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NO.531

労災死亡事故で書類送検 亀山の物流請負会社と社長 安衛法違反容疑

■■ ESHの解決策
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2021.11.24 No.531

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

140年ぶりに全国で観測できると話題になった19日の”ほぼ皆既月食”、読者
の皆様はご覧になったでしょうか?私は月食が最大となる午後6時ごろから1時
間ほど、愛犬の散歩をしながら幻想的な月の姿を堪能いたしました。

話は変わりますが、先日また高齢者の運転ミスによる死傷事故が発生してしま
いました。過去の事故と同様、原因はブレーキとアクセルの踏み間違いという
ことで、せめて誤発進防止装置など安全装備を搭載していたらと残念でなりま
せん。

私自身、安全運転を心掛けているつもりですが、加齢に従って反応時間の低下
を感じる場面が多くなりました。こうした事故を教訓に、今まで以上に周囲の
状況に目を配る習慣を身につけていきたいと思います。年末に向けて皆様もく
れぐれもご安全にお過ごしください。(門)

 

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◆12/17労働安全衛生法・順守評価セミナー

弊社では、安全衛生スタッフや監査員・審査員向けにオンラインセミナー
【労働安全衛生法・順守評価】を12月17日(金)に開催します。
当日のご都合が合わない場合は動画での視聴も可能です。

本年6月開催の同セミナーでは、93.4%(大いに満足、満足)の高評価を頂戴し
ました。

受講された安全衛生スタッフ、コンサルタントの方々の声を一部ご紹介いたし
ます。

・コンプライアンス監査や順守評価でのポイントを知ることができました。
ビデオや写真を使用した監査のトレーニング形式が良かったです。
労働安全衛生法での監査ポイントも学習でき、非常に有意義なセミナーでし
た。
・写真やビデオによるサイトツアーはよく工夫されており、大変参考になりま
した。パトロール時の大事な着眼点、根拠法令との関連など大いに勉強にな
りました。
・法令解釈や新しい情報、実務に即した実践的トレーニングが非常に勉強にな
りました。
・他の参加者のレベルが非常に高く、まだまだこれから学ばなければならない
ことが多いことを実感できたことが収穫でした。
・労働安全衛生法に深くかかわる部署の経験がなかったが、事例や演習を通し
て理解を深めることができた。

詳細は次のサイトをご覧ください。
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11月26日のマネジメントシステム/ガバナンスセミナーも受付中です。
こちらよりお申込みください。
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☆発行日変更のお知らせ

通常は第1,3水曜日が発行日ですが、年内は次のとおりとなりますのでご承知
おきください。
・11月10日(水)・24日(水)
・12月8日(水)・22日(水)

 

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■環境不祥事の教訓

◆水害の「砦」ほぼ徹夜の3日間…排水機場操作員の遺族が語った“現場”
(11/12)

8月の記録的な大雨に見舞われた佐賀県小城市の排水機場で、排水ポンプなど
を動かす操作員の男性(75)が亡くなった事故で、妻(71)と長男(46)が取
材に応じた。3日間排水機場に張り付いてほぼ徹夜で作業した男性。事故当時
は1人で対応しており、「苦しかっただろう」。水害から町を守る「砦(とり
で)」の勤務の仕方は現場任せなのが実情。事故から間もなく3カ月、早急な
再発防止策を遺族は求めている。

雨脚が強くなった8月11日昼、男性は牛津江排水機場に向かった。牛津江川の
水位が一定まで上がると、国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所から電話
が入り出動する仕組み。

排水機場の操作員は男性を含め3人いる。定期的な水位を記録して、川の支流
の水があふれる内水氾濫を防ぐために排水ポンプを動かすのが役目だ。

操作員は市と委託契約を結ぶ。休憩や仮眠の取り方にルールはなく「現場が決
める」(市関係者)。同排水機場では朝昼夜ごとに1人ずつ1時間の休憩を取り、
2人以上で作業するようにしていた。

男性は11日から3日間、食事のため自宅に帰る以外は排水機場に詰めた。14日
昼、ぐったりした様子で帰宅。妻が「(排水機場では)寝られんとね」と聞く
と、「寝られるもんか」。ソファで30分ほど仮眠して戻っていく。自宅周辺は
既に道路が冠水して膝上まで水が押し寄せていた。

木くずなどのごみを取り除く「除じん機」に体を挟まれて亡くなったのはその
夜。たまったごみを取り除く作業中だったとみられる。市によると、別の操作
員は休憩で帰宅し、周辺が水に漬かり戻るのに時間を要した。もう1人も休ん
でおり、男性だけだった。

「助けてくれと言いたかっただろうけど、使命感でやったと思う。涙も出ませ
ん」と妻は語る。長男は「体調が万全であれば事故は起きなかったかもしれな
い」と悔やむ。

「お父さんがご飯を食べに帰ってくる」。妻はこの夜も床下まで浸水した自宅
で待ち続けていた。

国土交通省は死亡事故を受けて、各地の河川事務所に改めて操作員の安全確認
を徹底するよう通知。同省九州地方整備局武雄河川事務所は安全対策などを盛
り込んだ操作説明書を見直す。佐賀県も対応に乗り出しているが、いずれも抜
本的対策には程遠い。

