無料メールマガジン詳細

NO.577

従業員が腕を切断 16年間機器の点検行わなかったとして染物工場を書類送検

■■ ESHの解決策
■■—————————————————————–
2023.10.18 No.577

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

——————————————————————-

◆ご挨拶

食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋…。秋といえば、皆様は何を
思い浮かべるでしょうか?私は和栗のモンブランを食べ、栗ご飯を食べ、
サンマを食べ、ともっぱら食欲の秋を満喫中です。

食といえば先日、少し怖いニュースを目にしました。首都圏で販売された
シラスのパックに、フグの稚魚が混入していたというものです。購入者が
約2.5cmの稚魚を発見し相談したことにより商品が自主回収されるに至ったと
いうことですが、過去にも同種の事故は起こっているそうです。

シラスの選別は目視と手作業で行われ、新潟食料農業大の教授によると、漁獲
したシラス20キロに対し1匹ほどの割合でフグの稚魚が混入するといいます。
稚魚は1匹食べたところで食中毒が起こるレベルではないそうですが、注意が
必要ですね。

これから秋本番を迎えます。皆様も大いに秋を満喫なさってください。(門)

 

———————————————————————-

◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など多くの方々に受講いただき、
高いご満足を頂戴しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

———————————————————————-

■環境不祥事の教訓

◆大豆の搾りかすが用水路に流出、汚水臭漂う 丹波篠山 油揚げ製造工場の
排水処理施設、原因は不明/兵庫 (10/3)

兵庫県丹波篠山市は3日、同市大山新の大豆加工食品製造会社篠山工場の排水
処理施設から、同工場に隣接する農業用水路に大豆の搾りかすが流出したと
発表した。白濁したが、魚の死骸などは見つかっておらず、農地への汚水流入
はなかった。

同日午前7時半ごろ、用水路に汚水が漏れ出ているのを市職員が発見。丹波県
民局環境課と市が合同で立ち入り調査した。工場は油揚げの製造工場で、コン
クリート擁壁の隙間から汚水が漏れ出ていたが、漏水の原因は不明。汚水の
影響で、周辺には汚水臭が漂っているという。市と県は工場へ再発防止策の
報告などを指示した。
(神戸新聞)

◆解説

異常排水の流出事故は後を絶ちません。

本件は「コンクリート擁壁の隙間から汚水が漏れ出ていた」とのことで、設備
の老朽化が原因かもしれません。

公共施設のインフラの老朽化はたびたび話題となります。国交省も次のとおり
問題を認識しています。

我が国では、1964年の東京オリンピックの頃に整備された首都高速1号線を
はじめ、高度成長期以降に整備したインフラが急速に老朽化し、今後20年間で、
建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込みである。

これは、企業においても例外ではありません。特に中小企業は、低利益や後継
者不在など新たな投資ができない会社も多く、インフラの老朽化は顕著です。

自社はもちろん、サプライヤーのインフラの状況を適切に見極めないと事業
継続にも支障を来すことが懸念されます。

加えて技術者など人材の不足も懸念され、インフラの老朽化による環境事故の
多発は、日本社会全体の課題ともいえます。

★インフラ施設のコンクリートを適切に維持するための点検・診断方法を
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

——————————————————————–

■労働災害の真相

◆従業員が腕を切断 16年間機器の点検行わなかったとして染物工場を書類送
検/福島 (10/11)

2022年に従業員が腕を切断する事故が起きた福島市の染物工場が、機器の定期
点検を行っていなかったとして書類送検された。

労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されたのは、福島市の染物工場と代表取
締役の男(59)。

福島労働基準監督署によると、脱水機の定期点検を年に一度は行うべきところ、
購入した時から16年間一度も点検をしていなかった。

2022年11月には従業員が回転する脱水機に腕を挟まれ、肘から先を切断する
事故が起き、点検を怠っていたことがあきらかになった。

脱水機のブレーキはほとんどきかず、回転する脱水機のふちを手で押さえて
止めることが常態化していたという。
(福島中央テレビ)

 

◆解説

遠心機械の定期自主検査の未実施による書類送検の事案です。条文は次のとお
りです。

【労働安全衛生規則】
(定期自主検査)
第百四十一条 事業者は、動力により駆動される遠心機械については、一年以
内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行なわなければならない。
ただし、一年をこえる期間使用しない遠心機械の当該使用しない期間において
は、この限りでない。
一 回転体の異常の有無
二 主軸の軸受部の異常の有無
三 ブレーキの異常の有無
四 外わくの異常の有無
五 前各号に掲げる部分のボルトのゆるみの有無
2 事業者は、前項ただし書の遠心機械については、その使用を再び開始する
際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行なわなければならない。
3 事業者は、前二項の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを
三年間保存しなければならない。
一 検査年月日
二 検査方法
三 検査箇所
四 検査の結果
五 検査を実施した者の氏名
六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
4 事業者は、第一項又は第二項の自主検査を行なつた場合において、異常を
認めたときは、補修その他の必要な措置を講じなければならない。

この条文の「遠心機械」についての定義は通達などで示されておらず、小さな
機械でも除外されないと考える必要があります。

弊社が実施するコンプライアンス監査では、特にラボ(研究所)において本条
への違反が確認されることが少なくありません。

定期自主検査は、実施していなくても労働災害が起こらなければ責任を問われ
ることはありません。しかし、本件のようにひとたび重篤な災害が発生すると、
労働基準監督署から指摘を受けることとなります。

労働安全衛生法は、「結果責任の法律」であり、「安全規則は先人の血で書か
れた文字である」ことを認識して労働災害防止の手段として確実な定期自主
検査の実施に努めることが重要です。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/shgDBjdZ_HY

★有効な定期自主検査のための検査者の教育訓練内容・方法について「ESHエ
キスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

——————————————————————-

★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

大きなことができる人は限られます。ただ、大きな愛で小さなことをする
ことなら私たちにもできるはずです。

■新着情報

・心理的負荷による精神障害の認定基準について

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

続報!お詫び、ビルの建設現場で鉄骨が落下し2名が死亡した事故は
支保工の強度不足
https://youtu.be/zndiex5qOS8

遠心機械の定期自主検査未実施で書類送検
https://youtu.be/shgDBjdZ_HY

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 2件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 20件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

——————————————————————–

本メルマガは、「ESHエキスパート」のダイジェスト版をお届けしています。
(2回/月:第一、第三水曜日発行)

■ 『ESHエキスパート』の詳細及びお申込みはこちらから
https://www.esh.co.jp/expert.html

——————————————————————–

★このメールマガジンを皆様にとってより良いものとするために、読者の皆様
のご意見やご要望をお待ちしております。是非ともお寄せください。

◇ info@esh.co.jp まで

——————————————————————–

★★★読者の皆様へESHデータバンクのご案内★★★

環境、安全衛生、ISO14001、ISO45001に関する有料の資料集サイト「ESHデー
タバンク」のサービス、好評提供中です。

トップページ

——————————————————————–

【発行元】
環境ワークス株式会社
https://www.esh.co.jp
発行責任者 黒崎

★このメールマガジン転送はOKですが
掲載された記事の内容を許可なく転載する
ことを禁じます。問い合わせ下さい。
Copyright 2009 環境ワークス株式会社
——————————————————————–

E-MAIL NEWSLETTER

企業の環境&OHS(労働安全衛生)担当者をサポートするメールマガジンです。
配信は毎月2回、有料メールマガジンの抜粋版としてお届けします。

ページトップへ