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NO.546

日本製鉄の製鉄所から脱硫液流出 水路の魚が大量死/千葉

■■ ESHの解決策
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2022.7.6 No.546

企業の環境&安全衛生、ISO14001、ISO45001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン

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◆ご挨拶

記録的猛暑はひとまず落ち着いたものの、台風4号による影響で各地で家屋の
浸水などの被害が報告されています。一方で深刻な人的被害はなく安心しまし
た。しかし、まだ大気が不安定なため、広範囲で大雨になる可能性があるとの
ことですので、引き続き十分にご注意ください。

これから大雨による被害が大きくなる季節となりますので、最新の気象情報を
確認し、早めに大雨への備えを進めるようにしましょう。(門)

 

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◆オンラインセミナー「安全衛生エキスパート」録画受講のお知らせ

「労働安全衛生を体系的に学ぶ機会はないか?」というご要望にお応えし、
弊社では、2021年4月より6コースのオンラインセミナーを開催し、企業内安全
衛生担当者、コンサルタント、ISO審査員など延べ178名にご参加いただき、
92.7%のご満足を頂戴いたしました。

多くの方々から今年度の受講希望や録画受講希望を頂戴したため、昨年度セミ
ナーの録画受講のシステムを構築し受付を開始しております。

詳細は次のサイトをご覧ください。

https://esh.hp.peraichi.com/2022seminar

 

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■環境不祥事の教訓

◆日本製鉄の製鉄所から脱硫液流出 水路の魚が大量死/千葉 (6/22)

日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)から有害な化学物質を含む液
体が敷地外の河川などに流出したことが、県への取材で判明した。製鉄所周辺
の水路は、19日から約3日間にわたって水が赤く変色し、魚の死骸も多数確認
された。化学物質は小糸川を通じて東京湾に流れ込んだ可能性が高いという。
県は同社に対し、流出量や原因を調べるとともに再発防止策を報告するよう指
導した。

県水質保全課によると、流出したのはコークス炉から出たガスの洗浄に用いる
「脱硫液」と呼ばれる液体。チオシアン酸アンモニウムという人体に有害な物
質が含まれている。

同課などによると、19日に脱硫液を保管していたタンクが何らかの原因で壊れ、
漏れ出た可能性が高い。当時、タンクの中には約3000立方メートルの脱硫液が
入っていたが、流出量は分かっていない。水路から東京湾までの水は生活用水
として利用されておらず、これまでに健康被害も確認されていないという。

日本製鉄の担当者は毎日新聞の取材に対し、「近隣住民にご迷惑をおかけした
ことを重く受け止めている。海上保安庁など関係機関の指導を受け、因果関係
を調査している」と話した。
(毎日新聞)

(続報)日鉄・脱硫液流出 基準超のシアン検出 工場排水口付近/千葉 (6/
25)

日本製鉄東日本製鉄所君津地区(君津市)から有毒な化学物質を含む液体が流
出した問題で、同社は24日、工場の排水口付近の水から県条例の基準を超える
シアンやアンモニアを検出したと発表した。県水質保全課は「海に流れて希釈
すれば、直ちに健康に影響はない」としている。

同社によると、基準値を超えたのは化学的酸素要求量(COD)、シアン、全窒
素(T-N)、アンモニアの4項目。このうち毒性の強いシアンは、基準値(不
検出)を上回る1リットル当たり0.3~0.6ミリグラムを21日と22日に2カ所で検
出した。

流出したのはコークス炉から出たガスの洗浄に用いる「脱硫液」。同社はタン
クからの漏れが分かった18日、最も近い排水口1カ所を遮断。ところが19日以
降、別の排水口2カ所からも漏れていることが分かったという。23、24日以降
はシアンを検出しておらず、同社は「敷地内からの流出を止めることができた
と考えている。行政の指導に真摯(しんし)に対応する」としている。
(毎日新聞)

(続報)日本製鉄の工場からまた有害物質が流出 基準値の最大5倍超える「シ
アン」を検出/千葉 (7/4)

日本製鉄の工場からまた、有害物質の流出が確認された。

日本製鉄をめぐっては、先月19日に工場からガスの洗浄に使う「脱硫液」が千
葉県君津市の小糸川に流れ出た影響で、川の水から人体に有害なシアンが基準
値を超える量で検出されている。

千葉県は3日、工場で排水の処理施設が故障した影響で、先月30日と今月1日に
基準値を最大で5倍を超えるシアンが東京湾に面する排水口で検出されたと発
表した。

千葉県は、日本製鉄に対して行政指導を検討するとしている。
(TBSテレビ)

◆解説

脱硫液(主な成分はチオシアン酸アンモニウムなどのアンモニア化合物)によ
る魚の大量死に続いて基準を超えるシアンが検出され(排出口:#10,#11,
#14)、別の排出口#7からもシアンが検出されるという異常事態となりました。

