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NO.487

新潟県燕市内にある火災が発生した事業所から六価クロムを含む水が流出

■■ ESHの解決策
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2020.1.22 No.487

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

先日、2020年のお年玉付き年賀はがきの当選発表がありました。
最近ではメールやSNSの普及により、年賀はがきを送る風習も廃れつつありま
すが、それでも元旦にポストをのぞく瞬間のワクワク感は子供の頃から変わり
ません。

年賀はがきは70年前、京都在住の会社経営者の男性が考案したものでした。男
性は雑誌の取材で「太平洋戦争の終戦後、年賀状が復活すれば知人同士で消息
を知ることができる。また、年賀状に賞品が当たるくじがあれば夢があるし、
寄付金付きにすれば社会福祉にも役立つ」と答えたそうです。

最初の特等賞品は「ミシン」、1等が「純毛洋服地」でした。昭和20年代後半
に電気洗濯機、昭和30年代にトランジスタ携帯ラジオ、昭和40年代にポータブ
ルテレビや電卓、昭和50年代にラジカセや電子レンジが登場。平成に入ると、
人々の価値観の多様化を反映してか、複数の賞品から1つを選べる形式が採用
されました。

そして、今年の特等賞品は東京オリンピックのペアチケットです。わずかな可
能性にかけて真剣に番号を確認したいと思います。(門)

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情報機構が主催するセミナーで弊社代表の黒崎が講師を務めます。

セミナーでは、CSRとEHSの関係、EHSガバナンスの構築方法、EHSマネジメント
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■環境不祥事の教訓

◆新潟県燕市内にある火災が発生した事業所から六価クロムを含む水が流出
(1/6)

新潟県は6日、同日火災が発生した有害物質使用事業場(燕市小関)を、県三
条環境センターが確認したところ、六価クロムを含む水の流出が認められた、
と発表した。

事業場下流の水路において水質簡易検査を行ったところ、六価クロムが検出さ
れた。ただ水路が接続する大通川では、六価クロムは検出されなかった(なお
県によると大通川およびその下流の新川水系には水道取水はない)。また現在、
事業者が水路において下流への流出防止措置を講じており、下流への流出は止
まっている。県では今後も、水路および大通川において水質検査を実施してい
く。

一方、県は事業者に対し、以下の指導を行った。
・事業場内の廃液を回収すること
・水路に溜まった六価クロムを含む水を回収すること

六価クロムは、クロム合金、クロムメッキなどに使用される。健康への影響と
しては、胃腸障害、皮膚炎を引き起こすといわれているほか、発がん性のある
物質といわれている。
(にいがた経済新聞)

◆解説

この流出事故に対しては、新潟県(県民生活・環境部 環境対策課)からも、
次のとおり2度にわたり速報が出ています。

【2020年1月6日】

令和2年1月6日、燕市小関の有害物質使用事業場で火災が発生したことを受
けて、県三条環境センターが事業場を確認したところ、六価クロムを含む水の
流出が認められました。

事業場下流の水路において水質簡易検査を行ったところ、六価クロムが検出さ
れましたが、水路が接続する大通川では、六価クロムは検出されませんでした。

現在、事業者が水路において下流への流出防止措置を講じており、下流への流
出は止まっています。

また、大通川及びその下流の新川水系には、水道取水はありません。

【2020年1月16日】

燕市小関の有害物質使用事業場の火災により、当該事業場から下流水路へ六価
クロムを含む水の流出が認められました(令和2年1月6日公表)。

事業者は事業場外への流出防止措置を行い、また、水路に溜まった六価クロム
を含む水の回収を終了しました。

1月14日、三条環境センターが下流水路及び大通川で水質調査を実施しました。
その結果、いずれの地点でも六価クロムは検出されませんでした。

「燕市地域防災計画」(平成28年度修正)では、次のとおり中小のメッキ工
場に関する懸念が記されていますが、それが現実となった形です。

毒物劇物取扱施設等安全対策毒物劇物は、その物性、化学的特性のため、漏え
いするとその毒性により大きな被害が想定される。燕市には中小のメッキ工場
が多数所在しているため、市は、県と協力して毒物劇物営業者及び届出を要す
る毒物劇物を業務上使用する者に対して、次の事項を指導するとともに、届出
を要しない毒物劇物を業務上使用する者のうち、大量に取扱う者の把握に努め、
適正な取扱いについての指導に努める。

このような中小のメッキ会社などに業務委託する場合は、取引前の評価と取引
開始後は適切な指導や支援をすることが期待されます。

ただし、強引な値引きで外部委託先の経営を圧迫しながら、要求だけは厳しく
することは避けて欲しいものです。

★ISO 14001における外部委託(アウトソース)の要求事項と外部委託先評価
における「負の遺産」について「ESHエキスパート」で解説しています!