武雄河川事務所は9月、排水機場などで1人での作業をしないことや、除じん機
にごみが詰まっても人力で除去しないことを周知した。県は操作員に大雨時の
行動について聞き取りを進めており、事故防止マニュアルを作成する方針。次
の出水期までに排水機場と自宅を往復する時の注意点や危険が迫った際の退避
方法などをまとめるという。

国交省によると、全国の操作員のうち60歳以上が占める割合は6割。大分市や
宮崎市のように消防団などの防災組織に操作を委託する自治体もあるが、担い
手不足は深刻だ。「今回のように大雨が長期化した場合、操作員の交代要員が
確保できない」(同事務所管理課)。

佐賀県小城市は操作員に民間の傷害保険を掛けており、遺族には見舞金が支払
われる。災害で亡くなった人に支払われる「災害弔慰金」は大雨と死亡との因
果関係を協議して、支給するかどうかを決めるという。
(西日本新聞)

◆解説

気候変動による自然災害は激しさを増す一方です。

その状況下で、本件のように命懸けで働いている方々が居られることを忘れて
はなりません。

しかし、これは自治体の施設に限りません。企業内においても環境や保全部門
で働く方々は同様の状況で対応せざるを得ないケースがあります。

大企業といえども、誰でもできる訳ではない業務のため、特定の担当者の負荷
が増すのです。

ISO 14001の”箇条4.1 組織及びその状況の理解” には次の要求があります。

こうした課題には、組織から影響を受ける又は組織に影響を与える可能性があ
る環境状態を含めなければならない。

その意味は、「組織 → 環境状態」のみならず「環境状態 → 組織」、つまり
気候変動などの環境状態が組織に与える影響も”課題”として決定する必要が
あるのです。

気候変動という環境状態による集中豪雨や洪水などの事業所の災害リスクに対
応するために災害対応要員の人数やバックアップの充実を含めて組織的な災害
対応を強化することを期待します。

★企業の緊急事態対応における要員の休憩対応などのベストプラクティスを
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■労働災害の真相

◆労災死亡事故で書類送検 亀山の物流請負会社と社長 安衛法違反容疑
津労基署/三重 (11/10)

津労基署は9日、労働安全衛生法違反の疑いで、三重県亀山市の会社と男性社
長を津地検に書類送検した。

送検容疑は、6月3日、同社が建築材料の出荷を請け負っている建材メーカーで、
誘導者を配置せずにフォークリフトの進路内に女性作業員を立ち入らせ、はね
られて死亡させた疑い。同署は男性社長の認否を明らかにしていない。

同署によると、女性の胸部と腹部にフォークリフトの右前輪が接触したとみら
れ、搬送先の病院で死亡が確認された。同社では誘導者を配置せずにフォーク
リフトを運転させることが常態化していたという。
(伊勢新聞)

◆解説

直近の「ブラック企業リスト」(2021年10月29日)において、最も多く登場す
る起因物(危険源)がフォークリフトです。

フォークリフトに関する送検法条で、無資格運転の次に多いのが、本件でも適
用されている労働安全衛生規則第151条の7(接触の防止)です。

(接触の防止)
第百五十一条の七 事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うとき
は、運転中の車両系荷役運搬機械等又はその荷に接触することにより労働者に
危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。
ただし、誘導者を配置し、その者に当該車両系荷役運搬機械等を誘導させると
きは、この限りでない。

この規則では、フォークリフトなどの車両系荷役運搬機械の走行域に人を立入
らせてはならないことを大原則としています。

そして、「ただし書き」において、誘導者を配置して誘導させるときを除外し
ているのです。

労働安全衛生法の中でも最も守ることが難しい条文の一つと言っても過言では
ありません。

一般の企業において、歩行者を完全に分離することも誘導者を配置することも
現実的ではありません。ですから、接触を防止することに万全を期すことが必
要です。

代表的な事例として次のリスク管理策があります;
・安全通路を再配置して維持する
・運転者から歩行者の視認性を高めるために蛍光ベストを着用する
・歩行者から運搬機械の視認性を高めるために音、パトライト、LEDライトな
どを装備する
・作業計画を策定し関係者に周知する
・作業指揮者が作業計画に従い作業を指揮する

繰り返される車両系荷役運搬機器との接触事故を防止しましょう。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でもお
伝えしています。どうぞご覧ください。

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

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■新着情報

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

【ブラック企業リストに学ぶ安全衛生】どのようなケースで送検されるのか
https://youtu.be/9Oy5ampveTY

【フォークリフト死亡災害】誘導者不在で送検
https://youtu.be/bZ_uhJ9kyFc

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 25件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
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