東洋ゴム:免震装置改ざん 全国55棟に使用、数値操作
■■ ESHの解決策
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2015.3.18 No.371
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
朝晩の冷え込みは厳しいものの、日中は暖かい日差しが降り注ぎ、春の訪れを
感じるようになりました。厚いコートを脱ぐと心も軽やかになってくるような
気がしますね。
春には心が浮き立つような明るいイメージがありますが、実はうつ病になりや
すい季節ともいわれています。生活環境の変化による精神的ストレス、また寒
暖の差が引き起こす体調不良などが原因とされています。
デンマークに本社がある製薬企業の調査によると、日本で働く人の10人に1
人が「うつ病」と診断されていることが分かりました。日本のうつ病患者の割
合は世界16カ国中14番目と決して多いほうではありません。
しかし、うつ病の同僚に対して「自分に何か役に立てることはないかと尋ね
た」人の割合が16%にとどまり、16カ国で最下位。「何もしない」との回
答は40%で最多でした。また、うつ病の従業員に対する会社のサポートへの
評価も日本は最下位だったそうです。
企業のメンタルヘルス対策の充実はもちろんですが、とかく希薄になりがちな
職場の人間関係を改善していく必要があることを強く感じました。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆東洋ゴム:免震装置改ざん 全国55棟に使用、数値操作 (3/13)
東洋ゴム工業(本社・大阪市)は13日、製造・販売した「免震装置」の製品
の中に、国の認定を受けた際に申告した基準値を満たさない製品が含まれ、少
なくとも18都府県のマンションや病院など55棟に使われていたと発表した。
同社は同日午後、山本卓司社長らが記者会見し、「担当者が数値を改ざんした
可能性が非常に高い」と謝罪した。国土交通省は建築基準法に違反していると
して、違反している3製品の認定を取り消すとともに、建物の安全性の調査と、
必要に応じて装置の交換や改修などの対策を取るよう同社に指示した。
同省によると、55棟の安全性について「現時点では危険という確証は持って
いない」としている。免震装置はゴムなどで製造。建物と地面の間に入れるこ
とで揺れを吸収し、建物に伝わりにくくする。
問題となった装置は、揺れを抑える性能についての同社の申告に基づき、国が
データを検証して認定した。製造過程ではばらつきが出ることから、申告時の
値(基準値)より一定程度低い製品でも使用は許されていた。
しかし、同社の担当者は2004~15年、最大で基準値より50%低いなど、
使用できないレベルの製品でも数値を操作して性能を満たしているように見せ
かけていた。改ざんをしていた疑いが高いのは、子会社の東洋ゴム化工品(東
京都)の明石工場に現在勤務する免震ゴムの担当者。同社は14年2月に不正
に気付き、東洋ゴムで検証を続けていたとしている。
国交省によると、東洋ゴムからは「震度6強~7の地震があった場合、10%
の性能低下では1階部分が約27センチ動くのに対し、50%では約34セン
チ動くという試算が出た」とする説明があったという。
同社は13日、フリーダイヤルの問い合わせ窓口(0120・880・32
8)を設置した。
(毎日新聞)
(続報)東洋ゴム:法令順守、問われる姿勢 免震装置不適合 (3/13)
東洋ゴム工業が13日、国の基準を満たしていない「免震装置」を製造・販売
していたと発表したが、同社は2007年にも建材用断熱パネルの性能を改ざ
んし、社長が引責辞任する事態に発展している。今回は社内での問題発覚から
国土交通省への報告まで1年もかかっており、不正行為の防止やルール順守の
姿勢が厳しく問われそうだ。
「コンプライアンス(法令順守)意識が不十分だった。物件の居住者、所有者
には深くおわび申し上げる」。山本卓司社長は同日、大阪市内で開いた緊急の
記者会見で深く頭を下げた。
07年の改ざん発覚後、同社は社長直属の監査室を新設し、担当者を定期的に
交代させて不正を生まない体制作りを進めてきた。しかし、今回改ざんした疑
いが強い子会社、東洋ゴム化工品・明石工場の担当者は、免震ゴムの開発設計
