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NO.486

100キロ超す庭石の下敷きで労働者が死亡 作業指揮者を選任しなかった解体業者を書類送検

■■ ESHの解決策
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2020.1.8 No.486

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も旧に倍してのご支援をよろしくお願いいたします。

お蔭様で弊社は昨年創立25周年を迎えることができました。私自身は2月で60
歳となります。同級生が第一線を退く中で、私は有り余るほど多くのお仕事の
機会を頂戴しております。これまで以上に「知識という財産」の”アップデー
ト”に注力するとともにその財産を読者様に還元して参る所存です。

年末年始に多くのYouTubeを見ました。ビジネス、マーケティング、自己啓発
など多くのジャンルがあり、中には驚くほどクオリティの高い動画もありまし
た。YouTuberになるかは不明ですが、「知識という財産」の還元手段として動
画の利用にも挑戦したいと考えております。

メールマガジンでもお伝えしているとおり、残念な労働災害が後を絶ちません。
微力ながら不幸な労働災害の低減に寄与できるよう努めて参る所存です。本年
も変わらぬご指導、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

末筆ですが、皆様の本年のご健康とご活躍を祈念申し上げます。

環境ワークス株式会社
代表取締役 黒崎 由行

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★【セミナー】EHSの最新動向と企業に求められるEHSマネジメント

情報機構が主催するセミナーで弊社代表の黒崎が講師を務めます。

セミナーでは、CSRとEHSの関係、EHSガバナンスの構築方法、EHSマネジメント
の要素について解説いたします。
・日時 2020年2月18日(火) 12:30-16:30
・会場 東京・京急蒲田]大田区産業プラザ(PiO)6階G会議室
・受講料 1名41,800円(税込、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円

詳細はこちら→ http://www.johokiko.co.jp/seminar_medical/AA200240.php

本セミナーでは、講師割引が適用されます。

割引額はそれぞれ上記料金より
・1名ご参加の場合 \11,000円引き
・2名以上参加の場合
通常の同時申込割引から更に1名につき¥2,200円引きとなります。

講師割引をご希望される方は申込書をお送りしますので、info@esh.co.jp
までご連絡ください。

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労働安全衛生コンプライアンス・CSR対策の決め手 (安全衛生選書)

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■環境不祥事の教訓

年末に廃棄物リサイクル関連施設で2件の火災事故が起きたので紹介します。

◆福岡市ごみ処理施設「炎と煙が見える」119番 消防車24台出動、なお火は
消えず (12/23)

22日午後8時15分ごろ、福岡市東区蒲田5の市のごみ処理場「クリーンパーク・
東部」の男性職員から「不燃物貯蔵場所の火災警報器が作動し、監視カメラで
確認すると炎と煙が見える」と119番があった。約15時間後の23日午前11時現
在も施設内部の火は消えておらず、消防車24台で消火している。けが人はな
かった。

市消防局や福岡県警東署によると、火災が起きた建物は4階建てで、不燃物を
破砕する施設。出火当時、クリーンパークの別の施設には従業員が6人いたが、
不燃物破砕施設は稼働しておらず、人もいなかった。何らかの理由でごみから
発火したとみられる。

市家庭ごみ減量推進課によると、同施設の処理能力は1日100トン。不燃物破砕
施設は市内にもう1カ所あり、ごみ処理への影響はないとしている。
(毎日新聞)

◆資材置き場、大量のプラスチックやゴム炎上 千葉・市原 (12/28)

28日午前5時20分ごろ、千葉県市原市犬成のリサイクル会社の敷地内で、
「産業廃棄物が燃えている」と通行人から119番通報があった。県警市原署
によると、資材置き場に積まれたプラスチックやゴムなどが燃えており、けが
人は確認されていない。

消防によると、正午現在、消防車15台が出動して消火をしている。敷地外に
延焼はしていないが、黒煙が上がり、激しく燃えている。
(朝日新聞)

【続報】リサイクル会社で火災 ほぼ1日たち鎮火 千葉 市原 (12/29)

28日午前5時20分ごろ、市原市犬成のリサイクル会社の敷地内から火が出てい
ると通りかかった人から消防に通報があり、はしご車など消防車15台が出て消
火活動にあたった。