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採用されています。

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■労働災害の真相

◆食品工場ガス爆発で禁固の判決/福島 (1/15)

3年前、福島市の食品メーカーの工場で起きた従業員1人が死亡したガス爆発
事故で、業務上過失致死などの罪に問われている元工場長に対し、福島地方裁
判所は、15日、禁固1年2か月、執行猶予3年を言い渡した。

福島市の食品メーカーの元工場長、N被告(38)は、オーブンのガス検知器
が故障したという報告をうけたあと、1年5か月近くオーブンを使い続けた結
果、3年前の3月の爆発事故で当時50歳の男性従業員を死亡させたとして、
業務上過失致死と労働安全衛生法違反の罪に問われている。

先月の初公判で、被告は起訴された内容を認め、検察は禁錮1年2か月と罰金
30万円を求刑していた。

15日の判決で、福島地方裁判所の柴田雅司裁判官は「被告がガス検知器の故
障や換気などの措置について告知、指示をしなかったのは、考えがたい、著し
い怠慢だ。被害者は一瞬にして生命を奪われ、結果は重大かつ悲惨だ」と指摘
した。

そのうえで「被告は反省、謝罪の態度を示している」として、禁固1年2か月、
執行猶予3年、罰金30万円の判決を言い渡した。

また、労働安全衛生法違反の罪に問われた会社としてのG食品には、罰金50
万円を命じた。
(福島 NEWS WEB)

◆解説

労働災害の判決としては、極めて厳しいものと言えます。

被告は工場長といえども38歳であり、執行猶予が付いたのは救いだとも考え
られます。

本件は、書類送検された際に「ESHエキスパート」 No.260(March 20, 2019)
でも特集しています。

この災害に対する労働安全衛生法上の問題は次のとおりです:

当該オーブンは、危険物であるプロパンガスを取り扱う設備のため、労働安全
衛生法において、作業指揮者を定め、当該オーブンを随時点検し、異常を認め
たときには直ちに必要な措置をとらなければならなかったのに、被疑者は、作
業指揮者を定めず、平成27年10月に当該オーブンの安全装置が故障しているこ
とを把握していたにも拘らず修理等必要な措置を講じなかった。

適用法令は次のとおりです:

【労働安全衛生規則】
(作業指揮者)
第二百五十七条 事業者は、危険物を製造し、又は取り扱う作業を行なうとき
は、当該作業の指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させるとともに、次の
事項を行なわせなければならない。
一 危険物を製造し、又は取り扱う設備及び当該設備の附属設備について、随
時点検し、異常を認めたときは、直ちに、必要な措置をとること。
二 危険物を製造し、又は取り扱う設備及び当該設備の附属設備がある場所に
おける温度、湿度、遮光及び換気の状態等について、随時点検し、異常を認め
たときは、直ちに、必要な措置をとること。
三 前各号に掲げるもののほか、危険物の取扱いの状況について、随時点検し、
異常を認めたときは、直ちに、必要な措置をとること。
四 前各号の規定によりとつた措置について、記録しておくこと。

プロパンガスが労働安全衛生法の危険物であること、そして作業指揮者が必要
であることを認識している組織はとても少ないと思います。

しかし、ひとたび重篤な災害が発生すると、現実にこのような厳しい処分が科
せられるのです。

プロパンガス→ 危険物 → 作業指揮者 → 随時点検 → 異常時の措置

このような法令の流れは知らなかったでは済まされません。
判例からも学ぶことが重要であり、本メルマガも微力ながら情報提供に努めて
参る所存です。

★安全衛生担当者が知っておくべき労働災害に関する罰則(両罰規定と執行猶
予)について「ESHエキスパート」で解説しています!

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

夢を求め続ける勇気さえあれば、すべての夢は必ず実現できる。
いつだって忘れないでほしい。
すべて一匹のねずみから始まったということを。

■新着情報

作業環境測定への個人サンプリング法の導入について

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説と参考事例紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 23件

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