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NO.557

工場から発生の“黄色いガス”硫化水素検出 濃度薄く人体への影響なし/山口

■■ ESHの解決策
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2022.12.21 No.557

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

2022年のメルマガの発行は今号が最後となります。

今年も多くの皆様にご愛読いただき誠に有難うございました。月2回の発行を
達成できたことは読者の皆様のお陰であり、厚くお礼申しあげます。

来年も読者の皆様のお役に立つ情報をお届けできるよう、誠心誠意努力する所
存ですので、より一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

なお新年は、1月11日(水)の発行となります。

師走でご繁多の毎日が続くことと存じますが、どうぞご自愛のうえ良い新年を
迎えられることをお祈りいたします。

編集長 黒崎由行

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆工場から発生の“黄色いガス”硫化水素検出 濃度薄く人体への影響なし/
山口 (12/10)

10日午後4時15分ごろ、山口県光市付近に、黄色い異臭のするガスが充満した。
ガスは、金属系素材の製造・加工を行うN社から漏れ出し、付近からは毒性の
ある硫化水素が検出されたが、濃度が薄く人体などへの影響はないという。

同社によると8日、ステンレスを加工するときに使う樹脂液の入れ替えをした。
新たに入れた液と、残っていた液が反応してガスが発生したとみられ、工場内
に充満したガスが外に漏れ出したという。当時工場は稼働しておらず、けが人
はなかった。また市によると、液体の流出などはなかった。

警察によると、付近からは硫化水素が検出された。毒性はあるものの濃度が
薄いため、人体への影響はないとみられ、けがをしたり不調を訴えたりする人
はいない。

警察は、現場から約150メートルへの立ち入りを制限し、住民に外出しないよ
う呼びかけたが、午後7時20分に解除されている。
(テレビ山口)

◆解説

同社は、創業昭和19年、資本金3,000万円、従業員90名の中堅企業です。

「工場内に充満したガスが外に漏れ出した」ということですが、それでも3時
間程度、現場から約150メートルへの立ち入りを制限し、住民に外出しないよ
う呼びかけたということです。

硫化水素はとても発生しやすいガスだといえます。工場(製紙工場、化学工場
など)で、硫酸塩を含む液体を扱う場合や、嫌気性時に硫酸還元菌により有機
物が分解される場合も発生します。

また、過去には廃液を廃液ドラム缶に捨てた際に、もともとドラム缶に貯留し
ていた廃液と反応して硫化水素が発生したケースもあります。

硫化水素は、例えば温泉であれば人は文句を言いませんが、工場の臭気となる
と低濃度であってもクレームに繋がります。

硫化水素に限らず、化学工場でなくても何らかのガスが発生することは考え得
ることです。近隣への影響を考慮して、予防と対応の処置を確立しておくこと
が重要です。

★大気汚染防止法において特に認識すべき二つの条文について「ESHエキス
パート」で解説しています!

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採用されています。

 

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■労働災害の真相

◆ボウリング場で男性重体、ピン並べる機械に挟まれる/兵庫 (12/8)

7日午後8時ごろ、兵庫県西宮市のボウリング場「E―BOWLトマト西宮」で、
40歳ぐらいの男性従業員がピンを並べる機械「ピンセッター」に挟まれたと
119番があった。西宮署によると、男性は機械に詰まったピンを取り除く作業
中に挟まれ、意識不明の重体。

ピンセッターは鉄製。レーンにピンを置く部分と、その上部との間に上半身を
挟まれていた。男性は機械の電源を切っていたが、作業中に何らかの力がか
かったとみられる。作業から戻ってこないのを不審に思った別の従業員が確認
しに行き、男性を発見した。

署が詳しい状況を調べている。
(共同通信)

◆解説

被災された男性は、翌昼には意識が戻り、5日後には退院し自宅にて怪我の
療養をするまでに回復したとのことで何よりです。

たまたま、同ボウリング場のブログにて次のとおり事後報告があったのを見つ
けましたので、以下に引用いたします。

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事故調査結果のご報告

大変遅くなりましたが、R4年12月7日に発生した事故についての調査結果を
ご報告させていただきます。

当時の正確な状況としましては当社社員がトラブル対応に向かい作業していた
所、お客様側後方で待機していたスタッフが当該社員の動きが無くなっている
事に気づきインカムで呼びかけるも返答が無かった為、数名のスタッフと共に
現場に向かい意識を失っている事を確認し救助したというのが事故当時の状況
です。

マスコミ各社やSNSで報道されていた機械が勝手に動き出して挟まれたという
情報や一部報道にあった心肺停止といった様な状態ではございませんでした。

けれども肺気胸が原因と思われる呼吸不全で意識不明となっていた事は事実で
す。

当該社員がテーブル上で意識を失っているのをレーン側後方から確認した時点
で、私どもも詳細がわからぬまま色々と誤解し、慌てて救急に連絡をした際に
「機械に挟まっている」という表現で通報してしまった事が誤報道のきっかけ
になってしまったものだと思われます。

