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NO.576

大同特殊鋼の工場 薬品かかり従業員2人けが

■■ ESHの解決策
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2023.10.4 No.576

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

10月に入り、朝晩の冷え込みにようやく本格的な秋の訪れを感じるようになり
ました。秋の味覚やお出かけなど大いに秋を満喫したいと思います。

先日、新型コロナウイルスワクチンの接種券が届きました。64歳以下で基礎疾
患などがない人は予防接種法上の「努力義務」は適用されない、つまり自分で
判断するということですが、正直、受けるかどうか迷っています。

社会調査研究センターが実施した全国世論調査によると、秋の無料接種につい
て「受けようと思っている」との回答は33%。接種に積極的な回答は「すでに
接種を受けた」の12%と合わせて45%と5割に届かず、「受けるつもりはな
い」が36%、「受けるかどうか迷っている」が16%だったそうです。

別の調査によると、若年層ほど受けないという回答が高く、年齢が上がるほど
受ける割合が増加していました。

インフルエンザの流行もあり、慎重に判断したいと思います。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆新潟新発田市の川で小魚が大量死 硝酸性窒素を検出、事業所に排水停止要
請 (9/28)

新潟県は9月26日、新発田市の芋卸江川で、100匹以上の小魚が死んでいるのが
見つかったと発表した。水道や農業用水への取水はなく、近隣住民の健康被害
は確認されていない。

県環境対策課によると、小魚が死んでいたのは新発田市浦から新発田市米倉ま
での約2キロ。26日、新発田地域振興局に住民から通報があった。職員が現地
を調査し、体長5センチ前後の魚100匹以上の死骸を確認。簡易水質検査で硝酸
性窒素が多く検出されたため、原因と考えられる事業所に要請し、排水を停止
させた。県は今後、原因について調査を進める。
(新潟日報)

◆解説

新潟日報は、続報として次の報道をしています。

9月29日、新発田市は、市が運営する米倉有機資源センター(新発田市米倉)
の排水流出が原因だったと発表した。

有害物質のアンモニウムを含む排水を汚水槽に流すホースが外れたためとみら
れる。

新発田市農林水産課によると、センターは家畜のふん尿を堆肥化する施設。
作業の過程で気体のアンモニウムが発生するが、脱臭装置に吸着させ、定期的
に水をかけて洗浄している。

新潟県が公表した水質事故の原因が、新発田市の環境施設が原因であったとい
う残念な結果だったようです。

ホース1本の外れといえども環境に与えた影響は少なくなかったようです。

米倉有機資源センターは、2017年、堆肥原料に凝集促進材が含まれる家畜ふん
が使用され、「堆肥(特殊肥料)」ではなく「汚泥発酵肥料(普通肥料)」に
該当し、農林水産大臣への登録が必要となりますが、この登録を行っていな
かった肥料取締法第4条違反もあったようです。

民間の範となるべき市の施設の残念な管理と言わざるを得ません。

★ホースを使用する際の注意点について「ESHエキスパート」で解説していま
す!

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆大同特殊鋼の工場 薬品かかり従業員2人けが(9/29)

29日午前、名古屋市南区の大同特殊鋼の星崎工場でポンプの取り替え工事をし
ていた従業員の顔に薬品がかかる事故があった。従業員2人がけがをしたがい
ずれも軽傷だという。

29日午前10時40分ごろ名古屋市南区の大同特殊鋼の星崎工場で「薬品が漏れた
ようだ」と消防に通報があった。

警察や会社によると屋外で従業員3人が工場内に薬品を供給するポンプの取り
替え工事を行い、正常に作動するかどうかを確認した際に20代と40代の男性
2人の顔に水で薄められた薬品がかかり、病院に搬送されたという。

薬品は、皮膚に接触すると有毒な「フッ化水素酸」だが、従業員はいずれも
防護服などを着用していて軽傷だった。

大同特殊鋼によると、現場の「星崎工場」は、1937年に建設され現在はステン
レス鋼のほか、チタン合金などの高機能材料の生産を行う拠点だという。

大同特殊鋼は「多大なご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます。
原因を究明し、適切な対策を講じてまいります」とコメントしている。
(NHK NEWS WEB)

◆解説

記事にもあるとおり、防護服などを着用していて軽傷で済んだことは幸いでし
た。

毒物及び劇物取締法の医薬用外毒物でもあるフッ化水素酸(通称:フッ酸、
以下「HF」)は、過去に次のような事件もありました。

1982年:八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故:フッ化ナトリウムと間違
えて、フッ化水素酸を歯に塗布された女児が死亡

2013年、男が思いを寄せていた女性の靴にフッ化水素酸を塗り殺害を企てる、
女性は左足の指の先端部分5本が壊疽して切断

特定化学物質障害予備規則では、この事故のようなケースでは、次の対応を
求めています。

【特定化学物質障害予防規則】
(設備の改造等の作業)
第二十二条 事業者は、特定化学物質を製造し、取り扱い、若しくは貯蔵する
設備又は特定化学物質を発生させる物を入れたタンク等で、当該特定化学物質
が滞留するおそれのあるものの改造、修理、清掃等で、これらの設備を分解す
る作業又はこれらの設備の内部に立ち入る作業に労働者を従事させるときは、
次の措置を講じなければならない。
一 作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを作業に従事する労働者
に周知させること。
二 特定化学物質による労働者の健康障害の予防について必要な知識を有する
者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させること。
三 作業を行う設備から特定化学物質を確実に排出し、かつ、当該設備に接続
している全ての配管から作業箇所に特定化学物質が流入しないようバルブ、
コック等を二重に閉止し、又はバルブ、コック等を閉止するとともに閉止板等
を施すこと。
四 前号により閉止したバルブ、コック等又は施した閉止板等には、施錠をし、
これらを開放してはならない旨を見やすい箇所に表示し、又は監視人を置くこ
と。
五 作業を行う設備の開口部で、特定化学物質が当該設備に流入するおそれの
ないものを全て開放すること。
六 換気装置により、作業を行う設備の内部を十分に換気すること。
七 測定その他の方法により、作業を行う設備の内部について、特定化学物質
により健康障害を受けるおそれのないことを確認すること。
八 第三号により施した閉止板等を取り外す場合において、特定化学物質が
流出するおそれのあるときは、あらかじめ、当該閉止板等とそれに最も近接し
たバルブ、コック等との間の特定化学物質の有無を確認し、必要な措置を講ず
ること。
九 非常の場合に、直ちに、作業を行う設備の内部の労働者を退避させるため
の器具その他の設備を備えること。
十 作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴、呼吸用
保護具等必要な保護具を使用させること。

また、万一、HFが皮膚に付着してしまうと人体のカルシウムと結合し重篤な
症状に至ることが考えられます。

これを防止するためにグルコン酸カルシウムゲルを塗布することが重要です。

日本では既に調合されたゲルの商品が販売されていないので、グルコン酸カル
シウムと潤滑ゼリーを混合してゲルを作ることが必要です。

HFの取り扱いには細心の注意が必要となります。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

★洗身・洗顔の方法(フッ化水素酸の場合)について「ESHエキスパート」で
解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

その日に起きた良かったこと、悪かったこと。
自分が感じて「次にこういうことをやろう」という内容を、iPadへ書き込む
ようにしています。

■新着情報

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

フッ化水素酸(フッ酸)を顔に浴びる、ポンプの交換後の試運転中に二人が
https://youtu.be/qSmu2KRKlcQ

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 22件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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