これまでの経緯を纏めると次のとおりとなります。

6/18 脱硫液のタンク(発生当時の在庫 約 3,000 m3)より漏洩が発生
#10排水口系統に流入していたため遮断ゲートを閉弁
6/19 #14排水口より赤色着色水の構外への流出を確認し、遮断ゲートを閉弁
6/20 #11排水口より赤色着色水の構外への流出を確認
6/23 6/21,22に#10,11,14排出口より採水した排水よりシアンを検出
6/25 県からの行政指導により全17の排出口の分析を開始
7/02 #7排出口から採水した6/30,7/1の排水よりシアンを検出

同社は、6/24と7/3の2度にわたりニュースリリースをしていますが、原因は調
査中とのことです。

同社の広大な敷地における排水経路は不明です。しかし、多くの企業が教訓と
すべきは、”自社の排水や雨水の経路を正確に把握する”必要があるというこ
とです。

残念ながら、雨水経路図を作成していない、勾配までは把握していない、緊急
時に利用可能となっていないなど、排水系統が十分に把握できていない企業は
少なくありません。

自動車の運転に例えると、地図もカーナビもなしで運転している状態で、無事
に目的地に到達することが難しくなります。

排水/雨水の経路図を整備しましょう。

★監査・審査における雨水系統の確認ポイントを「ESHエキスパート」でご紹
介しています!

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☆【ESHエキスパート】は大手ISO審査機関で審査員教育用資料として
採用されています。

 

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■労働災害の真相

立て続けに3件の重量物の下敷きになる死亡災害が発生したのでお伝えします。

◆倉庫で1トンの古紙の下敷き、男性死亡…1人で圧縮・積み上げ作業/新潟
(6/22)

20日午前11時半頃、新潟県長岡市の古紙リサイクル業者の倉庫で同社員の男性
(54)が重さ約1トンの古紙の塊の下敷きになっているのを別の従業員が発見
し、119番した。男性は病院に運ばれたが、約1時間半後に死亡が確認された。

長岡署の発表によると、男性は古紙の圧縮や倉庫への積み上げに従事していた
という。1人で作業していたとみられ、同署が事故原因や死因などを調べてい
る。
(読売新聞)

◆鋼材の下敷きとなり男性作業員が死亡 波佐見町で労災事故/長崎 (6/24)

24日午前、東彼・波佐見町の工場で作業員の62歳の男性が鋼材の下敷きとなり、
死亡する労災事故があった。亡くなったのは佐賀県嬉野市の契約社員の男性
(62)。

警察によると、作業員の男性は24日午前10時前、金属加工などを行う波佐見町
の会社のショット工場内で鋼材の下敷きになった。約1時間後にその場で、死
亡が確認されている。

作業員の男性は、他の作業員3人と共に鋼材を運び出す作業をしていたという。
(テレビ長崎)

◆USJで作業員が死亡 木箱落下し下敷きに/大阪 (7/1)

1日午前9時半ごろ、大阪市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(USJ)敷地内のバックヤードで、「木箱が落下して従業員が下敷きになっ
た」と119番があった。下敷きになったのは物流会社の男性作業員(28)とみ
られ、病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。

大阪府警此花署によると、この男性は他の作業員4人とともに、配電盤が入っ
た重さ約2トンの木箱をトラックから降ろす作業中だった。フォークリフト上
でバランスを崩した木箱を支えようとしたところ、木箱が男性の真上に落下し
たという。
(産経ニュース)

◆解説

重量物の下敷きになって死亡するという悲惨な災害が立て続けに発生しました。

1トン以上もあるような重量物の前では人間は無力ですね。

何度もお伝えしていますが、労働災害には「人」と「エネルギー」が不可欠で
す。重量物に加え、高さ(位置エネルギー)があれば、そのエネルギーはとて
も大きなものとなります。

そのエネルギーを受けないようにしなければなりませんが、その際に重要なの
は次の言葉です。

LINE of FIRE(弾丸の通る道筋)

重量物であれば、重力で落下するその下に絶対に身体を入れてはいけません。

なお、LINE of FIRE については、次の動画でも解説しています。

安全の常識、LINE of FIREを知っていますか?
https://www.youtube.com/watch?v=ZEDkPGoqtho

大きなエネルギーを持つ「高さを有する重量物」に対して、LINE of FIRE の
回避を確実なものとして重篤な災害を防止しましょう。

★これらの事故に関連する法令と海外の落下物リスクの算出ソフトの例を
「ESHエキスパート」でご紹介しています!

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★環境・安全衛生のリスク察知感性と解決策の提示力を高める

◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介

■復活!今日の言霊

雨が降っているときは虹を探そう。暗いときは、星を探そう

■新着情報

・感染性廃棄物処理マニュアルの改定

・YouTube「安全衛生アカデミー」新着動画

ロックアウト・タグアウト不良による災害・送検が立て続けに発生、
誤起動防止措置とは
https://youtu.be/HXRRVpYW6pQ

記録的猛暑、熱中症予防にはマスク着用の管理が必要
https://youtu.be/2KF0O_5FW_U

 

■環境不祥事の教訓

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■労働災害の真相

より詳細な解説とベストプラクティス紹介

■環境事故・ニュースレポート

全国の事故・事件情報 3件

■労働災害レポート

全国の労働災害・書類送検情報 26件

 

【ESHエキスパート】 → https://www.esh.co.jp/expert.html

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