出火からおよそ1日がたった29日朝5時前に火は消し止められた。
警察と消防によると、この火災によるけが人はいないという。

現場にはプラスチックやゴムチューブなどが積まれていたということで、警察
と消防は関係者から話を聞くなどして火が出た原因を調べることにしている。

現場は市原市東部の住宅や畑が点在する地域。
(NHK NEWS WEB)

◆解説

毎年毎年、廃棄物リサイクル施設では数多くの火災が発生しています。火災が
発生すると黒煙が上がり簡単に消火できない状況がメディアで報道されます。
廃棄物は燃えるもの、そして燃えると消火が困難であることは周知の事実です
が、同様の事故が繰り返されています。

大多数の廃棄物リサイクル業者は、コンプライアンス違反による許可取り消し
と並んで「火災」が最大の事業リスクであることを認識し、予防と発生時の対
応強化に注力しています。

それでも火災は防ぎきれず、発生時には多大な被害をもたらしています。

排出事業者の多くは現地確認に熱心です。しかしながら、火災・爆発に対する
対応レベルをどの程度検証しているかは疑問です。

危機管理の原則はP2R2です。

Prevention:予防
Preparation:準備
Response:対応
Recovery:復旧

現地確認の際に、火災・爆発への対応レベルをP2R2で検証することが期待
されます。

★廃棄物リサイクル処理施設の現地確認時の火災事故防止に関するチェック項
目を「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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■労働災害の真相

◆100キロ超す庭石の下敷きで労働者が死亡 作業指揮者を選任しなかった解
体業者を書類送検 半田労基署 (12/26)

愛知・半田労働基準監督署は、令和元年11月に発生した労働災害に関連して、
解体業者(愛知県知多郡)と同社代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者
の講ずべき措置等)違反の容疑で名古屋地検半田支部に書類送検した。同社の
労働者が100キログラムを超す庭石の下敷きとなり死亡している。

労災は、愛知県大府市内の住宅解体現場で発生した。庭石を貨物自動車に積み
込む作業を行う際、庭石が荷台から落下している。

同社は1つの荷が100キログラムを超える荷卸し作業を行わせる際、作業指揮
者を選任しなかった疑い。【令和元年12月12日送検】
(労働新聞社)

◆解説

愛知労働局が公開している「平成31年愛知県の全産業死亡災害一覧」では、
本件の災害状況を次のとおり記しています。

解体工事現場で、庭石をダンプ車に積み込み中、約300Kgの庭石が観音開き
のダンプ車のあおりを押し開いて落下し、傍らにいた被災者にのしかかり死亡
したもの。

ダンプの荷台から落下したのですが、どのように荷台に積んだのは不明です。
本件に適用される労働安全衛生規則は次のとおりです。

労働安全衛生規則(積卸し)
第百五十一条の七十 事業者は、一の荷でその重量が百キログラム以上のもの
を貨物自動車に積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)
又は貨物自動車から卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含
む。)を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わ
せなければならない。
一 作業手順及び作業手順ごとの作業の方法を決定し、作業を直接指揮するこ
と。
二 器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
三 当該作業を行う箇所には、関係労働者以外の労働者を立ち入らせないこと。
四 ロープ解きの作業及びシート外しの作業を行うときは、荷台上の荷の落下
の危険がないことを確認した後に当該作業の着手を指示すること。
五 第百五十一条の六十七第一項の昇降するための設備及び保護帽の使用状況
を監視すること。

本条文に対して、基発第78号(昭和53年2月10日)にて次のとおりの解釈が示
されています。

第一項第一号は、荷の積み卸しについて作業を指揮する者が直接具体的な指揮
を行わなければならないことを定めたものであること。

本条の作業をフォークリフト等車両系荷役運搬機械等を用いて荷役を行う時は
第151条の4の作業指揮者が兼ねて差し支えないものであること。

一つの荷でその重量が100kg以上のものの積卸しは稀なことではないでしょう。
しかし、ひとたび重篤な災害が発生すると法的責任を問われることがあるので
す。

積卸しにおける「作業指揮者」の法令を覚えておいてください。

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発行責任者 黒崎

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