担当を10年間も代わっていなかった。山本社長は「高い専門性が必要で交代
が難しかった。上司も専門性がなく、事実上チェックできなかった」と語った。
今回の問題は昨年2月、明石工場で免震ゴム開発設計の担当者が交代した時点
で発覚していたという。国交省への報告まで1年もかかったことについて、山
本社長は「調査はしていたが、遅いと言われても仕方がない」とのみ答えた。
一方、経営責任については「おわびをして、早期に対応することが責任だ」と
述べるにとどめた。
同社の14年12月期の売上高は3937億円で、うち免震ゴム事業は7億円。
事業規模はわずかだが、度重なる不正発覚で消費者や取引先に与えた不信感は
根強い。現在、弁護士らによるチームが「改ざん」の理由や組織上の問題につ
いて検証を進めている。不正行為が行われた原因の徹底究明や実効性のある再
発防止の取り組みが信頼回復のカギを握る。
(毎日新聞)
◆解説
環境問題ではありませんが、コンプライアンス上、重要な示唆に富む事例です
ので採り上げます。
最大の問題は、社長の次の言葉に表れているのではないでしょうか。
「コンプライアンス(法令順守)意識が不十分だった。」
コンプライアンスとは、”意識”の問題ではなく、ガバナンスの問題であるこ
とが理解されていない、と受け取られても仕方のないコメントです。
2007年に別件のデータ改ざんで社長が引責辞任しているにもかかわらずです。
ただ、記事によれば、「07年の改ざん発覚後、同社は社長直属の監査室を新
設し、担当者を定期的に交代させて不正を生まない体制作りを進めてきた。」
とのことですので、問題は、当該会社が子会社だったことにあるかもしれませ
ん。
近年の環境マターを含む多くの不祥事が子会社で起きていることに留意し、子
会社を含めたグループとしてガバナンスを強化することが重要です。
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■労働災害の真相
◆建物解体現場で作業員感電死 建設会社を書類送検/和歌山 (3/5)
和歌山県海南市の建物解体工事現場で昨年9月、男性作業員=当時(38)=
が感電死する労災事故があり、和歌山労働基準監督署は5日、労働安全衛生法
違反の疑いで、法人としての元請け建設会社(福岡市)と、男性現場監督(5
5)ら3人を書類送検した。
労基署によると、作業員は昨年9月28日、高さ約7メートルの足場で作業中、
持っていた鉄パイプが頭上の電線に接触し感電した。送検容疑は、電線にカバ
ーをする感電防止措置を怠るなどした疑い。現場監督は「電線があることは知
っていたが、防止措置をしていなかった」と容疑を認めている。
作業員は海南市の下請け業者に雇われていた。
(産経WEST)
◆解説
平成25年度の労働災害統計によれば、感電による死亡者は5名、死傷者は120名
と多くはないものの発生しています。
この事故は、事前のKYTやリスクアセスメントが適切に実施されていれば防
ぐことができた事故です。
特に注意が必要なのは、本件のようなパイプやクレーンなど長尺物の接触によ
る事故です。
また、多くの場合、それらは業者による工事の際に発生しています。移動式ク
レーン(ユニック車)による電線への接触は頻発しており注意が必要です。
作業前のKYTやリスクアセスメントを確実に実施して、または業者による工
事の際は発注者として確実に実施させて、感電による事故を防止しましょう。
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
■今日の言霊
喜びと悲しみは入念に織り込まれ
■新着情報
・有機溶剤中毒予防規則の規定により掲示すべき事項の内容及び掲示方法を
定める等の件の一部を改正する件
・欧州化学物質庁事務局長による化学物質管理政策最新動向セミナー
■環境不祥事の教訓
より詳細な解説と参考事例紹介
■労働災害の真相
より詳細な解説とベストプラクティス紹介
■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 3件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 21件
■海外の事故事例
海外の環境・安全事故情報 1件
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