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NO.566

実験中に劇物の水酸化ナトリウム水溶液が生徒の目に入る ゴーグル着用せず

■■ ESHの解決策
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2023.5.10 No.566

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

最大9連休となったゴールデンウィークが明け、今週からまた日常が始まりま
した。まだ疲れが残っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、
気持ちを切り替えて頑張ってまいりましょう。

この時期になると「五月病」という言葉を聞くことが多いですが、今年は例年
以上に注意が必要といわれています。その理由はコロナ制限解除により、出張
や飲み会など、リアルで人に会う機会が増えるためです。これまで長い期間、
密を避けた生活に慣れてしまったため、社交ストレスや身体的疲労の負担は
自分で予想した以上に大きいそうです。

5月8日から新型コロナウイルス感染症は感染症法上の5類に位置付けられまし
た。自分の身体と相談しながら、徐々にポストコロナの生活に慣れていきま
しょう!(門)

☆発行日のお知らせ☆
GWの関係で次号は5月24日(水)の発行となります。ご了承ください。

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆ごみ処理場火災、原因はリチウム電池 修理に3千万円「分別徹底を」/
埼玉(5/8)

さいたま市桜区の桜環境センター内にあるリサイクルセンターで4月、不燃ご
みのリサイクル設備にある選別機などが焼ける火災があった。家庭ごみとして
捨ててはいけないリチウムイオン電池が混入して発火したとみられ、修理費は
約3千万円。リサイクル設備は連休明けまで稼働出来ない見通しで、市はリチ
ウムイオン電池を家庭ごみとして捨てないよう呼びかけている。

市環境施設管理課によると、ごみ収集車から持ち込まれた不燃ごみはいったん
ピットと呼ばれる場所にためられる。その後、2度のごみを砕く工程を経て、
選別機で可燃ごみと鉄やアルミとに分類される。今回の火災は4月10日午前9時
20分ごろ、選別機と選別されたごみを運ぶベルトコンベヤー付近で起きたと
いう。

携帯電話や小型家電などに使われるリチウムイオン電池は、つぶれたり砕かれ
たりすると発火する性質がある。ピットやごみを砕く箇所には火災報知機と
散水設備があるが、水をかけると故障する選別機には、市はこれらの設備を
つけていなかった。

そのため消火作業に手間取り、鎮火までに5時間近くかかった。焼け跡からは
リチウムイオン電池と見られる残骸が見つかったという。この電池が原因の
火災でさいたま市のごみ処理施設が長期間止まるのは初めて。仮復旧は8日
ごろの予定だが、完全復旧の見通しは立たない。

修理費用は約3千万円だが、保険が適用されるため新たな予算措置は必要ない
という。同課は「市が定めるごみの出し方に基づき、同電池が持ち込まれなけ
れば火災は起きえない。ごみの分別を徹底していただくしかない」と訴える。

市はリチウムイオン電池の廃棄について、携帯電話などから取り出して電極に
テープを貼り、家電小売店や区役所、市立図書館などにある回収ボックスへ
入れるよう促している。

県内では2020年10月、上尾市の西貝塚環境センターの粗大ごみ処理施設で同様
の火災があり、ベルトコンベヤーを難燃性に変えるなどの復旧に総額約4億8千
万円、復旧までの間に他の自治体へごみ処理を委託した費用約5千万円も
かかったとされる。

大野元裕知事は、東京、神奈川、埼玉、千葉の知事と政令指定市長が集まった
4月26日の「九都県市首脳会議」で、リチウムイオン電池の分別を徹底する
よう呼びかけた。県は昨年度、全自治体を対象に、ごみ処理施設などでリチウ
ムイオン電池による火災などが発生したかを調査した。うち6割が事故が
あったと回答したという。
(朝日新聞DIGITAL)

