福岡・死亡火災:院長書類送検 トラッキング現象で発火
■■ ESHの解決策
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2015.3.4 No.370
企業の環境&安全衛生、ISO14001、OHSAS18001の担当者、管理責任者を
支援するサポーターメールマガジン
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◆ご挨拶
先日のNHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」という番
組を観て衝撃を受けました。
「腸内フローラ」とは、腸の中に住む細菌たちの生態系のことを言います。人
の腸内には約1000種類、合計で100兆匹以上の細菌が生息していて、そ
の中には人体に有害な悪玉菌もいれば、良い働きをする善玉菌もいます。その
細菌の出す物質が、私達の美容や健康に様々な影響を及ぼしていることが分か
ってきました。その影響は脳にまで及び、うつ病とも関係しているのではない
かと考えられています。
「腸内フローラ」を治療に活かす臨床研究も次々と始まっています。腸内に生
息する細菌は人それぞれ違い、米国では難病に苦しむ人に健康な人の便を注入
したところ、約8割の人が健康になったとの症例もあるそうです。
さらにマウス実験では、活動的なマウスと臆病なマウスの便を交換して注入し
たところ、性格まで変わったとの結果も紹介されていました。
さらなる解明で医療が大きく変革するのではと期待されています。(門)
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■環境不祥事の教訓
◆特種東海製紙、島田工場の火災がようやく完全鎮火/静岡(1/6)
(1/6 17:31) 特種東海製紙は7日、昨年12月31日の未明に島田工場(静岡県島
田市)で発生した火災が、火災発生から129時間(約5日超)にも及ぶ長時間の
消火作業の末、5日15時00分になりようやく完全鎮火に至ったことを発表した。
この火災は、島田工場内の木質チップ貯蔵庫で発生したもので、火災の結果、
木質チップ貯蔵庫に保管されていた木質チップとその貯蔵庫が全焼したという
ものとなる。
特種東海製紙では、長時間に渡って継続した火災により生じた大量の煙や焦げ
た臭いによる被害等については真摯に対応するとしている。
また、5日に完全鎮火した火災事故を7日になってから正式に発表したことにつ
いても「ご挨拶が遅くなりましたことを併せてお詫び申し上げます」と改めて
謝罪した。
(Market Newsline)
◆解説
年末年始の火災事故ですが、日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」で特集記
事があり、教訓とすべき点も多いので採り上げます。
教訓 (1)
この火災の原因はサイロにつながるコンベヤーの溶接作業でした。出荷前日に
行われた溶接作業でしたが、数時間くすぶった後に火災に至ったようです。
教訓 (2)
火災がコンベヤーを導火線のように伝わりサイロに延焼しました。サイロ内部
の木質チップをショベルカーで掻き出しては消火を繰り返しました。
教訓 (3)
火種からサイロで火災が発生するまでの18時間に警備会社と社内消防団が合計
8回も現場を巡回していたにもかかわらず、火災が発見されませんでした。
教訓 (4)
12/31から1/5までホームページで情報提供をすることができませんでした。原
因はホームページの管理委託会社が年末年始の休暇中であったためです。
同社社長は、特集記事のインタビューの中で、「緊急時の連絡、作業体制を整
備していなかったことや、社内のシステム部だけで応急対応をできる体制を取
ってこなかった(ホームページの件)」と反省の弁を述べています。
これらの教訓を他山の石として活かしたいものです。
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■労働災害の真相
◆福岡・死亡火災:院長書類送検 トラッキング現象で発火 (2/17)
福岡市博多区の医院「安部整形外科」で10人が死亡した2013年の火災で、
福岡県警は17日、防火扉の管理などの安全措置を怠ったとして、院長(4
7)を業務上過失致死傷容疑で福岡地検に書類送検した。県警によると、院長
は「死傷者が出た責任は認めるが、防火扉の維持管理は業者がしていると思っ
た」と容疑の一部を否認している。
県警は、出火元を1階にあった「ホットパック」と呼ばれる温熱治療用具を暖
める機器のコンセント部分と特定。壁の差し込み口との間にほこりなどがたま
り発火する「トラッキング現象」が起きたとした。
送検容疑は、院長は防火管理の責任者だったが
(1)防火扉の一部に紙やストッパーを挟み閉まらないようにしていた
(2)防火扉の煙や熱を感知する部品が壊れていたのに、点検を怠り放置した
(3)避難出口となる1階裏口の扉の鍵を当直の看護師に持たせず、玄関も内
側のドアノブに鎖を巻いて容易に開かないようにした
(4)認知症だった院長の母親(当時72歳)=火災で死亡=を防火管理者と
していた
-などとしている。
県警によると、福岡市消防局が10年1月に実施した消防法に基づく査察で防
火扉のストッパーなどの除去を求めたが、医院側は「改善した」と報告してい
た。防火扉に紙を挟んでいたのは誤作動を防ぐためだったとみられ、医院関係
者は患者が夜間に外に出ないよう玄関に鎖を付けていたと説明しているという。
火災は13年10月11日午前2時20分ごろ発生し、鉄筋コンクリート地下
1階、地上4階建ての医院を全焼。70~89歳の入院患者8人と、院長の両
親である80歳と72歳の前院長夫妻が一酸化炭素中毒で死亡し、患者ら5人
が重軽傷を負った。
(毎日新聞)
◆解説
ISO14001やOHSAS18001の審査、EHS監査で指摘する頻度が高いのが、防火・防
災関連事項です。
防火扉前に障害物があったり、クローザーが壊れているケースも散見されます。
「消防計画」が適切に更新されていないケースはかなりの高い頻度で検出され
ます。
日頃のパトロールや監査・審査にて簡単に摘出できる問題なのに指摘されない
のは、現場を見ていないのか、要員の力量が不足しているかのいずれかだと考
えられます。
防火・防災に関するチェック体制を再確認されることをお薦めします。
なお、トラッキング火災については、本メルマガ12/17号で採り上げています
のでご参照ください。
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◆本日発行「ESHエキスパート」の記事紹介
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■環境不祥事の教訓
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■労働災害の真相
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■環境事故・ニュースレポート
全国の事故・事件情報 2件
■不法投棄関連情報
全国の不法投棄関連情報 2件
■労働災害レポート
全国の労働災害・書類送検情報 21件
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