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NO.565

大企業で死亡災害続発、犠牲者は社員以外(下請、業者、派遣社員)

■■ ESHの解決策
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2023.4.19 No.565

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

間もなくゴールデンウイークですが、皆様ご予定はいかがでしょうか?今年は
新型コロナウィルスの感染状況が落ち着いていること、マスク着用が個人の
判断となったこと、5月8日に感染症法での位置付けが引き下げられることも
あり、旅行や帰省などを考えている方が多いそうです。

JTBが実施したアンケートによると、GWに出かける場所として多かった答えは、
「自然の景色が楽しめる場所(国立公園や花畑など)(29.7%)」、「食を
メインにしたイベント(20.1%)」「自然の体験が楽しめる場所(登山などの
アウトドア、キャンプなど)(15.2%)」だそうです。

皆様も楽しいGWをお過ごしくださいね。(門)

☆発行日のお知らせ☆
GW期間と重なるため、5月は10日(水)と24日(水)の発行とさせていただき
ます。予めご了承ください。

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆いわき市北部清掃センター 運転受託・三菱重工業子会社が測定データ改ざ
ん (3/24)

三菱重工業は24日、子会社の重環オペレーション(長崎県長崎市)が、いわき
市から運転管理業務を受託している「いわき市北部清掃センター」で、排ガス
に含まれる窒素酸化物濃度について、測定データを改ざんして報告していたと
発表した。

1時間単位の測定値が、市の管理目標値(50ppm)を若干超えたため、運転責任
者が社内会議などで公開されることを嫌って行ったという。ごみの状況によっ
て、一時的に50ppmを超えることは通常の運転でも生じるため、周辺の環境に
影響することはない。

重環オペレーションによると、令和2年10月25日と4年10月23日、同30日の3日
間で、市の管理目標値未満に書き換えたことが分かっている。最大で57.1ppm
が測定された。なお大気汚染防止法で、窒素酸化物濃度の基準値は250ppmと
定められており、市の管理目標値は法令の5分の1に設定してある。

同社は「目標値の超過そのものは契約違反ではないが、データの書き換えを
行ったことは極めて不適切な行為」とし、再発防止策として、即時にデータ
書き換えができないような運用にした上で、システムの改修や社内教育の徹底
を示した。

一連の内容に関しては、22日に市に正式に報告した。同社では「地域住民の
皆さまをはじめ、関係機関ならびに、取引先各位へ多大なるご迷惑とご心配を
お掛けいたしますことについて、おわび申し上げますとともに、改善および
再発防止に向けた措置を徹底し、社員一丸となって信頼回復に努めてまいりま
す」とのコメントを出した。

市は「周辺住民の皆さまにご心配をおかけし、発注元として大変申し訳なく
思っている」とし、23日付で同社に対して、指導・教育を徹底させ、再発防止
策を講ずるよう文書で指示した。
(いわき民報)

◆解説

運転受託会社が焼却炉の排ガス中のNOx(窒素酸化物)の測定データを改ざん
していたものです。

もちろん、「改ざん」という行為自体をした担当者や企業に問題があることは
言うまでもありません。

しかし、大気汚染防止法の基準値は250ppmに対して、市の管理目標値が法令の
5分の1の50ppmに設定していること自体が疑問だと考えます。

NOxの発生源には、次の2つがあります。

サーマルNOx:燃焼空気中の酸素と窒素が高温状態で反応して生成するもの

フューエルNOx:燃料(この場合廃棄物)中に含まれる窒素を起源に生成する
もの

燃焼温度を高温にすれば燃焼効率は高まりますが、NOx濃度は上昇するので、
両立しないこの両者のバランスを取ることがボイラーや焼却炉など燃焼装置の
運転の良否を決定します。

特に廃棄物焼却炉においては、フューエルNOxが増え、しかも完全燃焼による
焼却を考慮する中で、目標値50ppmというのは相当に厳しいものだと考えます。

だからこそ大防法でも250ppmとしているのです。

本件の問題は、50ppmという管理目標値を設定した行政と、それを承知で受託
した企業の管理者層の問題だと考えます。

廃棄物の減量化(焼却効率の向上)、ダイオキシン発生の抑制、ばい煙濃度の
低減(窒素酸化物やばいじんなど)、CO2排出の低減、エネルギー効率の向上
など多くの環境課題があるなかで、そのバランスを取ることが重要です。