◆解説

分別不良による火災などのトラブルは、一般廃棄物処理施設だけの問題では
ありません。

筆者は多くの産業廃棄物処理業者とお付き合いがありますが、多くの業者は
排出事業者の分別不良により悪影響を受けています。実際に次のような事例が
あります。

・異物が混入し破砕機で火災が発生
・硫化物の混入による異常反応(硫化水素発生)により中毒(意識喪失)
・少量だからと非許可品目をドライバーに押し付ける

現状で日本では分別不良によるトラブルに関して訴訟などは起きていませんが、
今後も起きないとは限りません。

とても多くの企業の環境担当者は、廃棄物管理や分別には熱心なのですが、
それが全社員や請負者にまで徹底されているとは限りません。

業界では産業廃棄物の「サンプルは見合い写真」と言う隠語まで使用されて
いるほど、サンプルはあてにならない実態もあります。

排出事業者としての責任を果たすこと、特に全社員(構内請負者を含む)の
知識とモラルの向上を図ることが期待されます。

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆実験中に劇物の水酸化ナトリウム水溶液が生徒の目に入る ゴーグル着用せ
ず 男性教諭は「マスクをしていて曇ると思った」/愛知 (4/28)

名古屋市の市立中学校で27日、理科の実験中に劇物である水酸化ナトリウム水
溶液が飛び散り、生徒の目に入る事故があった。

事故があったのは名古屋市南区の市立本城中学校で、27日、2年生のクラスが
水の電気分解の実験をしていた際、理科担当の男性教諭(38)が水素の発生を
確認するため、気体に着火ライターで火をつけようとしたところ、水酸化ナト
リウム水溶液が飛び散った。

水溶液は、周りにいた生徒5人の顔や服などにかかり、このうち1人は、目に
水溶液が入ったという。

水酸化ナトリウム水溶液は劇物で、高濃度の場合、失明する恐れもあり、名古
屋市の教育委員会ではこの実験で、ゴーグルを着用するよう定めているが、
男性教諭は生徒全員に付けさせていなかった。

目に入った生徒は大量の水で目を洗った後、病院で治療を受けていて、市教委
によよると、担当医師は「大事には至らない」と話しているという。

他の4人については、治療の必要はないがが、制服の色が変色するなどした。

ゴーグルを付けさせなかった理由について、市教委の聞き取りに対し、男性
教諭は、「ほぼ生徒全員がマスクをしていて、ゴーグルを付けると曇ってしま
い、視界が悪くなってしまうと考えた」と話している。

市教委は市立学校に実験をする上での注意喚起をするとともに、今後、原因を
究明していく方針。
(CBCテレビ)

◆解説

中学校の理科の教諭にしてはお粗末な対応ですね。

本メルマガを読んでおられる皆様は、アルカリが目の粘膜を侵し、失明のリス
クを有することはご存じだと思います。

しかし、多くの方は酸性の物質の方が「危ないイメージ」を持っています。

実際には、酸性物質は眼の表面しか障害しないのに対して、アルカリ性は眼の
深くに浸透してダメージを与えるため、深刻な障害を与えることを知らないの
です。

自分が知っているから皆も知っているだろうと考えるのは誤りで、アルカリは
目に対して非常に危険性が高いことと、目に入ったら直ちに大量の水で洗って
眼科を受診する必要があることを丁寧に教えなければなりません。

また、眼の化学熱傷は強い痛みを伴うため、被災者はまぶたを閉じたままで
いる傾向があります。しかし、まぶたを閉じると眼が物質に長時間さらされる
ことになり、損傷がさらに悪化する可能性があるため、とにかく大量の水で
洗い流すことも教えてください。

もちろん、化学物質や異物が目に入らぬようゴーグルや安全メガネが必須で
あることも教育が必要です。

受講者の力量を考慮した教育訓練を提供することが重要です。

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

悪いことはたいてい、次に進むために必要なものの場合が多い

■新着情報

・低振動型圧縮機の型式指定について

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

生死を分ける1本のライン、フォークリフト死亡災害で書類送検
https://youtu.be/1SFgdbaxcgE

酸欠、火気使用、高所…高リスク作業管理の切り札、作業許可制度
https://youtu.be/tHzkmpYIRRk

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 21件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
https://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

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