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NO.320

和木の三井化学工場爆発:事故調報告書、技術伝承不足など指摘/山口

■■ ESHの解決策
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                          2013.2.6 No.320

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◆ご挨拶

最近、中国の大気汚染に関するニュースが取り上げられています。「PM2.5」
という言葉は皆様もよく耳にされるのではないでしょうか?

PM2.5とは、直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質で人体に有害とさ
れています。中国では車の排気ガスに多量に含まれているとみられ、厄介なこ
とに普通のマスクでは通り抜けてしまうそうです。

過剰に心配することはないと言われていますが、花粉などに付着して体内に入
ると、アレルギー症状がより強力になるようです。今年は例年より花粉の飛散
量が多いので、やはり不安ですよね。

先日、中国の富豪男性が「新鮮な空気の缶詰」を配るキャンペーンを行ったと
いう記事を目にしました。なんでもこの空気は未開の土地から取り寄せたもの
だとされています。

「行政や企業のトップに言いたい。GDPの成長率だけを追いかけてはならな
いし、子どもや孫たちを犠牲にして利益を追求するべきではない」と男性は訴
えたそうです。

中国に限らず、次世代に安全な未来を残すために何をすべきか、一人一人が真
剣に考えなければなりませんね。(門)

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■環境不祥事の教訓・労働災害の真相

◆和木の三井化学工場爆発:事故調報告書、技術伝承不足など指摘 4月22
日を「安全の日」に/山口 (1/24)

昨年4月の三井化学岩国大竹工場(和木町)のプラント爆発炎上事故で、同社
の事故調査委員会(委員長、小川輝繁・横浜国立大名誉教授)は23日、再発
防止策を盛り込んだ事故調査報告書を発表した。事故の背景として技術伝承が
不十分だったことなどを指摘している。

事故調は昨年8月、爆発の原因について、プラントの緊急停止作業中、運転班
長の判断ミスで、緊急停止装置が解除されたためと断定。これを受け、工場の
社員約130人に直接聞き取りをするなど事故の背景を探っていた。

報告書では(1)危険性の高い反応を伴うプラントで、設計段階では想定され
ていた安全対策がマニュアルなどに反映されず、伝承が不十分だった(2)緊
急停止装置の重要性の教育が不十分だった(3)プラントの新設などの機会が
減り、技術者の経験が不足していた-などと問題点を指摘。再発防止策として、
技術者の育成、安全教育の方法を見直すことを盛り込んだ。

また、同社は安全再構築プロジェクトチームを工場に発足させるとともに、事
故のあった4月22日を「安全の日」と定め、再発防止に取り組む。

事故では男性社員1人が死亡、住民ら25人が負傷した。

◆解説

昨年4月に発生した爆発火災事故は、死者1名、負傷者15名と安全面だけでなく、
近隣住宅への影響999軒と環境面でも大きな被害をもたらしました。そこで今
号では「環境不祥事の教訓」と「労働災害の真相」を合わせて考察します。

事故後に事故調査委員会が設置され、このほど44ページに上る「事故調査報告
書」が纏まり公表されました。次のURLから確認することができます。

http://jp.mitsuichem.com/release/2013/pdf/130123_02.pdf

この事故は、タイヤの接着剤などに使用されるレゾルシン製造施設の酸化反応
器において発生しました。事業所の蒸気発生プラントの不具合により運転停止
指示が出され、緊急停止処置(ESD:Emergency Shut Down)としてインターロ
ック作動により窒素導入(酸化防止と攪拌のため)と緊急用冷却水による発熱
反応の抑制が行われていました。

事故調査の早い段階から、50代の運転班長が判断を誤り、ESDインターロック
を解除したことが原因だと発表されていました。インターロック解除により酸
化反応器の窒素封入が停止し、酸化防止と攪拌が停止して発熱反応が進み暴走
反応に至り、圧力上昇により破裂して爆発火災となったということでした。

しかし、報告書を読むと次のような問題点があり、事態はそれほど単純ではな
いことが分かります。

・緊急冷却水に切り替えたが水圧が弱く、動力プラントに要請し昇圧を図った
 が、なおかつ冷却速度が遅かった
・窒素が停止しても警報すら出ない制御システムだった
・プラントの操作盤はDCS(デジタル計装制御システム)のデジタル表示であ
 ったが、そのメイン画面では、酸化反応器の温度上昇下降傾向や温度分布、
 窒素流量などの主要な運転ファクターが把握できなかった(酸化反応器下部
 の温度は下降していたが、上部温度が上昇していたことに気付かなかった)
・運転マニュアルにも教育資料にもインターロックを解除すると窒素が停止す
 ることは記述されていなかった
・冷却水の循環コイルが酸化反応器の下部にしか敷設されていなかった
・上部温度上昇アラーム発報時に注水したが抑制できなかった(一部の専門家
 には反応停止剤が必要だという意見もある)

以上の状況から、運転班長の単純な判断誤りではなかったことが読み取れます。

また、報告書では、深層原因として次の事項を挙げています。

【安全基盤】
・リスクアセスメント不足
・技術伝承の不足
・規則、ルールの軽視
【組織・風土】
・現場の安全管理力の低下
・当事者意識の不足

さらにその背後にあると考えられるさらなる深層の考察として、次の3つのキ
ーワードを挙げています。

 ・ライン長の本気度
 ・安全活動の徹底度
 ・工場全体の緊張感

違和感を感じるのは私だけでしょうか?

報告書を読んだ感想として、マネジメント(システム)のどこに弱点があった
のかを明確にする余地があると考えます。

★米国で使われているシンプルで効果的な根本原因分析の手法について「ESH
エキスパート」でご紹介しています!

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■今日の言霊

  雨だれが石を穿(うが)つのは、激しく落ちるからではなく
  何度も落ちるからだ

■新着情報

・特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令の一部を改正する
 政令の公布
 
・有害物ばく露作業報告制度の周知徹底について

■環境不祥事の教訓

 より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

 より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

 全国の事故・事件情報 8件

■不法投棄関連情報

 全国の事故・事件情報 4件

■労働災害レポート

 全国の労働災害・書類送検情報 23件

★不祥事・災害事例の出典:明記のないものは毎日新聞

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