁防止法違反容疑で同製鉄所に家宅捜索に入った。

本メルマガの多くの読者と同じ「環境保安責任者」に関するものであり、他人
事ではない事例です。

「護岸に亀裂があり排水が漏出」であれば簡単に対策できるものではないこと
も予想されますが、記事によれば、「水質検査などをせずに放置し」とあり、
グループリーダーとしてはアルカリ排水を流したことより”無策”であったこ
とが問題視されたと考えられます。

コミュニケーションに対して「文書化して対応する」ことの重要性を示す事例
とも言えそうです。

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■労働災害の真相

◆労災事故:廃プラ処理、2人死亡 作業中に下敷きか-サニックス富士工場
/静岡 (11/5)

4日午前8時40分ごろ、富士市五貫島の産業廃棄物処理施設「サニックス富
士工場」から「作業員が工場内の機械に挟まれた」と119番があった。市消
防本部の隊員が駆けつけ、廃プラスチックを破砕する設備内で男性2人を見つ
けた。大量の廃プラスチックに埋まって、既に死亡していた。富士署は労災事
故とみて死因と事故原因を調べている。

同署によると、死亡したのは同社従業員(45)▽同(36)。ともに3日午
後9時~4日午前5時半の夜間勤務中で、廃プラスチックをベルトコンベヤー
で運び、約7メートル下の破砕機に落とす設備で作業していた。

同署によると、2人はベルトコンベヤーと破砕機の間にある中間槽内で見つか
った。廃プラスチックが詰まり、中間槽で取り除く作業をしているうち、落下
してきた3立方メートル以上の廃プラスチックの下敷きになった可能性がある
とみている。

同社は4日夜、記者会見を開き、下城正寛経営企画部長が「貴重な人材を失い
遺憾だ。原因究明と再発防止に取り組みたい」と謝罪した。全国15カ所ある
同社の同じ設備で、同様の事例は数年に1度という。対応マニュアルは作って
いなかった。安全が確認できるまで富士工場の操業を停止する方針を示した。

(続報)工場説明 廃プラの詰まりは『まれ』 (11/5)

富士市五貫島の害虫駆除大手サニックスの産廃処理工場で、破砕機に入った作
業員2人が廃プラスチックの下敷きになり死亡した事故で、同社は4日夜、工
場で会見し、詰まった廃プラスチックを取り除くための作業マニュアルがなか
ったことを明らかにした。

同社の環境資源開発本部長らによると、破砕機で処理していたのはポリ袋など
の軟らかく軽いプラスチック。「8年前から稼働しているが、プラスチックが
詰まるのは非常にまれなケース。1年に一度あるかないか」で、特に作業マニ
ュアルは設けていなかったという。

プラスチックが詰まった場合は、破砕機最上部の点検孔から棒で突いて落とす
か、ベルトコンベヤーを逆回転させるなどの方法で解消するのが通例。死亡し
た2人は勤務歴2~3年で「(職場での)情報の共有で知っていたと思う」と
説明した。

一方、破砕機をメンテナンスする際のマニュアルでは、作業員が内部に入った
場合は必ず別の作業員が外で待機するよう定めていたという。

工場は当面の間操業を停止する。本部長らは「貴重な人材を失った」と遺憾の
意を表し、「原因究明に努め、再発防止に全力で取り組みたい」と述べた。

◆解説

別の報道では次のような記述があります。

4日午前8時35分ごろ、サニックスの産業廃棄物処理施設から「作業員の男
性2人の姿が見えない」と119番があり、駆け付けた消防署員が、2人が廃
プラスチック破砕機の中で死亡しているのを確認した。

破砕機に送る廃プラスチックをためる中間槽に詰まったゴミを取り除こうとし
た際、落下してきた重さ約1トン以上の廃プラに埋もれ、窒息死した可能性が
高いという。

2人は3日午後9時から4日午前5時の夜勤。現場に他の勤務者はいなかった。

記者会見で、「詰まった廃プラスチックを取り除くための作業マニュアルがな
かったことを明らかにした」とのことですが、全ての作業をマニュアル化する
ことは不可能です。

特にトラブル対応に関しては、マニュアル化は難しいことも多いでしょう。

そのような時こそ、「安全文化(セイフティカルチャー)」が決め手となりま
す。

「安全文化(セイフティカルチャー)」という考え方は、1986年に発生したチ
ェルノブイリ事故の原因の調査と検討の結果でも述べられています。

調査にあたった国際原子力安全諮問グループ(INSAG=International Nuclear
Safety Advisory Group)は、事故の原因を分析していく中で、この事故の根
本的な原因として、そもそも現場の作業者も、また原子力発電所の運転にあた
っている事業者も、そして国レベルでも、原子力の安全に対する考え方や意識
そのものに問題があるのではないか、それは「文化」と呼べるほどの深さと広
さをもって、個人や組織あるいは社会の意識や行動を左右しているのではない
かとの疑問を提起しました。

1992年にINSAGは報告書をまとめ、その中で、「安全文化とは、組織と個人が
安全を最優先する風土や気風のこと」と記しています。

貴社の風土、気風は安全文化と呼べるほどに醸成されているか、再確認されて
はいかがでしょうか。

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

 から → からこそ

■新着情報

・産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況
(平成18年度実績及び平成19年度実績)について

・生物多様性条約第10回締約国会議の結果(ハイレベルセグメント結果等を含
 む)について

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報7件

■不法投棄関連情報

 全国の不法投棄関連情報1件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報8件

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