現場に駆けつけた時点で電源が入っていない事は確認済み、また機械に圧迫さ
れている状況では無いだろう事がわかっていた者もおりましたが、正式な詳細
調査・検証結果が出るのに時間がかかり、センターとしての公式発表がなかな
か出来ずお騒がせした状況のままとなってしまっていた事、誠に申し訳ござい
ません。

当時現場に急行し状況を確認したスタッフの証言や救出後の現場検証・マシン
の動作チェック等の検証結果により、当該社員の倒れていた空間にはやはり
若干の隙間が確保されており機械が動き出した形跡も無く、怪我が肋骨骨折と
肺気胸の胸部のみで頭部や他の部位には大きな損傷が見られなかった事また
マシンの特性上から考察してもマシンの誤作動で身体が挟まれ圧迫されたとは
考えられないという事が判明しました。

ただ、本来であればそのような場所に身体を入れて行うような作業はフロア
スタッフレベルでは行うはずもなく、また技術者であるメカニック担当者で
あっても通常はそのようなトラブル対応の仕方は考えられないものである為、
何故そこに入り込んでしまったのか?何をしようとしていたのか?何故そこで
意識を失ったのか?という詳細の究明は本人の証言に頼らざるを得ない状況で
した。

当該社員も翌昼には意識が戻り、5日後には退院し自宅にて怪我の療養をする
までに回復しておりましたので、当時の状況の聞き取り調査を行いましたが、
心因的ショックが原因と思われる一時的な記憶障害が起こっており当日の記憶
が全て抜け落ちていて何も思い出せないとの事でした。

ですが、本人も自身がそのような作業をしてはならない事は当然理解していた
為、何故自分がそこに入り込んで倒れてしまっていたのか全く検討がつかない
と申しておりますので、色々と可能性を推測する事しか出来ずまたそのどれも
が憶測でしか無い為、当社としても現時点ではこれ以上の真相究明は困難で
あると判断しました。

しかしながら、わざとでは無く偶然の突発的事故であった可能性があったに
しても、何らかの不注意が原因である可能性や当社の教育体制が不十分であっ
た事は否めない為、数日間の臨時休業期間をいただき再度全スタッフへのトラ
ブル対応研修と注意喚起を行う期間を設け安全確認をした後、営業再開とさせ
ていただきました。

調査に時間を要した上に真相解明に至らずご報告が遅くなってしまい大変心苦
しく思っておりますが、これにて事故の調査は一旦終了とさせていただきます
事、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

日頃より当センターをご利用下さっている市民の皆様や会員様は勿論の事、
当日事故現場に居合わせたお客様、またボウリング業界全体そして日本全国の
皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけする事態を引き起こしてしまった事を
改めて深くお詫び申し上げますとともに、今後はスタッフ一同、今回の事例を
教訓とし気を引き締め直し再発防止に努め、ご来場のお客様に安全かつ安心し
てプレーしていただける環境作りに従じて参る所存でございますので、今後と
もE-BOWLトマト西宮へのご愛顧どうぞよろしくお願い致します。

株式会社ノースレッジ
E-BOWLトマト西宮
代表取締役 北野周一
**********************************************

結論としては、たまたまトラブル対応中に病気で意識不明になったことが真相
のようです。

私自身もYouTube動画にてこの事故をお伝えした際、マスコミの報道を鵜呑み
にして誤った情報をお伝えしたことを反省いたします。

この事故の教訓は、次の2点だと考えます。

(1) メディアに正しい情報を伝えるリスクコミュニケーション

(2) ”本来であればそのような場所に身体を入れて行うような作業はフロアス
タッフレベルでは行うはずもなく、また技術者であるメカニック担当者であっ
ても通常はそのようなトラブル対応の仕方は考えられない”という記述からわ
かるとおり、教わっていないことは(たとえ善意であっても)やってはいけな
いこと

この2点、特に「教わっていないことはやってはいけない」ことの教育が十分
か見直すことをお薦めします。

この記事に関する解説は、YouTubeチャンネル「安全衛生アカデミー」でも
お伝えしています。どうぞご覧ください。

★安全衛生に関して「教わっていないことに気を利かせる」ことは「悪」で
あることについて「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

 

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

No Safety, Know Pain. Know Safety, No Pain.

■新着情報

・水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令」 の閣議決定

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

ボウリング場ではさまれ災害で一時意識不明の重体、なぜ機械(ピンセッ
ター)は動いたか?
https://youtu.be/Efogjar8-DY

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 14件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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【発行元】
環境ワークス株式会社
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発行責任者 黒崎

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