★主要なサーマルNOx低減方法を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

 

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

●男性作業員が挟まれ死亡 東海市の日本製鉄名古屋製鉄所内/愛知 (4/6)

5日午後9時30分ごろ、愛知県東海市の日本製鉄名古屋製鉄所内にある富士ス
チールワークの工場で、50代くらいの男性作業員が、クレーンと大型のコイル
に挟まれ、死亡した。

東海署によると、事故があった工場では、別の場所で製造された工業用コイル
を、機械などを使って梱包していた。コイルの重さは約11トンで、事故当時、
工場内では亡くなった男性を含めて7人が作業していた。

同僚男性が、コイルを移動させるために動いていたクレーンの方に向かう男性
を目撃。止めに行ったところ、男性がクレーンとコイルの間に挟まれているの
を発見した。
(中日新聞)

●2.4トンの機械の下敷きに…作業員の男性(41)が死亡 住友化学愛媛工場
(4/7)

7日午前、愛媛県新居浜市にある住友化学愛媛工場のプラント内で、男性作業
員が機械の下敷きとなり死亡した。

死亡したのは、新居浜市内に住む会社員の男性(41)で、警察によると、男性
を含む複数人で熱を冷却するための機械を台車で運んでいたところ、機械が
倒れ、男性が下敷きになったという。

倒れた機械は、高さ1.8メートル、横幅2.4メートル、奥行き0.6メートルで、
重さが2.4トンあり、警察は事故の原因などを調べている。
(あいテレビ)

●エレベーター点検中に転落、死亡 大阪のアサヒビール工場 (4/8)

7日午後5時25分ごろ、大阪府吹田市の「アサヒビール吹田工場」の倉庫で、
エレベーターの点検作業をしていた男性から「8メートルぐらいの高さから
転落した」と119番があった。男性はエレベーターの縦穴内に落ちていたとこ
ろを消防に救出されたが、直後に容態が急変して心肺停止となり、搬送先の
病院で死亡が確認された。

大阪府警吹田署によると、亡くなったのは、エレベーター会社社員(41)。
倉庫内の大型エレベーターで異常を検知し、点検作業などをしていたとみられ
る。

男性は一緒にいた他の作業員が別の現場に向かったため転落時は一人で作業し
ており、本人が119番した。倉庫2階に止まったエレベーターの上部で倒れて
おり、消防が駆け付けた際には呼びかけに応じていたという。
(産経新聞)

●いすゞ藤沢工場で死亡事故 派遣社員の男性機械に挟まれる/神奈川 (4/8)

7日午後4時半ごろ、藤沢市のいすゞ自動車藤沢工場で、同工場に勤める派遣社
員の男性(44)がアルミをプレスする機械に挟まれ死亡した。藤沢北署が詳し
い状況を調べている。

署によると、午後4時40分ごろ、「機械に体が挟まれている」と別の従業員か
ら119番通報があった。数人で機械のメンテナンス作業を行っていたところ、
男性が頭部を挟まれたとみられる。
(神奈川新聞)

◆解説

大企業の構内で死亡災害が相次ぎました。特に4月7日には3件の死亡災害が
起きています。亡くなったのは協力会社の社員2名、点検業者、派遣社員と
いずれも正規社員以外の方々です。

もう一つの共通点は、重さ11トン、2.4トン、高さ8m、プレス(自動車製造)
と大きなエネルギーを持つ危険源であることです。リスクの「重大性」は危険
源の持つエネルギーの大きさに基づくことを示しています。

多くの大企業は、リスクの高い作業は正規社員以外に委ねており、しかも請け
負う企業の管理レベルは大企業より劣ることを示しています。

大企業には、自社の協力会社や非正規社員に対して安全衛生の管理レベル向上
の支援に注力いただきたいと願います。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

★構内に常駐する協力会社の安全管理のベストプラクティスをESHエキスパー
ト」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

できるだけ多くの打席に立ち、全力でバットを振る人間であれ

■新着情報

★化学物質の自律的管理に関するQ&A集

・化学物質管理者講習テキストの公表

・第14次労働災害防止計画の公表

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

大企業で死亡災害続発、犠牲者は社員以外(下請、業者、派遣社員)
https://youtu.be/83U9HBY9rgI

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 13件

 

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